かつてTBSのスターアナだった小林麻耶。だが、愛する妹の死、整体師との結婚を経て、まるで別人のように変わってしまった。かたや、麻耶から批判を浴びながらも沈黙を守る市川海老蔵。総力取材で小誌が掴んだのは――。
▶麻耶ハンカチ王子との恋、年収7000万のスターアナ
▶宇宙整体師と“交際0日婚”今は2人でワンルームに
▶父は絶縁 小誌に「お察しください」母は海老蔵に協力
▶海老蔵「病室で競馬新聞」「借金トラブル」は本当だった
▶整体師「EXILEのバックダンサー」と吹聴
都心の住宅街に建つ地下1階、地上4階建ての賃貸マンション。かつて「TBSのスターアナ」だった女性は今、約25平米のワンルームの一室で離婚したばかりの元夫と肩を寄せ合っている。朝から晩まで室内に籠り、食事はウーバーイーツ。時に徹夜をしながら1日80件を超えるブログを執筆する。3月26日にはこう綴っていた。
〈こんなにも世間を騙し続け、人を傷つけ、人の命を軽んじる男が!!/歌舞伎界の頂点大名跡團十郎は襲名できません!!!!!!!!〉
厳しい言葉で非難されている「男」。江戸時代から続く名門・成田屋の当主にして、彼女の義弟である。
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「暴露」は3月21日に始まった。小林麻耶(42)が、元夫で整体師の國光吟(あきら)氏(38)のYouTubeチャンネルに登場。「小林麻耶暴露」と題する動画を投稿したのだ(現在は視聴不可)。
「松居一代です。冗談です(笑)」
冒頭から笑顔でこう語る麻耶。14分間にわたり批判したのは、2017年6月に亡くなった妹・麻央(享年34)の夫である市川海老蔵(44)だ。闘病中だった麻央の病室で海老蔵が競馬新聞を開いたことなどを明かし、こう訴えた。
「妹からも相談を受けていました。『苦しいよ。死にたいよ。離婚したいよ』って」
麻耶が発信する情報にはスピリチュアルな内容も目立つ。月額550円の有料ブログ「幸せ数秘MAYA部長」では、昨年12月に亡くなった神田沙也加が“降臨”したと主張し、こう続けている。
〈神田沙也加です。まさかお話でき(ママ)なんて嬉しい!!!!!!!麻耶さんありがとうございます。麻耶さんがお話を伝え(ママ)くれるってこちらではすごく有名で私もすぐにコンタクト取らせてもらったんです〉(3月25日の投稿)
愛する妹の死から4年9カ月。麻耶はなぜ、その妹と結ばれた夫を非難し続けるのか。突飛な言動を重ねる彼女の身には一体、何が起きているのか――。
1979年、新潟県小千谷市に生まれた麻耶。父は転勤族で、中学3年の時に東京の学校に転校した。幼少期から支え合ってきたのが、3歳下の妹・麻央だ。16年出版の自著『まや道』(小学館)でこう明かしている。
〈「病的に妹のことが好き」です。どれくらい病的かというと、「麻央ちゃんのためなら命も差し出せる」〉
長じた姉妹は揃ってアナウンサーを志す。麻耶は青山学院大時代の01年、明石家さんま司会の「恋のから騒ぎ」(日テレ系)で人気を集め、03年にTBS入社。将来を期待され、2年目からレコード大賞の進行役を5年連続で務めた。
「報道のTBSで、麻耶のようなアイドルアナは異色でした。ただ、頭の回転が速く、仕事には必死で取り組む。大物にも物怖じせず、島田紳助らから寵愛を受けました」(TBS関係者)
麻央も上智大時代の02年から「恋のから騒ぎ」に出演した。卒業後はフリーアナとして芸能事務所に所属。06年には「NEWS ZERO」(日テレ系)のサブキャスターに抜擢された。
そんな2人に転機が相次いで訪れたのは、09年のことだ。まず3月にTBSを退社した麻耶は、麻央のいた事務所に所属した。
「独立直後、政治ジャーナリストの後藤謙次氏を迎えて開始した『総力報道! THE NEWS』(TBS系)のメインMCに起用されます。フリー転身時に『年収7000万円』と報じられたこともありました」(民放関係者)
除霊は“一体”につき11万円
一方の麻央は、09年11月末に海老蔵との結婚を前提とした交際を発表。海老蔵の知人が語る。
「ZEROで麻央さんのインタビューを受けたのが、出会いだった。『年貢を納めざるを得なかった』とはにかんでいました」
妹に先を越された麻耶だったが、12年1月に小誌が彼女の“恋”を報じている。日本ハムのルーキーだった“ハンカチ王子”こと斎藤佑樹との「伊勢神宮デート」だ。斎藤の両親と連れ立っての極秘参拝。麻耶は直撃にこう語っていた。
「本当に友達なんですよ。今はちょっとフリーな感じなんですよ。今年はみつけたい。早く結婚したい」
麻耶が「結婚できないキャラ」を売りにバラエティでも活躍を見せる中、麻央は11年に長女・麗禾(れいか)ちゃん、13年に長男・勸玄(かんげん)君を出産。だが16年、海老蔵が麻央の乳がんを公表。翌17年6月、麻央は34歳の若さで亡くなった。
「当時麗禾ちゃんは5歳で、勸玄君は4歳。麻耶さんは母親と共に海老蔵さんの自宅に泊まり、育児を手伝っていた。卒園式にも出席するなど“母親代わり”を務めていたのです」(同前)
ところが――。
妹の死から約1年後の18年5月、麻耶の運命を大きく変える出来事があった。國光氏との出会いだ。
神奈川県出身の國光氏は00年代前半に地元の公立高校を卒業。周囲には、
「若い頃はEXILEのバックダンサーだった」
と吹聴していたという。
だが、EXILEの事務所関係者はこう証言する。
「國光氏は事務所のダンススクールに通っていましたから、月謝を払って舞台に出ていた形。何100人もいる生徒のうちの一人です」
彼の知人によれば、「30歳前後までアルバイト生活で、実家や友人の家を転々としていた」という國光氏。だが、あるバイト先で自らの力に“開眼”する。「宇宙整体」なる施術を施す地元の整体院だ。同院の院長はかつて、小誌の取材にこう語っていた。
「元々は腰痛ヘルニアの“治療”で見えた患者さん。宇宙整体の施術を受けたことで、感じとるチカラが上がっていきました」
その後、独立を果たし、「宇宙ヨガインストラクター」と称されるようになる。
「5、6年前に『どんな仕事をしている?』と聞くと、『マッサージで食べていける』と言っていた。実際は“手かざし”や“気”による治療だったようで、目黒などで施術を行っていました。昨年10月にブログで公開した『料金表』によれば、体の施術は3万3000円、除霊は“一体”につき11万円と結構な高額です」(前出・國光氏の知人)
早朝にTBSを襲撃した麻耶
そんな國光氏と麻耶はどこで出会ったのか。
キッカケは、麻耶が大学時代の友人から「凄腕の先生がいるよ」と紹介されたことだった。その約2カ月後、友人を交えて食事をした帰り道、タクシーに同乗した國光氏が突如「結婚して下さい」と車内でプロポーズ。こうして、18年7月に“交際0日婚”を果たしたのだ。
「海老蔵さんも國光さんの施術を受けたことがあるといいます。ただ、スピリチュアルなものではなかったと聞いている。会ったのは数回だけのはずで、海老蔵さんも彼のことはよく知らないのです」(海老蔵を知る歌舞伎関係者)
しかし、國光氏との結婚、新型コロナの流行を経て、「元から精神的に危うい面を抱えていた」(古くからの知人)麻耶の異変が加速していく。20年11月には、レギュラー出演していた「グッとラック!」(TBS系)のロケを前日にドタキャンして降板。事務所との契約終了も発表された。
「降板前から國光氏はたびたび現場に姿を現し、『方角が良くないからロケ地を変えろ!』と文句を付けていた。麻耶さんも『オーラが……』と言い出し、衣装を『こんなの着てらんねえよ!』と吐き捨てるなど“奇行”が目立つようになりました。一旦降板が決まった直後、早朝にTBSを襲撃し、旧知のプロデューサーに『やらせてください!』と叫ぶ“事件”も起こしています」(番組関係者)
この後、YouTubeチャンネルの配信をメインに活動していた2人だが、昨年4月には、今回の「暴露」に繋がる夫婦関係の変化が起きていた。離婚届を提出していたのだ。國光氏は約11カ月後の今年3月10日、こんな一文で離婚を公表した。
〈戸籍上は夫婦ではないかもしれませんですが魂では夫婦です〉
ただ、既に今から半年前の昨年10月の時点で、海老蔵が「おかえり、」と題するブログを投稿。その中身が波紋を呼んでいた。
〈今日は麻耶ちゃんと晩御飯本当色々あったけど、おかえり〉
麻耶によれば、このブログが「暴露」に至った理由の一つだという。海老蔵から「離婚発表しなくていい」と言われたにもかかわらず、「離婚を示唆するブログ」を書かれたと主張。「女性遊びをカモフラージュするために、私に何も断りもなくものすごく大きなプライベートを勝手にブログに上げました」と切り捨てたのだ。
では、なぜ今のタイミングでの「暴露」なのか。前出の民放関係者が言う。
「國光氏と結婚後、麻耶はなかなか姪や甥に会えなくなりました。國光氏は自らの存在が妨げと思ったのか、『2人に会うために離婚しよう』と提案したと明かしています。それで実際に離婚したものの、以降も姪や甥と遠ざかったままでした。國光氏が唱える“宇宙整体”の精神世界に浸りきった麻耶は、これを“海老蔵の裏切り”と思い込むようになり、暴露に踏み切ったと見られます」
そして冒頭のように、海老蔵が病室で競馬に興じていたことなどを告発したのだった。だが、2人の「暴露」はそれで終わらない。
更に、16年2月の海老蔵のUAE公演を巡る金銭トラブルも明かされたのだ。麻耶は公演に携わった人物に対して自ら9000万円を貸し付けたとし、麻央と母親も合わせると総額は3億7000万円に上ると主張。ところが、海老蔵側から一切返金されていないという。
前出の海老蔵を知る歌舞伎関係者が苦衷を吐露する。
「海老蔵さんは、麻央さんを献身的に看病していました。ただ闘病生活は2年以上に及びましたから、何度か趣味の競馬新聞を読んでいたことがあったのかもしれません。けれど、その数回だけのことを切り取って毎回の様に思われてしまうのは可哀想です」
借金トラブルについてはどうなのか。
「UAE公演を巡り、海老蔵さんにお金が渡ったことはないそうです。間に入った人物には一部が渡った可能性もある。ただ、海老蔵さんも被害者ではないのでしょうか」(同前)
一面の真実も織り混ぜられている麻耶の告発。その一方で「海老蔵から襲われた」と訴えるなど俄かに信じ難い内容もある。
ここから、二人は更に予測不能な行動に出た。3月28日には、一転して再婚することを発表したのだ(発表時点では未入籍)。そして批判の矛先は、海老蔵と協力して孫の育児に勤しむ実母にも向けられていく。ブログで〈母は海老蔵洗脳にかかっている〉(3月28日)と断じたのだ。
海老蔵は「國光さんとも…」
麻耶の母が代表を務める会社の登記簿によれば、自宅は海老蔵が子どもたちと住む都内のマンションに置かれている。ここは海老蔵が麻央の闘病のために引っ越した、バリアフリーで約200平米の広さを持つ部屋。家賃170万円とも報じられた超高級マンションだ。
「孫のことを思って行動をしているだけで、洗脳なんてあり得ません。お母さんは進んで孫2人の子育てをしてくれている。海老蔵さんも最大限の感謝をしています」(同前)
一方、離れて暮らす実父も娘の“標的”となっていた。3月23日には有料ブログでこう明かしている。
〈「ブログに愛愛と書いているのに人の悪口を書くことは何事か、―――――」と罵倒されました〉
父に電話で尋ねたが、
「ノーコメントです。心中お察しください」
と答えるのみだった。
國光氏の家族も2人の行動に心を痛めているという。一家の関係者が明かす。
「心配した吟君の母と兄はそれぞれ麻耶さんと吟君に連絡したものの、逆に吟君のブログで『誹謗中傷を受けた』などと攻撃された。両親はストレスで体調を崩し、家から出られなくなってしまいました」
國光氏の親族の一人は、沈痛な面持ちでこう語った。
「家族全員、大きなショックを受けています。もし、吟が何かに巻き込まれてこういう行動を取っているのなら助け出したいですし、麻耶さんを洗脳しているのなら、やめさせたい。彼らを何とか救いたいのです」
当の麻耶と國光氏はどう答えるのか。2人に事実関係などを尋ねるメールを送ったが、期日までに返信は無かった。改めて自宅を訪ね、インターフォンを鳴らすと、國光氏が応答した。
「僕のね、ブログを全部読んでから来てください」
――全部読みました。
「質問してみてください」
――このタイミングで何度もブログを……。
「はいはいはいはいはい。ちゃんと読めてない。はい、終わり」
海老蔵の事務所にも見解を求めたが、期日までに回答は無かった。
義姉の「暴露」が、子どもたちに及ぼす影響を懸念しているという海老蔵。親しい関係者には、こんな複雑な心境を漏らしている。
「お母様と麻耶ちゃん、麻央、勸玄、麗禾をずっと大切に思っている。國光さんとも話をして分かり合いたい」
亡き麻央は、前出の『まや道』にこんなメッセージを寄せていた。
〈主人と姉はパワーの放出の仕方や、発想の転換の仕方が似ているところがあります。私は知らず知らずのうちに、どこか姉に似ている男性に魅かれていたのかもしれません〉
そんな2人が再び分かり合える日はやって来るのか。麻耶の「暴露」に終止符が打たれる気配は見えない。
source : 週刊文春 2022年4月7日号