大阪から全国へ!
伝統と文化が根付いた
吉本新喜劇をより広く、
日本中の人に楽しんでもらいたい

吉本新喜劇の仕事

平岡 由香里

新喜劇事業本部
中途入社・2015年入社

WORK

仕事内容

あなたの今のお仕事(現場)を教えてください

吉本新喜劇の劇場公演・イベントの制作のほか、吉本新喜劇座員のマネジメントも担当しています。
なんばグランド花月・祇園花月で行われる新喜劇の公演のほか、全国ツアーなどで行われる新喜劇公演の企画・制作も行っています。昨年は新喜劇60周年で『吉本新喜劇ワールドツアー』と題して、 小籔千豊、川畑泰史、すっちー、酒井藍の4座長が3組に分かれ、47都道府県にプラス海外5か所をめぐるこれまでで一番大きな規模のツアーも行いました。
大阪ではもはや“文化”と言っても過言ではない新喜劇の魅力は、毎週、当たり前のように新作の公演が行われていることです。一度、作ったものをずっと使い続けるのではなく、常に新しい内容の公演をお客様にお届けしています。冷静に考えるとそれってすごく大変なことなんです。その裏側にはたくさんの人が関わってそれを作り出す工程が生まれているわけで、そこを円滑にするのが私の仕事でもあります。
その他にも、担当座員のスケジュール管理や単独ライブの制作等の業務内容も含まれます。現在の担当は池乃めだか、末成映薫、小寺真理、松浦景子、そのほかの若手座員さんです。

仕事における、あなたの役割を教えてください

劇場公演の制作全般を業務としています。具体的には、座長と台本の打ち合わせに参加し、その内容をもとに技術スタッフとやり取りし、1週間の劇場公演の立ち合いをすることなどです。
新喜劇は、まず座長と作家さんと製作スタッフが最初に打合せをすることからスタートします。作家さんが作ってきた台本を読みながらこんな話にしようという人もいれば、プロットという短い物語を出してもらってそこから話を大きく展開させていく人もいて、座長によって進め方はさまざまです。打合せに際して、私の役割としては、世の中の流れから大きく離れないようにすることです。一般人の目線というか、誰が見てもイヤな気持ちにならずに笑えるような設定にするために、そこから外れたことはしないという線引きをするのが私の役目だと思っています。技術の打合せでは、衣装、音響、小道具、セットづくりと様々な発注があるので、それらを1つ1つ進めていく形になります。

仕事をする上で心掛けていることを教えてください

芸人さんと適度な距離感を保つことです。芸人さんはみなさん優しいので仲良くしてくださるのですが、とは言え、友だちではないのでいつもリスペクトを持って接するようにしています。
芸人さんのタイプに合わせて、どのくらいの距離感を求められているのか、そこをしっかり把握するようにしています。
あとは、芸人さんそれぞれに合わせて柔軟にやり方を変え、それぞれの方にあったスタイルで仕事をさせてもらうことです。例えば、池乃めだかさんには、パッと見て読みやすいようにと、2週間分のスケジュールを手書きで大きい字で書いてお渡しするようにしていて、奥さんからも感謝の言葉を頂いていています(笑)。逆に若い座員にはGoogle カレンダーの共有をしたほうが早かったりする。そこは各自のタレントさんに合わせた動きをとるようにしています。

この仕事のココが面白い(やりがい)

新喜劇を作り上げていく工程は大変なことも多いですが、最終的に劇場でお客様が笑っているのを見ると、それまでの苦労も吹き飛び、「この仕事をやっていてよかったなぁ」と思います。いい舞台を作るには、舞台に立つ演者さんが楽しくできる環境を作ることがいちばんです。そんな環境を作り上げるためには、稽古の段階から誰よりも笑う、テンションをあげて楽しい空気づくりを意識していますね。

この仕事に求められる資質

芸人さんと仕事をすることが多いと思うので、『自分のうれしいより、人のうれしいを喜べる人』の方が向いていると思います。作った新喜劇の新作が社員さんのウケが良かったとか、担当する座員にテレビのバラエティの仕事が決まったなどはすごくうれしい。仕事は仕事とわりきって自分だけで業務を進めていく人ではなく、自分の仕事に直接関係なくても、チームであるまわりの人のことで喜べる人だと、チームの絆も深まっていくと思います。

EXPERIENCE

社歴・失敗談

吉本興業に入社した動機・きっかけを教えてください

私が中学生くらいの頃、お笑いブームでよくテレビを見ていて、高校生になってからは劇場にも足を運ぶようになっていました。前職は全く別の仕事をしていたのですが、やはりどうしてもお笑いに携える仕事に興味があったので、社会人として働きながら週末にYCC(元:NSCビジネスコース、前:よしもとクリエイティブカレッジ)に通いました。それがきっかけで、自分が夢見ていた世界に入ることができました。

吉本興業に入社して今までどんなお仕事(部署)をしてきましたか?

学園祭やショッピングセンター等のイベントを行う、興行営業の部署と、お笑いまつりや若手の企画ライブのプロデューサー、新喜劇の全国ツアー制作を行う、ライブ制作の部署を経て、2018年から現職に就いています。

吉本興業だから味わえた経験を教えてください

昨年、吉本新喜劇のワールドツアーで中国の上海で公演があったときのことです。公演前日に演者やスタッフとお食事会をして、みんなで「明日、頑張ろう」といい気持ちになったところで、字幕と芝居がまったく合っていないことが発覚しました。誰かのミスということではなく、日本からはきちんとした台本を送っていたのですが、中国に届き、それに字幕をつける作業の段階でなんらかの間違いが起きてしまったようで……。発覚したときはみんなで青ざめ、徹夜ですっちーさん、酒井藍さんと一緒に字幕用にセリフを起こす作業をしました。座長と一緒に徹夜するのはなかなかできない経験だったのと同時に、60周年のせっかくの記念公演だけに、ギリギリのタイミングだったとしても気づくことができたのは幸いでした。結果、みんなで頑張って字幕も直し、中国人のお客様にも伝わったのでよかったですね。
ちなみに、ライブ制作の部署にいたときは59周年の全国ツアーに帯同し、そのときはライブを運営する業務を行い、60周年のワールドツアーでは新喜劇の中身を作る業務で関わることができた。両方の立場を経験できたのはすごく糧になっています。

飛び上がるほど嬉しかったことは?

自分のことではないですが、新喜劇に異動してきて、すぐに担当になった末成映薫さんが71歳でフルマラソンに初挑戦して完走できたこと。私も毎日のように練習にも参加していたので、映薫さんが完走できた時は本当にうれしかったです。71歳という年齢になってなお、毎年のように何か新しいことに挑戦したいという映薫さんのパワフルさにはいつも驚かされています。そして、そんな映薫さんの姿にはいつもすごく良い刺激を受け、尊敬しています。余談ですが、お化粧をしていなくても肌もつるつるで、めちゃくちゃキレイなんですよ。120歳ぐらいまでずっと元気でいてほしいなと思っています。

「やってしまった!」失敗から学んだ思い出は?

舞台『水戸黄門』の記者会見で坂田利夫さんと一緒に東京へ行く日に寝坊してしまい、坂田師匠を駅で待たせてしまいました。謝る私に師匠はまったく怒らず優しく接してくれました。怒られるよりも身に染みてしまい、本当に申し訳なかったです。入社して寝坊したのはそのときの1回だけですが、でも一生忘れないで反省し、自分への教訓にしようと思っています。

吉本興業で達成したいことは?

吉本新喜劇を全国でテレビ放送することです。座員の皆さんのおかげで新喜劇の認知度は広がったとは思いますが、東日本ではまだ見たことがない人も多いと思います。なので、それを全国規模にひろげていきたいし、見たことある人を増やしたいですね。
その他は、ライブ制作の時代に、2016年の10周年記念ツアーを担当したバイク川崎バイクさんに個人的に思い入れがあるので、2026年の20周年記念ツアーに何らかの形で携わっていたいですね。まだバイクさんが今ほど売れる前、初めて劇場で見たとき「めちゃくちゃ面白い!」とバイクさんの才能にほれ込み、「この人をなんとか売り込みたい」と学園祭のメンバーに入ってもらったり、単独ライブの担当もさせてもらいました。まだ入社して1~2年目だった私に、自由にやらせてくれるというのは上司ももちろんですが、吉本興業という会社の社風が寛容なんだろうなと思います。

MESSAGE

お世話になっているあの方から

小寺真理さん インタビュー

【Q 平岡さんと初めてお会いしたのはいつですか?】
小寺:
吉本新喜劇に入る前から営業先でお世話になっていて、優しいお姉さんっていう感じでしたね。

平岡:
年齢も近かったし、接しやすかったからですかね。

小寺:
優しくされすぎて、裏があるんちゃうかって思うくらいでした。(笑)

平岡:
私は綺麗な人やのに、吉本入ってもったいなって思ってましたよ。(一同笑い)

【Q 平岡さんの仕事ぶりはいかがでしょうか?】
小寺:
新喜劇担当社員さんの中で一番レスポンスが早いと思います。なんでも平岡さんにすぐ聞いちゃうところがありますね。何でも知ってるっていう印象で本当に助かります。

平岡:
全然そんなことはないですが、レスポンスは結構意識してはいますね。

【Q 平岡さんの失敗エピソードや印象深い話がありましたら伺わせてもらえますか?】
小寺:
失敗しているところを見たことがないというか。私の失敗の尻ぬぐいをしてもらっているんです…。応募用紙の脱字とかすぐに直してくれたりとか。

平岡:
いやいや。

小寺:
座員は平岡さんのことが大好きで、こないだも末成映薫さんとお買い物に行ったときに、映薫ねえさんが平岡さんへのお土産選ばれていて、ほかにも川畑座長に弾き語りの動画、突然送り付けられてましたよね!?

平岡:
はい。いやぁ、でも有難いですね。(笑)親戚の子みたいな感覚なんだと思います。

【Q 平岡さんへ日頃の感謝の言葉をいただけますか?】
小寺:
こないだ私、実は8kg太ってしまったんですよ。でもその時も「最近、運動とかしてます~?」っていう感じで、やんわり平岡さんが伝えてくれて。

平岡:
ふふふ。

小寺:
そのことがきっかけになって、ダイエットを始めることに決めたときに、まさかの平岡さんが「私も一緒にダイエットします!」って言ってくれたんです。そこから毎日テレビ電話で、30分くらい痩せるダンスに付き合ってくれた。(笑)こころ折れそうな時も支えてくれて、私より本気になってくれたんです。

平岡:
一番、小寺さんとは連絡とっているかもしれないです。友達より連絡しているかもしれない。(笑)

小寺:
プライベートまでフォロー頂いて、とても感謝しています。

平岡:
ありがとうございます。(一同笑い)

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