WORK
仕事内容
あなたの今のお仕事(現場)を教えてください
東京マネジメントセクションでプロデューサーという立場です。
マネージャーは、大げさにいえば、「タレントの人生を背負う」ような仕事です。「担当するタレントさんをどう売っていくか」を考え、実際に行動を起こしていくこと。そのためには、タレントさんが今後、どうなっていきたいのか、そこをしっかりと把握しなければなりませんが、そのために腹を割って話すためには信頼関係が必須です。タレントの意見を尊重しながらも「自分はこう思う。こういうことやっていきましょう」と言えるぐらいの関係性を構築できるのが理想なんです。だから僕はわりと自分の意見をどんどん言うようにしています。
仕事における、あなたの役割を教えてください
プロデューサーとして、チーフマネージャーや他部署との連携をしながら、コンテンツ開発を進めていくことです。マネジメントの部署には、現場マネージャー、チーフマネージャー、プロデューサー、センター長という4つの職種がありまして。僕はプロデューサーという立ち位置なのでタレントさんのマネジメントをするというより、芸人さんを使ったイベントの企画を考えるなどのコンテンツ開発を行うことが求められます。
例えば、コロナ禍において、テレビ番組などの在り方も急に変わってしまった。そういう時代の変化の中でも、どういうことをやれば担当するタレントさんがこれまでと同じ(もしくはそれ以上)に活躍できるのかを考える。もちろん、それってなかなか難しいことではあるんですけど、それこそタレントとコミュニケーションをとることで、芸人さんのほうからもアイデアが出てくる。それを実現させるにはどう動くのかということを考えています。
仕事において求められる資質
担当するタレントといかにコミュニケーションをとれるかです。
タレントとの信頼関係は、日ごろのコミュニケーションによって強固なものになっていく。会話がないと、タレントさんにもこちらが何を考えているのか伝わらない。もちろんタレントさんの個性にもよるので、話しかけてもいいタイミングをしっかり計るなど、マネージャーとしての最低限の気遣いは必須です。
長くつけばつくほどどういう人かはわかってくる。やはり日々の積み重ねなのかなと思います。
仕事のここが面白い(やりがい)
今まではチーフマネージャーとしてタレントと向き合うことにやりがいを感じていました。文字通り二人三脚のようにタレントと一緒に向き合っていくことがマネジメントの醍醐味なのかなと。
ただ、プロデューサーという立場になったことで、「自分を信頼してくれているタレントさんと一緒にいかにしてお金を生み出すか」を考え、実行にうつしていくことにやりがいを感じるようになりました。
自分が考えたこと、企画したことを自由にやらせてもらえるようになった=逆に言えば、自分でアクションを起こしていかないと仕事が生まれない。それは面白さであり、プレッシャーでもあります。アクションを起こしていけるようにいろんな部署と連動して企業とのコラボのようなことも今後やっていきたいと思っています。
仕事をする上で心掛けていることを教えてください
どんなことでもいいので考えることを意識すること。
誰かに聞けばすぐ解決するけど、まずは自分で考えて調べて動いたほうが絶対に吸収度が違う。些細なことでもそういうことを面倒がらずにすることで、結果、積み重なって人としての成長に大きな差が生まれる。人に聞くだけではなく、自分で考えて動くことで身に付く。仕事で失敗することだってありますけど、それもまさに「なぜ失敗したのか」を「考える」ことで、人は成長できますからね。
そして、常に先を見て新しいことにチャレンジする気持ちを持つこと。テレビにしても、イベントにしても、あらゆるエンタメがこのコロナ禍によって急激に変わってきています。今までやってきたことにあぐらをかいて、そこでとどまっていると、ふと気づけば取り残されてしまっていることになりかねない。新しいことに挑戦し続けていかないと、会社としても個人としても成長はないと思います。
EXPERIENCE
社歴・失敗談
吉本興業に入社した動機・きっかけを教えてください
大阪出身でお笑い文化で育ち、そもそもお笑いが好きだったので。
ただ、NGKなどの劇場に通っていたというほどではないのですが、お笑いというものはすごく好きでした。スポーツが好きだったのでスポーツに関係する仕事か、お笑いの世界かという感じだったのですが、結局、お笑いの世界にきました(笑)。
吉本興業に入社して今までどんなお仕事(部署)をしてきましたか?
入社以来13年間ずっと東京のマネジメントに所属しており、これまでに現場マネージャー、チーフマネージャーとして、合計で50組ぐらいの芸人を担当してきました。13年間ずっとマネジメントセクションにいるっていうのは、うちの会社では珍しいほうなんです。長く担当させていただくことで信頼関係も強まるので、それはとてもありがたいなと思っています。
13年間マネジメントを経験して僕の中でいちばん大きいなと思うのは、培った「経験」ですね。いろんな壁にもぶつかりました。でも、そこを経験したからこそ、後輩から相談を持ち掛けられても「そういう時はこうすれば」とアドバイスはできるようになったと思います。
吉本興業だから味わえた経験を教えてください
2011年にNGKで行われた伝説の1日というイベントのことは吉本ならではのイベントは忘れられません。よしもと所属の芸人ほとんどがNGKに集まり、公演を行った日のことは思い出深いです。
よしもとって大変みたいなイメージあるかもしれませんが、どこの企業も1~2年目は大変だと思うんですよ。そこはほかの企業とも変わらない。逆に、先輩たちも優しいし、「面白いことやったらええやん」と言ってくれるような会社なんです。「自分のことも満足にできないのに人のことなんてマネジメントできるのか」と思っていたような人間が13年間もマネージャーやれるって、やはりまわりが優しかったからこそだろうなと。入社前に思っていたのと全然ちがいました。誰よりも芸人さんの近くで仕事ができるマネージャーと言う立場は、やはり現場が楽しいですし、これも吉本だからだろうなと思います。
飛び上がるほど嬉しかったことは?
僕は今、ナインティナインを担当していまして(対談参照)、お二人とも結構マネージャーの意見を聞いてくださるんです。仕事の話をしに行ったり、企画の相談に行ったりしても聞いてくれる。「こういう風にこうやりたいです」と僕の想いをお伝えすると、「任せるわ」と言ってくださる。そういうときは信用してもらっているのかなとうれしさを感じますが、逆に「任されたからには絶対に良いものにしよう」と気が引き締まる想いもありますね。
あとは、個人的なことなんですけど、仕事でサッカーのワールドカップのロシア大会と『EURO2016』を現地で観戦できたこと。こういうのに行けるのって、限られたマネージャーしかいない。僕、野球経験者なんですけど、めちゃめちゃサッカー好きで。サッカーのほうが好きなぐらいなので、本当に興奮しましたね。
「やってしまった!」失敗から学んだ思い出は?
自分の失敗談とはまた異なるのですが、トラブルが起こった時マネージャーとしてどう動くべきかが問われると思います。起きてしまったことはもう取り戻せません。それを考えるよりも、いかにタレントを守り、どうケアしていくかを瞬時に考えなければなりません。
その騒動を最小のもので済ませるため、二次騒動、三次騒動にならないようにと考えて動くことが求められます。
考えるときのポイントとして、自分の権限で決められることと自分の意思が届かないことを見極めること。自分が入っていけないところのことを考える時間があるなら、マネージャーが今、できることを最大限行い、「こうなったらこう動こう」と次のことを考えるのが役目です。自分が今、やれること、やるべきことをしっかり把握して動くことで、トラブルを最小のダメージで済ませることができるはずだと思っています。
吉本興業で達成したいことは?
野球やサッカーに関わらず、スポーツが好きなので、吉本興業にいながら、オリンピックやワールドカップなど世界的なスポーツイベントに携わってみたい。僕の今の立場でどういう関わり方ができるのかを考うえると、いろいろな企画をたてられるかなと思うので、夢であり、夢のままで終わらせないために、日々の仕事を邁進せねばと、気が引きしまる思いです。
オリンピックの開会式にスタッフのTシャツを着ている自分を想像するだけでワクワクする。会場で見ることはできたので、今度は仕事を生み出しつつ、世界的なイベントに絡んでいければいいなと思います。
僕らの時代は制作やマネージャーになりたいという人が圧倒的に多かったんですけど、今はいろんな部署があるので、学生に聞いてみると海外で活躍したいという声が多い。芸人にも、社員にも、世界で活躍する人が増えてきているので、そういう人たちも頼りつつ、世界的スポーツイベントを見るだけでなく、作り出すことにチャレンジできればと思っています。
MESSAGE
お世話になっているあの方から
ナインティナインさん インタビュー
【Q どれくらいナインティナインさんの担当をされているのですか?】
田中:
2015年のナイナイさんが27時間テレビをやられたとき時からです。
岡村:
一番忙しい時だったんじゃない?
【Q 田中マネージャーで助かったなぁと思う局面は?】
矢部:
なんやろ、僕は田中と相性いいんだろうなと思います。高校球児だったので、同じ体育会系でやりやすいですね。
岡村:
ぼくは、田中に「どうしよ~?」って相談すると、必ず「大丈夫ですよ!全然大丈夫っす!」って言ってくれるところですね。それで気持ち的に助かることがありますね。「大丈夫ですよ!」って言って、全然大丈夫でなかったことも結構あるんですけれど。笑
田中:
笑 すみません、ポジティブな性格なんで、基本的にどうにかなるかなと思い、に言ってしまいます。
岡村:
確かに、一緒に「どうしましょ?」ってなっちゃう人より、「大丈夫です!」って背中を押してもらえるほうが、僕らは助かりますので。
矢部:
それは良かったんでしょうね、僕らには。
あとは、お酒好きなところも良かった点です。誘ったら、「ありがとうございます!」って来てくれるし、楽しそうに飲んでくれるし、その場を楽しんでくれるからラクですよね。笑
岡村:
僕の場合、お酒というよりはご飯メインなのですが、体育会系だし、めっちゃ食べられそうなのに、全然食べないんですよ。僕なんて小柄だから、一緒に行く人にはたくさん食べてもらいたいのに、まったく戦力にならない。田中はお酒ばっかり飲んで、ご飯食べないんですよ。そこが嫌いです。笑
矢部:
決めつけやな。笑
マネージャーを誘って、ご飯に行く機会って、結構あったりするんですね
田中:
結構、行かないときも多いです。笑
岡村:
そうやな。笑 来ないときもあるな。
矢部:
田中の性格的に、楽しそうな食事の席しか来ない。笑
岡村:
もんじゃ焼き食べに行こうって言ったら来ないくせに、ふぐ食べ行こうかって言ったときは来たりするんですよ。ソバでも来ないしなぁ。フグとカニだったら来る感じですかね。笑
ナインティナインさんくらいの方から誘われたら、断れない気がするのですが
岡村:
全然、断られますよ。笑 そういう関係性なので仕方ない。
【Q お二人がマネージャーという職業に望むものはあるのでしょうか?】
岡村:
僕は、この仕事を受けるべきかとか、人にどう伝えようかなど迷うことが多いんですけど、「面倒くさいなぁ」と思うことを、代わりにやってくれたり、被ってくれたりするんですよ。「頼む!田中やっといてくれ!」と何度もお願いしたことがありまして、「わかりました!」っていつもやってくれまして、そうやってタレントを守ってくれる部分には、本当に助かっております。
矢部:
僕は逆に無いですね。笑
いつも新任のマネージャーにお伝えするのは、「タバコだけもっておいて!」これだけです。
田中は効率よく仕事するほうで、有りか無しかを2択でバンっと考えるような性格なので、選択肢を間違いないようにと願っております。笑
岡村:
感謝はもちろんしてますよ。笑 何でも全部開けてくれるところですかね。「これ何ですか?」ってプレゼントも手紙も先に開けてくれるところですね。「これ何ですか?」って、勝手に開けるんですよ。笑
本当に頼もしいですし、頼りにしているので、なんでも相談させて頂いてます。