いまや日本人の死因第3位の肺炎。
何となく自分は肺炎にならないと思ってるみなさんに、ぜひ知っておいていただきたい!最も怖い肺炎の原因は肺炎球菌ですが、なんと成人の10人に1人がすでに保菌しているという衝撃事実が判明。でも肺炎の発症を防いでくれるのが、ほとんど注目されることのない臓器「脾臓(ひぞう)」です。実は、この臓器を元気にしてくれるのがワクチンなんです。しかも、ワクチンには大人用以外に子供用もありました。肺炎の最新対策をお伝えします。
肺炎球菌ワクチンは脾臓(ひぞう)を“元気”にする
肺炎を起こす原因菌として、最も感染率が高く、致死率も高いのが「肺炎球菌」です。肺炎球菌は人の鼻の奥に住み着き、肺に落ちてきたときに肺炎を引き起こします。ただ、本来は体内に肺炎球菌が侵入しても、脾臓に存在する特殊な免疫細胞「マージナルゾーンB細胞」が抗体を出し、殺菌してくれるようになっています。
ところが高齢になると、若いときと比べて脾臓が縮小。マージナルゾーンB細胞の数も減ってしまうと考えられています。そのため、肺炎球菌に対するリスクが高まるんです。
そこで登場するのが「肺炎球菌ワクチン(PPSV23)」。このワクチンはマージナルゾーンB細胞に働きかけ、抗体が常に血液中に出ている状態にします。こうすることで、脾臓が小さくなった高齢者でも、肺炎球菌が侵入したらすぐに抗体が反応。免疫細胞が退治してくれるようになるんです。
肺炎球菌ワクチンを受けるための補助制度がある
対象の年齢の方は、「肺炎球菌ワクチン(PPSV23)」を自治体の公費助成を受けて接種することができます。補助制度の期間と、対象年齢は以下の通りです。
期 間:2014年10月~2019年3月の間
対象者:65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳 になる方
補助額は50~100%の場合が多いですが、自治体によって異なりますので、詳しくはお住まいの自治体の「予防接種」の窓口までお問い合わせください。
肺炎球菌ワクチンには2種類ある
肺炎球菌ワクチンには2つの種類があります。
- 高齢者が定期接種になっている“大人用ワクチン”(PPSV23)
- 赤ちゃんが定期接種になっている“子ども用ワクチン”(PCV13)
それぞれの違いは以下の通りです。
65歳以上であれば、両方のワクチンを接種することもできます。その場合は1年、期間をあける必要があります。なお、ワクチンを希望される方は、かかりつけの医師とよく相談した上での接種をお願いします。