4回目接種は、オミクロンに有効なのか? 「中和抗体の量」という落とし穴!?

感染対策の基本も守ることが大切

4回目接種は、オミクロンに有効なのか?

日本ではまだ3回目接種を終えた方は、総人口の35.12%(3月21日時点)に過ぎませんが、イスラエルでは、2022年1月から4回目接種が進められてきました。3回目接種が済んでいない方には随分気が早いと思われるかもしれませんが、はたして4回目接種が世界中で猛威を奮っているオミクロンに対してどれだけ有効なのか、気になるところです。

【写真】イスラエルの4回目接種、会場の様子4回目の接種が始まっているイスラエル。その効果はどうか? photo by gettyimages

2022年3月16日、世界的な医学論文誌『New England Journal of Medicine』に、医療従事者を対象に実施されたイスラエルでの4回目のワクチンの効果についての研究が報告されました(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc2202542)。

大阪大学医学部・感染制御学の忽那賢志先生が、この論文についての分析記事をYahooニュースにて発表しています(『4回目のワクチン接種の効果によって明らかになってきた、既存の新型コロナワクチンの有効性の限界』https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20220320-00287289

タイトルからわかるとおり、ワクチンの感染予防効果に関してかなり悲観的なトーンで書かれています。

《この研究では、4回目のワクチン接種をしなかった人(3回目まで接種した人)は、観察期間中に25%がオミクロン株に感染したのに対し、ファイザー接種群は18.3%、モデルナ接種群は20.7%が感染しており、3回目接種のみの人と比べた感染予防効果はそれぞれ30%、11%と計算されました》

《4回目の接種ではどうなるかというと、これもやはり野生株と比べると10分の1以下の量となっており、十分とは言えません。中和抗体の量は感染を防ぐ効果と概ね相関すると考えられており、オミクロン株に対して十分な中和抗体が産生されないことは、十分に感染を防ぐことは難しいと推測されます》

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