いま日本、そして世界で「手首の痛み」を訴える人が増えています。
これまではピアニストや料理人など、手を酷使する人に多発していた
手首の腱鞘(けんしょう)炎が、ごく普通の若者やサラリーマン、主婦たちにも
拡大。
仕事や家事など、日常生活に支障をきたしている人も少なくありません。
原因を探ってみると、現代生活に欠かせないスマートフォンやパソコンなどの操作が、手首に大きな負担を掛かけていたことが明らかに。
手首の異常を見抜くチェック法や、痛みを防ぐコツをお伝えしました。
親指の使いすぎが手首の負担に!
なぜスマートフォンやパソコンの操作で、手首に負担が掛かるのか?
その理由は「親指の使いすぎ」。実は親指を開く時、私たちは「手首を通る腱」を使っています。親指を使いすぎると、腱とその通り道である腱鞘(けんしょう)が何度もこすれあい、炎症を起こすことがあるのです。
手首の腱鞘(けんしょう)炎 チェック法
手首の痛みが、親指の使いすぎによるものかどうかをチェックする方法をご紹介。
※強い痛みが出たらすぐに中止してください
- 親指を曲げる
- 他の4本の指で親指を軽く握る
- 親指側を上にした状態で、手首を小指の側に軽く曲げる
手首に強い痛みが出れば、手首の腱鞘炎が起きている可能性があります。
※筋肉が引っ張られるようなごく軽い痛みは問題ありません。
手首が痛くなりやすい人は?
- 40~50歳の女性
更年期にさしかかると、体内のホルモンバランスが変化します。すると炎症を抑える機能が弱くなり、腱鞘炎を起こしやすくなります。 - 妊娠中、子育て中のお母さん
ホルモンバランスの変化に加え、子どもを抱っこする時に親指を大きく開くことが多いため、手首の腱鞘炎を起こしやすくなります。
手首を守るコツ
・もんではだめ!
痛みが出た時に、ついやってしまうのが「もむ行為」ですが、腱鞘炎の場合は逆効果。炎症部分をもむと、患部にダメージを与えることにつながり、症状が悪化する可能性があります。
・スマートフォンを使う時
親指で操作をしていて手首に痛みを感じたり、違和感を覚えたりしたら、人さし指の操作に代えましょう。休憩を取ることもおすすめです。
・パソコンを使う時
キーボードの手前にタオルを敷いて、その上に手をのせて操作します。
親指を開く動きが小さくて済むようになり、腱の緊張が和らぎます。
・症状がひどい時は
痛みが強い、症状が長引いている、手首や親指の動きが悪いという時は、整形外科を受診してみてください。治療はサポータなどによる患部の保護や、痛み止めの
注射が中心です。