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物忘れ&認知症を予防!“記憶物質”大発見SP
健康

物忘れ&認知症を予防!“記憶物質”大発見SP

2018年5月23日(水)午後7時30分
2018年5月26日(土)午前0時25分

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「店まで来て、買う物を忘れた」「電子レンジの中に料理を一晩置きっぱなしにした」。年を取ると誰もが気になってくる「物忘れ」ですが、近年こうした物忘れに「血糖値」が深く関係していることがわかってきました。もともと糖は脳に欠かせないエネルギーですが、血糖値が高い状態が続くと、なぜか物忘れがしやすい状態になってしまうのです。でも今回、実は私たちの体内で作られる「インスリン」に、物忘れを改善させる効果があることが判明。物忘れや認知症を予防できる、新たな可能性が見えてきました。1分でできる物忘れのセルフチェック法や、対策のポイントなどをお伝えしました。

今回のお役立ち情報
01

血糖値が高いと物忘れしやすくなる?

近年高血糖による物忘れ(認知機能の低下)が注目されています。番組ではアメリカなどに住む約3000人の糖尿病患者と認知機能との関係を調べた研究を紹介しました。その研究によると1~2か月の血糖値の平均を示すHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の値が高い人ほど、記憶に関係するテストの成績が悪かったのです。
このような研究は今世界中で進められており、糖尿病ではなくても血糖値が高めの状態から、記憶力の低下が起きていたり、放っておくと認知症のリスクになったりすることが明らかになってきたのです。

02

注意してほしいのはこんな人

いったいなぜ高血糖が物忘れを引き起こすのか。その鍵を握るのがすい臓から出るインスリンです。インスリンは体の細胞に糖を取り込むよう指示を出し、血糖値を調整する役割を担っています。脳でも同様に働いていますが、食べ過ぎや運動不足などによって血糖値が高くなると、脳に届くインスリンの量が減ってしまうことがわかってきました。その結果、特に脳の中でもインスリンを必要とする記憶力や注意力に関係する機能に影響が出て、物忘れをしやすい状態になってしまうと考えられています。
血糖値に以下の特徴がある方は、高血糖が原因で物忘れが起きているかもしれません。生活習慣の見直しをお勧めします。

高血糖による物忘れをしているかもしれない人

  • HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)
    65歳未満の方 5.7% 以上
    65歳以上の方 6.2% 以上
    ※HbA1cは1~2か月の血糖値の平均を示す値です。
  • 食後2時間後の血糖値 140mg/dL 以上

※食後血糖値は、市販の血糖値の検査キットなどで測定することができます。
※糖尿病の疑いのある方は、専門の病院などで検査を受けることができます。

03

高血糖で増えるタイプの物忘れはコレ

物忘れと一言で言っても種類はさまざま。高血糖によって影響を受けやすいのは、「作業記憶」という 、何か作業をしているときに一時的に覚えている機能が低下することで 起きる物忘れです。料理中にコンロの火を消し忘れたり、目的地に向かう途中でやることを忘れたりするのが、このタイプに当てはまります。
この物忘れが起きやすいかどうかを調べるチェック法として番組でご紹介したのが、1分間に 動物の名前をいくつ言えるかというもの。13種類以下であれば少し注意が必要です。

※知識などに個人差があるためあくまで一つの目安です。13以下の人が即危険ということではありません。

04

高血糖による物忘れと認知症の関係は?

最新の研究では、高血糖と認知症は密接に関係していると考えられ始めています。専門家によると、高血糖の状態が続くと神経細胞がダメージを受けます。この状態が長引くと、認知症で最も多いアルツハイマー病になってしまう可能性が高まると考えられています。血糖値が高い人は生活習慣を見直して血糖値をコントロールすることが、認知症の予防につながります。

※糖尿病の方が、必ず認知症になるわけではありません。血糖値を適切な値にコントロールすることが大切です。
※糖尿病の治療で行うインスリン注射で物忘れや認知症が改善するわけではありません。

05

血糖値改善で物忘れ&認知症を予防!

新潟県魚沼市では町ぐるみで糖尿病対策を行ったところ、物忘れや認知機能を示す数値が改善する人が相次ぎました。実際に改善した方々が行ったのは主にこの3つです。

  1. 週2~3回の適度な有酸素運動
  2. 適度な糖質制限
  3. 野菜から先に食べる

生活習慣を見直して、高血糖の状態を改善することは、物忘れや認知症を予防する上でも重要と考えられています。

※血糖値の下げすぎも脳に悪影響を及ぼします。既に糖尿病と診断されている方は必ず医師に相談してから、こうした対策を行ってください。

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あなたは受けた?”がんにならない”検査
健康

あなたは受けた?”がんにならない”検査

2018年5月16日(水)午後7時30分
2018年5月19日(土)午前0時25分

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「がん検査」には胃カメラや乳がんのマンモグラフィなど“がんを早く見つけるための検査”がある一方、“がんにならないための検査”もあります。代表的なものが肝臓がんの原因の8割ほどを占めるB型・C型肝炎ウイルスの検査です。感染していると肝炎→肝硬変→肝臓がんと進むことがあり、早く見つけて治療をすればがんになるリスクを大きく減らせます。しかも「血液検査だけでOK」「原則無料」とお得で手軽ですが、成人の5割以上が検査を受けていないという調査結果もあります。かつての予防接種の注射器の使い回しなどで多くの人がひと事ではない肝炎ウイルス。肝臓がんにならないために知ってほしい情報をお伝えしました。

今回のお役立ち情報
01

肝臓がんの原因は8割が肝炎ウイルス!

年間28000人以上が亡くなっている肝臓がん。肝臓がんになる原因はアルコールと思われがちですが、実はB型とC型の肝炎ウイルスが8割を占めます。感染を放置しておくと肝炎~肝硬変~肝臓がんへと進行してしまう危険性があります。C型肝炎ウイルスの場合、慢性肝炎を治療せずに30年放置すると20~25%の人が肝臓がんになると言われています。肝炎ウイルスは薬での治療が可能なので、早く感染を見つけて治療し肝臓がんを予防することが大切です。

02

肝炎ウイルスはどのように感染する?

B型・C型とも肝炎ウイルスは血液を介して感染します。そのためふつうの生活をしている中ではほとんど感染することはありません。しかしかつては予防接種の注射器の使い回しや出産時の母子感染、カミソリの共用などで感染が広がったと考えられています。現在は、母子感染、注射器ともに対策が行われているためほとんど心配する必要はありませんが、注射器の使い回しは1988年1月に厚生省(当時)が正式に禁止の通知を出すまで行われていた可能性があります。そのため、30歳以上の日本人およそ9000万人は注射器の使い回しによる感染が否定できません。またピアスの道具やカミソリの共用などによる感染の可能性を考え、20歳以上の人は一生に1回は検査することが勧められています。

03

肝炎ウイルス検査とは?

肝炎ウイルスは感染していても症状が無く、ほとんどの場合、自分では感染に気づくことができません。また一般的な健康診断の血液検査で調べるのは肝機能(肝臓の健康状態)で、それだけではウイルスの有無はわかりません。だからこそ肝炎ウイルス検査を受けることが大切です。

肝炎ウイルス検査の特徴

  • 肝炎ウイルスはふつうの生活では感染しないので一生に1回受ければOK
  • 血液検査だけでOK


肝炎ウイルス検査を受けられる施設

  • 全国の保健所
    →受けられる曜日や日時などが決められていることが多いが、原則無料で受けられる。
  • 近所のクリニックなど
    →市町村から委託されている診療所、クリニックなどで受けることができる。いつでも受けられることが多いが、費用の負担が必要な場合もあるので各施設にお問い合わせください。


検査を無料で受けられる条件等はお住まいの地域によって異なりますので、役所等に問い合わせてください。

04

肝炎ウイルスの治療法・予防法

肝炎ウイルスの治療は近年、飲み薬だけで治療が可能になってきました。
※治療薬は、効果や副作用を考慮の上、医師の診断により処方されます。

C型肝炎ウイルスの場合

  • 飲み薬を2~3か月服用するだけで95%以上の人がウイルスを完全にゼロにして完治することができます。
  • 薬代は1錠数万円もするものもありますが、補助金が出るので高額納税者でなければ月1万円の自己負担が上限です。


B型肝炎ウイルスの場合

  • ウイルスをゼロにすることは難しいのですが、飲み薬で極めて少なくすることが可能です。
  • 費用はC型同様、補助金が出るので高額納税者でなければ月1万円の自己負担が上限です。
  • 0歳児は無料でB型肝炎ウイルスワクチンの定期接種を受けることが出来ます。生後12か月の間に3回、受けることになります。

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