先に書いておくけど特にオチは無いし、特定を避ける為に諸々伏せて書く部分もあるのをご了承頂きたい。
たまに車の音が聞こえる程度の人気の無い山奥で俺は一人キャンプをしていた。
ご飯も食べて酒も軽く入ってうたた寝していた頃、時間は確か0時を少し回ったぐらいだったと思う、多分。
頭がある方角に車が止まった音……が聞こえた様な気もしたけど、うとうとしていたし特に気にも止めずにボケーっとしていた。
今から考えればあの時に警戒していれば、もっと被害は少なかったかも知れない。
それから少しして、いきなりテント入り口近くに何かが突き刺さった音がした。
慌てて灯りを付けると、シザーマンが持っている様なデカいハサミの先っちょみたいなのが突き刺さっていた。
初めは夢でも見ているのかと思ったけど、そのハサミが内側からテントを切っていき、空いた穴をビリビリと広げながら
二人組の男が入ってきた時にはさすがに現実では無いかと気がついた。
逃げようと思った。が、入り口には男がいる。一体どうしよう。どうすれば良い?
一瞬でパニックになっている間に、男の一人が俺の顔面を思い切り殴った。鼻が潰れて血が吹き出たのが分かった。
恐怖で体がすくみ全く抵抗出来なかった。
呆然としている俺を男の一人が何度か殴った後、何か言いながら(多分日本語だったと思うけど詳しくは聞き取れ無かったし余裕も無かった)
俺のズボンを脱がしながら自分のチャックを開けていた。男のアレはそういう事が出来る程大きくなっていた。
もう一人の男がこちらをチラリと見てニタリと笑った後、俺の荷物をあさり始めた。
俺を殴った方の男は俺の右手を抑えつけながらもう片方の手でズボン下(を履いていた)まで脱がそうとした段階で
俺はようやく男達に襲撃され、そして暴行されようとしているという悲惨な現実に気づいて我に返った。
暴行されるのだけは嫌だ。もう本能的にそう思って、自由だった左手でたまたま手の先が当たったものを掴んで男の側頭部辺りを殴った。
男がうめいて一瞬抑えつけている力が緩んだ瞬間に、「うわぁぁぁぁぁ!!!!」って大声を上げながら男を死にもの狂いの力で跳ね除けて
そのままの状態で逃げ出した。
男は怒鳴りながら追いかけていた様だが、俺はとにかく走って逃げ出した。とにかく必死だった。
気がついたら男の気配は感じなくなっていた。追いかけるのを諦めた様だった。
逃げ切れた?安心でその場にしばらくへたりこんで……その後、現状に気がついて絶望した。
まだ溶けきれていない雪が残る程度の季節で、上は寝間着で下はズボン下とパンツ一枚、靴も脱いでいたので靴下だけの悲惨な格好。
逃げる時は必死だったので感じなかった寒さと足の痛みが一気に襲いかかってきた。
今俺がこうしてその時の事を書けているのは、本当に本当に、不幸中の幸いが幾つも重なった結果論に過ぎない。
人里離れた山中で遭難し凍死しなかったのは本当に偶然の産物でしか無い。
今でもたまに平穏な生活を送っているのは実は夢で、本当の俺は誰もいない山中で現実逃避しているだけなんじゃないかと思う時がある。
以前観たスイス・アーミー・マンという映画は俺にとってトラウマ映画になった。あれからラドクリフ君を引いた夜中の山にいたのがあの時の俺だった。
不幸中の幸いだった事をあげると、まずは
事だと思う。
真っ暗の中でどうやって走って逃げてきたのかと思ったが、どうやら無意識の内に携帯のライトで地面を照らしながら走っていた。
現実に戻された後も暗闇に取り残される心配だけは、とりあえず携帯の電池が切れるまでは無かったのは大きかった。
襲った男が襲撃時にライトを持っていたのかは分からないが、持っていないとすれば、灯りを確保するまでのタイムラグで
距離を確保出来たかも知れず、こればっかりは本当に不幸中の最高の幸運だったと思う。
携帯を持っていたのもまた本当に偶然で、手に当たったのが携帯で、それで男を殴ったからだった。
もし手に取ったのがドライバーとか鍋だったら……男に被害は与えていたかも知れないが、逃げ切れず
激高され、遭難よりも痛い思いをしていたかも知れないと思うと、改めてゾッとする。
寝る前に充電していたので、電池残量が最大値に近かったのも心強かったのを覚えている。
男が追って来ていない事を心配になりながら何度も後ろを振り返りながら、警察に電話した。
初めの方は言葉にならなかったが、何とか現状を伝え、キャンプ地点としていた場所の概要まで伝えた所で
ここはどこだろうと思った。警察の人にも聞かれたけど答えられなかった。闇雲に逃げてきたから。
キャンプ地点は伝えたから警察が来てくれれば捜索もしてくれるだろうし、その場に留まるという選択肢もあったが
その時の俺はもし男に追いつかれたら○される!という恐怖があり、更に薄着で寒くて凍死しかねないとも思ったので
次に不幸中の幸いだったのは
だろう。
本当に誰もいない様な山奥、でソロキャンプをした事はあったのだけれど、その時はたまたまキャンプ場からそこまで離れていない地点での宿泊だった。
もし車道の方に逃げていたら、恐らく襲撃犯達は車で来ていただろうし、車で追われてそのまま轢かれていたかも知れない。
結果的に更に山奥へと逃げた事で、「どうせあいつは死ぬだろうし、自分達も迷うかも」と
男達もそれ以上追跡する気が失せたのかも知れない。
全て『かも知れない』な偶然の積み重ねだが、俺にとっては救いとなった。
全ては結果論に過ぎないのだけれども。
どれぐらい歩いたのか…俺には延々と感じたけど、時間にしては襲われたであろう時から一時間も経っていなかったと思う。
50mぐらい?先に明かりが見えた。一瞬男達が追って来たのか!?と感じて慌てて携帯のライトを消して様子を伺ったけど
明かりは特にこちらを探す様な様子でも無く、ただその場を照らしているかの様だった。
少しした後、明かりは少しずつ奥へと遠ざかっていった。
後から考えたら、恐らく用を足したか何かをしたんだと思う。汚い話だけど。
誰か人がいる!男達じゃない!って、慌てて明かりを追いかけて行った。「おーい!助けてくれー!!」って声をかけながら。
明かりは一瞬揺れた後、こっちを照らす様に向いてきた。光に導かれる様に先へ向かっていくと、そこには不安そうな顔をしている若い男がいた。
彼は俺の格好を見て明らかに驚き、怯えていた。そりゃ仕方無い。顔は鼻血で血まみれだし(一応拭いはしたけど……)
拭った服には血がついている。おまけに下半身はズボン下一丁で、靴も吐いていない。
俺は安心と焦りでいっぱいいっぱいになりながらも、たどたどしく自分の状況を伝えた。
キャンプをしていたら、突然男達に襲われた。
慌てて逃げ出したが、慌てていたし自分のキャンプ地点にも戻れないので彷徨っていた。
申し訳ないが助けてください!という事を伝えた。
若者は半信半疑、いや二信八疑ぐらいの目でこちらを見ながらも「とりあえず付いて来てください…」と自分の後を追うようにと言ってくれた。
少し歩いて、若者のキャンプ地についた。出会った若者が中にいるであろう人に声をかけていた。
中から「えっ!?」って声が聞こえた後、小太りの別の若者が出てきた。
若者達は二人組でのキャンプ中で、彼らのキャンプ地点もキャンプ場内では無く、キャンプ場の端っこから少し離れた所だという。
若者の一人が改めて警察に通報し、そこで警察の到着を待たせて貰う事になった。
申し訳ないが二人用だしキャンプ内には入れられない、と言われたが、予備の寝袋とホッカイロ、恐らく彼らの食料であろう
菓子パンとペットボトルのお茶を差し入れてくれて、恐怖と寒さと助かった安堵に震えながら警察が到着するのを待っていた。
少し落ち着いて自分の状態を良く見ると、体の露出していた部分が細かい擦り傷だらけで、特に足が靴下脱いでみたら酷く、泥と血まみれだった。
でももう少し寒い時期で雪が大量に残っていたら凍傷になっていた、そもそもすぐに走れなくなっただろうと思うと、幾つもあった不幸中の幸いにまた救われた感じが強かった。
警察に保護されて事情聴取をされ、更に翌日になって現場となったキャンプ地点に警察と一緒になって戻った。
「こんな状況でしたよ」と、先に到着していた警察官に言われてキャンプ内を見せられたが、悲惨な事になっていた。
荷物を雑に漁られた形跡と、何故か中に小便がなされていた様を見せられた。
財布等の貴重品や、高級なキャンプ用具、食料などは根こそぎ無くなっており、嵩張ったり値が張らないもののみが残され
そこに小便をかけられていた様だった。
またキャンプ地点まではバイクで行ったので、近くにバイクも停めてあったのだが、換金出来そうな?パーツのみが抜き取られた残骸と化していた。
免許証も無く本人確認すら困難な状況で、携帯から何とか身内に連絡を取って確認して貰ったり、個人を証明する様なものを
交通費も足も失くしどうしようかと思ったが、対応した警察の一人が本当に良い人で、「返すのいつでも良いから」と三万円を貸してくれた。
何度も何度も礼を言ってそのお金で安い服を買って家まで返った。
鍵も無かったけど賃貸の管理人さんに事情を話して夜中に鍵を開けてもらった。
本当に恐ろしい体験で、恥ずかしい話だけど布団にくるまりながら朝まで泣いていた。
その後は、急遽しばらく休む事になった職場に連絡と謝罪したり、ウチに来た身内に大層叱られながら心配されたり
事情聴取で対応した警察署まで何度か行ったりした。住所も知られている筈なので鍵もすぐに変えた。
バイクは廃車となり、処分費用とか保険の諸手続き等が非常に痛く面倒臭かった。
諸々の損害は金銭的にも非常に痛かったが、五体満足で元の日常に戻れただけでもありがたいと思わなければ、と痛感した。
お金貸してくれた警察の人には手紙と借りたお金に色を付けて送り、後助けてくれたキャンパー達には連絡先も聞いていなかったので
ついでに警察の方に、お手数ですが彼らにもお礼をと、幾らかの現金とお礼の手紙を包んで託した。
「不在のキャンプを狙った窃盗事件は何件か起きており、同一犯かは分からないが
キャンプ場から離れた所で宿泊をしている人は特に狙われやすい様だ」と警察の人らには言われた。
ソロキャンプ中の女性が襲われるという痛ましい事件があり、当時の事を思い出して嫌な気持ちになったが
トラウマを吐き出すつもりで書いてみた。
・なるべくキャンブ場を利用する、ソロキャンプするにしてもキャンブ場や人がいる所に駆け込める場所で宿泊する
(俺は鍵をかけていても襲撃されたし、緊急時の事を考慮して鍵はかけないでと良く言われているが、それでも俺は施錠だけはしっかりしろと言いたい)
・避難時においても携帯やスマホだけは必ず持って逃げる、連絡手段にも明かりにもなる、当然充電は寝る前にちゃんとする
・「いざ」という時が来ても良い様に、避難経路をある程度考慮しておく、下見も出来るならしておく
(俺が逃走に成功し生存も出来たのは本当に偶然で、普通なら遭難していただろうから、そのリスクを避ける為にも逃げ道を確保したり確認はしておく)
・就寝時に何があってもすぐに逃げられる格好をしておく
(これはケースバイケースだし靴履いたままじゃ寝られないので靴は脱いでしまうが、厚手の靴下は履いて寝る様にしている、外に出ても良い格好では寝ている)
といった感じになるだろうか。
キャンプは事件から数年して復帰したが、ソロキャンプだけは絶対に出来ないと思ったので
ソロキャンプに走る人は、多かれ少なかれ「孤独になりたい」「一人が好きだし気楽」という性質があり
俺もそうだったし今でも一人が気楽では?と思う時はあるが、事件や事故に巻き込まれて後悔してからでは遅いと思う。
俺が色々失いながらも逃げ出せたのは本当に不幸の最大幸運だったし、普通は件のソロキャンパーの様な悲劇になる。
彼女については本当に心から、一日でも早く元の日常に戻れる状態に回復して欲しいと思うし、ソロキャンパーを狙った犯人は非常に憎い。
俺明後日キャンプ行って一泊するんだよ... やめてくれよ...
脅すつもりで書いた訳じゃない。 ただ、最低限の自己防衛はして欲しい。 もちろん気をつけていたら危険な目に遭わない、という保証はどこにも無いが 「いざ」という事態が起こった...
増田が逃げることができて良かったよ 思い出すのも辛いだろうに注意喚起のために詳しく書いてくれてありがとう
また創作か
嘘くさすぎ。 襲うほうは、この辺にソロキャンプしている奴いねーかなー、って夜の山の中をうろうろしてるわけ?
もしかして、キャンプ場から少し離れていてソロキャンするには適した場所を下見しておいて、昼間のうちにそこにテントを設営してる人がいるのを確認の上で夜に襲撃してくる奴らな...
逮捕されたときは「山賊を逮捕」って報道するべき
いや昼間に物色してるんでしょ、創作だとしてもそう設定するわ、想像力なさすぎ
これは嘘松 もうすこし現実味のある内容でお願いします
キャンプだから珍しくみえるけど 一人でいるときに強盗に襲われたなんて一定数実際にある話じゃないの?
とりあえず鼻がつぶれた状況がそうはならんよというか漫画みたいなんだよね あと警察が貸してくれるのは1000円までなんよね やった側だったというなら、若干信憑性はある
百円届けた子供に自分の財布から百円出して渡すみたいなもんで「良い人」と書いてる以上個人の裁量でやった事と読み取れるから、規則的にこうだから違うとは思わんけどなあ
こういうの警察のHPでも詳しい統計とか見れないから何が本当なのかさっぱりわからんのよね
でもKKOは不細工だから襲われることさえないんですよ!!!
ストレス発散目的でよく襲われるぞ
たまに70歳くらいの老婆が性的目的で襲われてる事件があるの見かけるけど 男の性欲の幅広さはすごいもんがあるよな
創作にマジレスすると、貴重品取られたなら住所割れてるでしょ。お礼参り来るんじゃない?
常習犯ならわざわざそんな事しないよ
有り得る話 キャンプこっわ
つらい
田舎にはそもそも娯楽が少ないから、 それこそホームレス狩りやら、ソロキャンプ狩りやら、空き家漁りは、 ヤンキーの娯楽の一つとして昔から嗜まれてきたんだ。 夜のドライブがて...
普通ちゃうw
まあ確かに。平和な田舎だとちょっとワルい事をしてみたくなる奴らが出てくる。 そこらの子供でも草むらに火をつけたり田んぼに空き缶投げたり公園でたむろしてる幼稚園児を棒で追...
だからといって自己防衛で警戒するのは差別らしいよ
「自分の自己実現(やりたい事をやる権利)」と「他者の権利の侵害、加害の予見」のバランスが取れてないと会話する事は難しい。 女が一人で娼婦みたいな格好してスラム街を歩くこ...
娼婦みたいな格好しててもひどい目にあっていいわけじゃないだろ。それらに区別をつけるべきではない
女が娼婦みたいな恰好したいという欲望があるならそれは尊重されるべき。 でも渋谷でそれをやるのとスラム街でそれをやるのは区別つけられて語れるぐらいのバランス感覚が無いとね...
渋谷はスラムだろ。松村邦洋がエアマックス狩りにあってた街だ
気をつけたほうがいいよ。ソロキャンパーはみんな経験してること
ほんとかどうかわからんけど一応催涙スプレー用意しとくわ