お風呂の水をトイレに使うのはNG!
3月16日深夜に発生し最大震度6強を観測した、福島県沖を震源としたマグニチュード7.3の地震。夜中に大きな揺れに見舞われ、不安を募らせた人は多かったでしょう。さらに18日の深夜にも岩手県沖を震源とするマグニチュード5.5の地震が発生し、岩手県で最大震度5強を観測しています。
おりしも東日本大震災が発生した3月11日からまもない時期での大きな地震。あらためて防災意識を強めた方も多いですが、国際災害レスキューナースとして活動する辻直美(@tobecoolnao)さんはTwitterで「地震が起きたら、お風呂に水をためるのは実はダメ」と投稿しました。
その水は何に使うつもりですか?災害時の断水では汲み水をトイレに流してはいけない。お風呂は清潔ではないので水がすぐぬるつく。なので小分けにして貯める。配管が破れているかもしれないので排水時に水漏れする。次に来る大きな地震で水がこぼれる。
災害時の水の確保は非常に重要で、「地震が起きたらお風呂に水を張る」と決めている家庭は少なくありません。しかし実は、お風呂にためた水は使い道がかなり限られてしまうのだそうです。そこで、辻さんに災害時の「水回り対策」について話を聞きました。
辻さん もし、お風呂に水をためるなら、これからは20~30リットルずつ分けてためて下さい。
でもそもそも、お風呂にためた水を何に使うのか、という問題があります。たとえば火事への対応であれば、消火器のほうが確実です。そしてためた水をトイレに使うと考えているのであれば、その情報は古いので、アップデートが必要です。今は絶対に流しません。
その理由は大きく4つあります。
①汲み置きの水を流すだけではきちんと流しきれない
②見えないところで配管が破損している場合、汚水がそこから漏れる
③流しきれない汚物が途中でたまるとメタンガスが発生して爆発する可能性がある
④お風呂の配管がつぶれている可能性があり排水することで水漏れを起こすことがある
ーーなるほど、配管などその先のことまで思い至りませんでした。では災害時はトイレにお風呂の水を使うのではなく、災害トイレを使用したほうがよいのですね。
辻さん そうですね。ただ、慣れない災害トイレでの排泄はリラックスできないものです。いざというときに初めて使うのではなく、普段から災害トイレをうまく使えるよう試しておくといいです。
――飲み水をはじめ、生活のなかで水が必要な場面はとても多いのですが、どのように水を確保しておけばよいでしょう?
辻さん 食器洗浄や清拭用に水道水をためるならゴミ袋を2枚重ねて段ボールやリュックサックなどにセットし簡易タンクにして、小分けにためましょう。
飲用や食用に使う水は、ペットボトルやウォーターサーバーボトルが最適。普段飲んでいるものを多めに買い置きして、なくなったら新たに補充しておくと安心です。
私は500ml、1L、2Lと大きさを変えて複数個所に分散させて保管しています。ベッド下やクローゼット、紙袋に入れてインテリアにしたりも。デッドスペースに置いておくとインテリアを邪魔することなく備蓄できますよ。
災害時はトイレに行きにくく水分補給を控えがちですが、子どもや高齢者は自覚なく脱水症状になりがちなので注意が必要です。しっかり備えておきましょう。
災害時のトイレについては、国土交通省がわかりやすくマンガで解説もしています。こちらも是非参考にしてください。
▶災害時のトイレ、どうする?
投稿主 辻直美さん/国際災害レスキューナース
Twitter @tobecoolnao
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(マイナビ子育て編集部)
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