日本に限らず、世界のほとんどの国で妊娠中のアルコールの摂取は控えるように言われるだろう。しかしドイツでは、妊娠中でもビールを飲むことを勧められるのだ。特に、つわりがひどいときは、「原料の麦には栄養があるから」という理由で医師や助産師が勧める場合が多い。多くの場合、ノンアルコールビールだが、ドイツの大手メーカーのノンアルコールビールは0.05%ほどのアルコールが含まれていてゼロではない。
「妊娠中、助産師さんからビールを勧められてびっくりしました。しかし、少々アルコールが含まれているものの、ノンアルコールビールを飲んでいる妊婦さんは多かったですね。中には、『多少なら大丈夫』とアルコール入りのものを医師に勧められ、飲んでいた妊婦さんもいましたよ。ビールを飲むと、『体調が良くなる』と言っていました」(ドイツ在住の妊婦)
妊娠中の対応でいうと、診察室でも日本とは異なる部分があるようだ。
日本の場合、診察台はカーテンで区切られていて、医師と妊婦が顔を合わせないよう配慮されているが、ドイツにはカーテンなどはなく、妊婦と医師がダイレクトに顔を合わせるようになっている。夫が付き添うことも多いが、夫も診察室に入り、診察台に乗っている妊婦の横に立ち、一緒に医師の診察を受けるのだ。