今回は、1990年代から2000年代に販売されていた、サントリーオールド マイルド・アンド・スムーズを飲みます。
マイルド・アンド・スムーズは1994~2006年まで販売されていました。
サントリーオールドは1988年に、現在の白州蒸溜所のモルトを加えてリニューアルをしましたが、そのボトルをリッチ・アンド・メローという名称にして、それとは別に口当たりの柔らかいブレンドを新たに行って、アルコール度数も従来の43度から40度に引き下げ、マイルド・アンド・スムーズとして発売しました。
2006年までは、この2つのブレンドを並行して販売を行っていました。
マイルド・アンド・スムーズは度数を引き下げたことで酒税が減り、消費税込みで1980円と2000円の大台を割って発売されるようになりました。
また期間限定販売として、ハイボール向けにブレンドしたサマーブレンド、ホットウイスキー向けにブレンドしたウインターブレンドも発売されました。
マイルド・アンド・スムーズ発売から1,2年ほどは、長塚京三、田中裕子を主役に起用し、「恋は遠い日の花火ではない」というキャッチコピーをテーマとしたテレビCMシリーズが放送されました。
マイルド・アンド・スムーズは、2006年に同じくアルコール度数40度の「ザ・サントリーオールド」に代る形で販売終了しました。
しかし、ザ・サントリーオールドは不評を買うこととなり、2008年にアルコール度数43度の新ブレンドにリニューアルし、現在に至ります。
ストレートについては、同じ度数にするため、現行ボトルでは少々加水をします。
なお、過去のサントリーオールドの古酒については下記よりご覧下さい。
現行品においては、レーズンよりもリンゴの香りの方が目立つ印象です。液色は同じく中庸な琥珀色です。
味わいはアルコールからの辛みがそこそこ感じられた後、軽い酸味と共に甘さが口に広がります。
現行品では、軽くスモーキーな香りが訪れるも、レーズン、リンゴの香りが主体で、後からバナナ、バニラ、カカオの香りが続きます。
味わいは、アルコールの辛みが目立つものの、酸味が広がり奥から甘味を得られます。
味わいは、苦みが目立つものの、後から甘味が広がる印象です。
一方で現行品は、ラムレーズンとリンゴの香りが強く、バニラの香りは控えめです。奥からは軽いスモーキーさとカカオの渋い香りが続きます。
味わいは、苦みが先にやってきて、酸味と甘さが半々に訪れます。
味わいは、苦みが強めで、ストレートやロックのような甘さは感じられません。
現行品では、リンゴとブドウの香りが先にやってきて、バニラ、カカオの香りが続きます。
味わいは、苦みが目立つものの、その後に酸味が続き、甘味もほんのり感じられます。
1988年にリニューアルしたオールドでは酸味や苦みが目立つブレンドにしたことが、消費者にとっては不評を買っていた可能性があるでしょう。
一方でハイボールになると現行品よりも苦みが強くなり、甘さが吹っ飛んでしまう印象に変わっていました。
期間限定でハイボール向けのサマーブレンドやホットウイスキー向けのウインターブレンドを出してきたのも、このボトルの弱点を補う理由があってのことと推察できます。
700mL、アルコール度数40度、発売当初は1980円、その後1600円台に値下げしたようです。
なお、マイルド・アンド・スムーズは比較的長期にわたって販売していたため、ネットオークションなどでも比較的出品されていて入手しやすいです。2022年4月時点でも3000円以内で手に入るでしょう。
恋は遠い日の花火ではない OLD is NEW
サントリーオールドは1988年に、現在の白州蒸溜所のモルトを加えてリニューアルをしましたが、そのボトルをリッチ・アンド・メローという名称にして、それとは別に口当たりの柔らかいブレンドを新たに行って、アルコール度数も従来の43度から40度に引き下げ、マイルド・アンド・スムーズとして発売しました。
2006年までは、この2つのブレンドを並行して販売を行っていました。
マイルド・アンド・スムーズは度数を引き下げたことで酒税が減り、消費税込みで1980円と2000円の大台を割って発売されるようになりました。
また期間限定販売として、ハイボール向けにブレンドしたサマーブレンド、ホットウイスキー向けにブレンドしたウインターブレンドも発売されました。
マイルド・アンド・スムーズ発売から1,2年ほどは、長塚京三、田中裕子を主役に起用し、「恋は遠い日の花火ではない」というキャッチコピーをテーマとしたテレビCMシリーズが放送されました。
マイルド・アンド・スムーズは、2006年に同じくアルコール度数40度の「ザ・サントリーオールド」に代る形で販売終了しました。
しかし、ザ・サントリーオールドは不評を買うこととなり、2008年にアルコール度数43度の新ブレンドにリニューアルし、現在に至ります。
テイスティング
今回は現行ボトルを対象として飲み比べてみたいと思います。ストレートについては、同じ度数にするため、現行ボトルでは少々加水をします。
なお、過去のサントリーオールドの古酒については下記よりご覧下さい。
グラスからの香り、液色
マイルド・アンド・スムーズは、レーズンの香りがしっかり感じられ、奥からはリンゴの香りが続きます。液色は中庸な琥珀色です。現行品においては、レーズンよりもリンゴの香りの方が目立つ印象です。液色は同じく中庸な琥珀色です。
ストレート
マイルド・アンド・スムーズでは、ラムレーズンの香りと共にほんのりスモーキーさが伴い、その後、リンゴ、ハチミツ、バニラの香りが続きます。味わいはアルコールからの辛みがそこそこ感じられた後、軽い酸味と共に甘さが口に広がります。
現行品では、軽くスモーキーな香りが訪れるも、レーズン、リンゴの香りが主体で、後からバナナ、バニラ、カカオの香りが続きます。
味わいは、アルコールの辛みが目立つものの、酸味が広がり奥から甘味を得られます。
ロック
マイルド・アンド・スムーズだと、ブドウ、リンゴ、バニラの香りが先に感じられ、その後ピート、ライム、カカオと続きます。味わいは、苦みが目立つものの、後から甘味が広がる印象です。
一方で現行品は、ラムレーズンとリンゴの香りが強く、バニラの香りは控えめです。奥からは軽いスモーキーさとカカオの渋い香りが続きます。
味わいは、苦みが先にやってきて、酸味と甘さが半々に訪れます。
ハイボール
マイルド・アンド・スムーズでは、軽くスモーキーさを得ながらも、レーズンの甘い香りがメインで感じ取れます。味わいは、苦みが強めで、ストレートやロックのような甘さは感じられません。
現行品では、リンゴとブドウの香りが先にやってきて、バニラ、カカオの香りが続きます。
味わいは、苦みが目立つものの、その後に酸味が続き、甘味もほんのり感じられます。
甘味が目立つブレンド
マイルド・アンド・スムーズは、現行品に比べると甘味を強調した印象に感じられます。特にロックで飲む際に、甘味が強調される印象を受けました。1988年にリニューアルしたオールドでは酸味や苦みが目立つブレンドにしたことが、消費者にとっては不評を買っていた可能性があるでしょう。
一方でハイボールになると現行品よりも苦みが強くなり、甘さが吹っ飛んでしまう印象に変わっていました。
期間限定でハイボール向けのサマーブレンドやホットウイスキー向けのウインターブレンドを出してきたのも、このボトルの弱点を補う理由があってのことと推察できます。
700mL、アルコール度数40度、発売当初は1980円、その後1600円台に値下げしたようです。
なお、マイルド・アンド・スムーズは比較的長期にわたって販売していたため、ネットオークションなどでも比較的出品されていて入手しやすいです。2022年4月時点でも3000円以内で手に入るでしょう。
<個人的評価>
- 香り B: ラムレーズン、リンゴ、ピート、ハチミツ、バニラの香りが続く。
- 味わい C: ストレート、ロックでは甘味が得られるが、ハイボールでは苦みが強い。
- 総評 C: 甘味が目立つが、飲み方を選んでしまう。