殛閃のイビルアイ

百竜呑ライカ

【序】存在しない者たち

序幕 存在しない者たち

 百の鬼が夜を行く街、魅雲みくも市。


 古くから噂され、都市伝説として姿を変え、インターネットの黎明期においては多くのオカルト談義を語るスレッドで大いにその存在が持て囃され、未だテレビや動画投稿サイトなどではその特集や企画は一定の人気を博している。


 けれども多くの場合において、その存在を明確に捉えることはなく曖昧な形で終わるのだ。


 なぜなら、それらは確信を与えられた場合、その確信を消し去る力があるから。その存在を公にしてはならないという、存在しない法とそれを執行する者がいるからだ。


 古くは平安時代に陰陽師として語られ、そして今では退魔師と呼ばれる存在。


 彼らは芽黎がれいの時代を迎えた現代でも存在した。


 百の鬼とそれを退ける者たちは、未だそこに在り続ける。

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