基礎魔法理論 I
基礎魔法理論 魔素概論について
さぁ、ちょっとしたお勉強の時間だよ。
損はさせないさ。
魔法、魔術、魔導。
何でもよいがまず定義しよう。
ここでは所謂魔法というものをひっくるめて呼称する。
そして魔法とは、それぞれ何らかの望んだ
つまり魔法とは結果のみを求めた先にあるものである。
目的無くして行動は出来ず、行動無くしてすべての事象は起こりえない。
しかし魔法は発動過程に大小さまざまな要因が絡まる事象を、途中過程をすっ飛ばして結果だけを求める手段である。
-<目次>-
第一節: 初めに。
第二節: エネルギーについて
第三節: MPと魔素と発動座標について
第四節: 魔法化合と残滓について
-<第一節: 始めに。>-
ここで皆は疑問に思う事だろう、無から有は生まれない、と。
そう、その通りだ。
あり得ないのである。
そこで終わってしまってはいけない。
実際魔法は発動してる、事実はここにあるんだと。
この場合、ニワトリは既にいるのだ。
では考えてみよう問題は以下のパターンだ。
問題: 何もないと見える自身の1m先の中空から何らかのトリガーをもとに出現した火の玉の証明。
定義1: 火の玉が存在する。
定義2: トリガーを条件に現れた。
仮定1: なんらかのエネルギーがある。それは通常見えない。
よし、定義と仮定はこのようなものだろう。
まず考えるべきは火の玉についてだ。
まず火とは、「可燃物」・「酸素」・「熱」この三つが必要である。
そして火とは「熱」と「光」を放射する。そこまでは良いだろう。
だが見落としがちだが可燃物とは往々にして有機物、つまり炭素を含むものだ
そして「燃焼」とは炭素が酸素と結びつく工程になる。
じゃあ中空から突如として現れた火の玉。
こいつは何と化合しているのだろうか。
そして化合したそれは何になったのだろうか。
魔法とは、、そうあれかしと、光あれ!と思う意思をトリガーに発動するのである。
であれば自身から意思、といったものを発信していると考えるのが妥当だろう。
その意思は発熱と酸素の供給を行うのである。
そして化合する対象であるものはその中空に有ったのだ。
ここからはわかりやすく名前を付けていく、
下記の名称はあくまで仮の名前だと思って頂いて構わない。
火の玉 = ファイアーボール
魔法の発動に必要な意思 =
MPと化合する対象 = 魔素
CO2 の様に化合した結果 = 残滓
としよう。
-<第二節: エネルギーについて>-
次にエネルギーについてだ
ファイアーボールの場合より大きく、より熱量をもち、光り輝いている物ほどエネルギーが高い。
仮にろうそくのようなファイアーボールと、太陽の様に燦然と輝くファイアーボールならどちらが威力が高いか?という話である。
第一節でファイアーボールにも必要な要素があるといった。
それらは目に見えなくてもそこにあり、必ず消費されているのである。
さて、火を強くするにはどうすれば良いだろうか?
答えは簡単、燃料である「可燃物」と「酸素」をたくさん用意して燃やせばよいのである。
ではファイアボールにおける「可燃物」と「酸素」は何だろうか?
それは「MP」と「魔素」である。
発信した自身のMPが多ければ多いほど様々な命令を下せて産むエネルギーは多くなり。
周囲の魔素を多く消費すればするだけより多いエネルギーを生むことが出来る。
これが、強い魔法に多大な集中力とMPがかかる理由であるとする。
-<第三節: MPと魔素と発動座標について>-
さぁ、もう一息だ。
ここからは自身の1m先の中空に表れたとした。
自身から発せられたMPはどうやってその位置まで行ったのだろうか。
自身の意思は当然自分の中のみに存在する、体外に己の意思は存在しない。
決してその妄想だけで世界に現象を起こすことは叶わない。
ファイアーボールを発動するには自身の中にあるMPを消費し
辺りにある魔素に「火の玉を出す」といった指示をだす。
この時に、魔素に対しての指示は「火の玉を出す」のみではなく、
「(自身の1m先に)火の玉を出す」といった無意識の命令が含まれるのである。
この無意識の命令を
そしてこの無意識命令は往々にして座標の指定を担っている場合が多い。感覚派の者は大抵これである。
では逆に「火の玉を出す」これは
説明は不要なほどに字面通りである、魔素に実際に自覚した命令である。
これらは本質的には同じであり、使用者が認識しているか認識していないかの違いだけである。
つまり両方とも魔素に命令を下しているだけなのである。
ここで本題の「自身から発せられたMPはどうやってその位置まで行ったのだろうか。」を考えてみよう。
先ほどファイアーボールの発動命令は「(自身の1m先に)火の玉を出す」であると述べた。
この命令は二つ命令を含み、「自身の1m先に」と「火の玉を出す」である。
そして消費するのは「MP」である。
MPはそれぞれの命令を自身から一番近い、つまり表皮上と体内に含まれる魔素に伝える。
命令を受けた魔素は隣り合う魔素に命令を伝え...といった言わば伝言ゲームの要領で目的の位置に命令を届けるのである。
そして「自身の1m先に」の後に「火の玉を出す」の命令が実行されるのである。
以下が命令によって魔素が行う
「自身の1m先に」・・・魔素間に続く命令を伝える、その距離は発信源から1m先で条件を満たしたら実行する。
「火の玉を出す」 ・・・魔素を熱と可燃物に変換する。
つまり発動する距離を伸ばしたければよりMPと魔素を消費しなくてはならないのである。
-<第四節: 魔法化合と残滓について>-
さて最後に発動した魔法の後に着目してみよう。
魔法とは所謂MPと魔素の化合である。
「魔法化合」とは、MPと魔素を使って行った
「残滓」とは魔法化合の後に残る化合物である。
使用された魔素は使用済みの状態になり、しばらくはその魔素を利用できない状態になる。
では今回例に出した魔法とは別に、いくつか別の例を出してこの「残滓」について説明したいと思う。
例1)「自身の1m先に火の玉を出す」
例2)「左手の前に圧縮した空気とつらら(尖った氷片)を出し、それを空気を解放することで射出する。」
例3)「自身の立っている位置に1分後に人ひとり覆う量の水を出現させる」
上記の例を使い残滓が残る位置や特徴を説明しよう。
まず例1。魔法の説明は省くがの、これは自身と発動位置まで間に残滓が残る。なぜならば実際の火が出る位置の間にも隣の魔素に命令を伝えるといった魔法が行使されているからである。
気を付けたまえ、攻撃対象が魔素を辿る術を持っていたら一発で位置がバレるぞ?
次に例2。これは左手の先に圧縮空気と氷を使った弾丸魔法である。
これは残滓は自身の左手周辺のみにしか残滓は残らない。
何故なら魔法の発動自体は左手周辺で終了しており実際に氷が飛んでいくのはただの魔法(物理)だからである。
これも風だったり実際に目視できるからよけやすかったりといろいろデメリットはある。
しかし、1の様に残滓を辿るといった事はされない。
最期に例3。これは自身の立っている位置に1分後に水の牢屋を発動する魔法である(水をとどめる命令は無いのですぐに解放されるが。)いわゆるトラップタイプだ。
これは残滓は命令を残したその位置にのみ残る。
だから待機時間中に逃げれば残滓をその場に残し、後は魔法が1分後に自動で発動されるのである。
トラップ故に無差別になってしまうのがデメリットではあるがダンジョンとかの魔法系トラップがこのタイプなので有用性は言うまでもないであろう。
さて以上の総四節が魔法基礎理論の魔素概論についてである
これが魔法である。魔法は決して無から有を生んではいないのだ。只万能なのだ。
※あくまでも作者の妄想です。