山岳ガイドは過酷な商売!
テーマ:山トピックス
令和3年1月21日(木)
おはようございます!
昔、若い頃、本気で山岳ガイドにあこがれていた時期がありました。
登山が好きで、好きなことしてお金が貰えるならこんな幸せな事はない!
ですが、諸々のマイナス面を考えたら、安いながらも安定した収入が得られる仕事を
辞めてまでその道に進む勇気はなかった!
結局、そのまま転職することもなく、今の仕事を優先し、そのまま年をとりました。
あの時、思い切ってガイドの仕事をしてたら、今とはまったく違った生き方を、人生を
送っていたでしょうにね?
昔の頃に比べて現在は、山や自然のガイド需要は高まっているのではないでしょうか?
登山ガイドの専門学校などもできているし、今思えばガイドの仕事も有りかもしれない
ですね?
でも、山のガイドの仕事は、「きつい」・「汚い」・「危険」の3Kは昔も今も変わりません。
重たい荷物を背負い、汗だくになり、危険なコースを歩いたりします。
時には、事故に遭ったお客を背負ったりすることも!
それに、山小屋には風呂もないしね?
ガイドの仕事は、天候や、お客様の都合、旅行会社の都合などで中止になったり、
ガイドの体調不良などなど、不安定な要素がいっぱいあります。
もちろん中止になれば収入はゼロ!
旅行会社のツアーガイドでは、1年以上も前からスケジュールは決まっていても、
中止になればその時点で仕事は消えてしまい、収入はゼロになります。
その上、ケガをすればもちろん収入は途絶えます。
あらゆる面で一般サラリーマンよりリスクが高くなります。
昨年の新型コロナ騒動の時に旅行会社に依存していたガイドさんは暫くは仕事はゼロで
大変だったと思います。
ガイドは仕事の面でも収入の面でも、決して安定していません。
ガイドの収入は、ガイドによってものすごく幅があります。
1,000万円を越える高収入の方もいれば、副業でなんとかやっている人もいます。
個人ガイドの日当は3万円が相場です。
例えば年間200日山のガイドをして、やっと年収600万円です。
ガイドの多くは個人事業主なので、社会保険が国民健康保険、厚生年金は国民年金、
労災保険や退職金はなし、が殆んどです。
年間200日のガイドの仕事のある方はほんの一部です。
なので、自分で仕事を探せるガイドでなければ無理です。
仮に200日以上仕事があったとしても体力が持ちません。
また、年間を通じてコンスタントに入る仕事は望めません。
それを考えるとガイドという仕事は大変な仕事なんです!
山のガイドは、ガイドライセンスを取得したからといって簡単に仕事は入ってきません。
何故なら、ガイド経験の浅い新人ガイドを雇うお客さんは、普通に考えればいませんよね?
特別な能力が有れば別ですが、普通、新人ガイドは絶対に雇わないでしょう!
ガイドに必要な知識と経験、技術を得るには、どれだけの時間と、努力が必要なのかは、
外からではよく分かりませんが、何年もかかるようです。
ガイドの仕事は経験が大きくものをいいます。
いくら一生懸命勉強やトレーニングを積んでも経験を得ることは難しいです。
時間をかけて、お客さんの案内の経験を蓄積させるしかないのです。
そのためには、最初はどこかの協会団体に入って経験を積んだり、お客さんと顔なじみに
なって、それから個人ガイドとして独立する。
それでも、オープン時には、開店休業になる確率は高いので、覚悟はしていた方が
良さそうです。
それに重要なのは、山の技術よりも、企画力とか営業力です。
お客さんを安全に案内することはもちろんですが、食べていくには、他の山岳ガイドが
できない企画を考えたり、色んな所に売り込んだりする能力も必要です。
山では安全は当たり前です。 安全でしかもいかにお客様を楽しませられるかが重要です。
ガイドの資格を取っただけでは仕事は貰えません。
ガイドの仕事は過酷な商売です!
若い頃転職しなかったのは、
正解だったのかもしれませんね!
それではまた!



