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伝統の畳文化守っていく 山梨県最年少の1級畳製作技能士

産経ニュース / 2022年3月30日 12時0分

山梨県最年少の1級畳製作技能士、堀田誠道さん=甲府市上曽根町の堀田畳製作所(平尾孝撮影)

甲府市 1級畳製作技能士 堀田誠道さん(25)

甲府市の堀田畳製作所技術主任の堀田誠道さん(25)は昨年10月、畳職人として最も高度な国家資格である畳製作技能士1級を取得した。県内最年少で、国内でも堀田氏よりも若い取得者はわずか。日本伝統の畳の文化を後世につなげるため、職人だけでなく、指導者の道も視野に入れる。

本当は令和2年に技能士1級の検定を受ける予定だったんですが、新型コロナの感染拡大で、その年の検定自体がなくなったので、全国最年少の1級にはなりませんでした。昨年取得したとき、同じ学校の1年後輩も合格したんです。

この仕事を選んだのは、中学生の頃から、「人と違った仕事をしていきたい」と考えていたからです。家業が畳屋で、これも多くの人がやっている仕事でもないし、日本の伝統文化を守っていく仕事は面白い。やりがいもあると思って決めました。

日本が畳離れの傾向にある中で「なぜこの道を選んだのか」ってよく聞かれますが、畳需要の減少よりも、職人が不足していくペースの方が深刻な状況です。そういった中、自分たちのような若い職人が、続けていくことが文化継承の上でも重要です。その使命感は大きいですね。

中学や高校時代は家の仕事を手伝ったことはなく、修業は京都畳技術専門学院に入学してからです。ここでは学校での座学もありますが、ほとんどが京都の畳店での修業でした。自分の修業先は、この業界では有名な畳店で、歴史的な建造物の畳の修復なども手掛けているところでした。本来なら受け入れてもらえるのは1年先という話だったのですが、運よく入学と同時に修業できることになりました。

最初の頃は練習ばかりでした。畳は針を刺すことよりも引き抜くときの方が力がいるんです。手や指が筋肉痛になって、こわばってしまい、食事の際に、はしが持てないというのは、「畳職人あるある」です。

親方はあまり弟子をほめたりしない、口数の少ない人ですが、手数の多い畳の仕上がりに、「よかった」と、ポッとほめてくれたんです。それが自信につながりました。

山梨は寺社仏閣が多く、文化財的な畳も多い土地柄です。それだけに京都での修業の成果を生かしていけると考えています。職人としてだけでなく、今後は、畳製作の指導員を目指しています。新しい世代の畳職人を増やしていきたいですね。

実は弟も今、同じ学校に通っていて、畳職人を目指しています。将来的には2人で、父の会社を継いで、畳だけでなく表具などの分野も手掛けていきたいと考えています。

(平尾孝)

【堀田誠道(ほった・まさみち)】 平成8年生まれ。甲府市出身。甲府商業高卒。平成27年4月京都畳技術専門学院入学、29年京都畳技術競技会優勝、京都府知事賞受賞。30年京都市長賞受賞。31年4月、甲府に戻り、堀田畳製作所に入社。現在は同社技術主任。

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