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社会福祉士とケアマネジャー(介護支援専門員)の違いと関係性を紹介

社会福祉士とケアマネジャー(介護支援専門員)の関係性についてご存知でしょうか。

それぞれ福祉に関する業務であることに変わりはありませんが、求められる役割などの違いがあります。

今記事では、社会福祉士とケアマネジャーそれぞれの概要と両資格はどのような関係があるのか紹介します。

社会福祉士とは?

社会福祉士とは、福祉士資格の中でも相談援助(ソーシャルワーク)に関する知識を学ぶ国家資格です。

福祉専門の相談のプロとして、高齢者・障がい者・児童などさまざまな分野の相談にのり、相談・調整・援助をとおして相談者の解決に導くことが求められます。

「名称独占資格」に分類されており、国家試験の合格者のみが「社会福祉士」を名乗ることができる資格になります。

似た用語に「業務独占資格」というものがあり、これは医師や弁護士のように資格保有者でなければ定められた業務ができない資格を指します。

社会福祉士は、「業務独占資格」ではないので、資格を持っていない方でも同様の業務が可能という特徴があります。

ケアマネジャーとは?

ケアマネジャー(介護支援専門員)とは、高齢となった要介護者のケアプランを作成できる唯一の資格です。

介護を必要とする方が介護保険サービスを受けられるよう、介護保険に精通しており、プラン作成以外にも、介護保険サービス事業者と連絡調整などの業務も担当します。

少子高齢化の日本において需要が高まることが予想され、福祉の中でも人気の高い資格に位置します。

近年の合格率は10~20%と、社会福祉士の合格率約30%と比べても合格率の低い資格であることがわかります。

また、ケアマネジャーは更新制となっており、5年ごとに更新研修を受講する必要があります。

試験に関しては各都道府県ごとで担当しており、試験会場などの詳しい情報は対象の地域のホームページで確認することができます。

社会福祉振興・試験センター:各都道府県の実施案内

社会福祉士とケアマネジャー資格の関係

両資格の関係性は強く、ダブルライセンスとして両方の資格を保有している方も少なくありません。

社会福祉士とケアマネジャーの関係についてまとめると以下になります。

役割は異なるが業務上関わる機会が多い

社会福祉士とケアマネジャーはそれぞれの役割や業務内容は異なりますが、仕事上多くの関わるをもつことも少なくありません。

社会福祉士は、幅広く担当するのに対し、 ケアマネジャーは唯一ケアプランを作成でき、それに伴った業務を任されます。

双方とも役割が異なるものの、ケアマネジャーは作成したケアプランに基づき利用者が生活できるよう、関係各所と連絡を取り合い、適切な福祉サービスを提供できるよう調整しますが、その際社会福祉士が関わることも多くあります。

このように両資格には深い関係性があり、ダブルライセンスを持つ方はどちらの知識にも精通し、どの役割に就いても広い視野で働くことが可能となり、周りからの信頼も得やすくなります。

ケアマネジャーの受験要件に社会福祉士の資格がいきる

ケアマネジャーを受験資格の要件に、社会福祉士の勤務実績が認められています。

ケアマネジャーの試験を受験するためには要件があり、

  • 医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士、管理栄養士、精神保健福祉士
  • 生活相談員
  • 支援相談員
  • 相談支援専門員
  • 主任相談支援員

上記のいずれか業務について「5年以上かつ900日以上」の勤務実績が必要です。

受験資格を満たすことで受験資格を得られ、試験に合格後、さらに介護支援専門員実務研修の受講を修了することでケアマネジャーの資格を取得できます。

社会福祉士を取得後、さらに必要な実務経験を重ねながらケアマネジャーの取得条件を手に入れることができ、受験においても関係性の深い資格といえます。

※詳しい資格要件については各都道府県のホームページをご覧ください。

社会福祉振興・試験センター:各都道府県の実施案内

この記事の監修者 遠藤 愛 講師

遠藤 愛 講師 (講師紹介はこちら

全くの異業種から介護の世界に飛び込み、訪問介護員として介護業界での勤務をスタート。住居環境・経済状況が様々なケースを担当。

現在は、医療ソーシャルワーカーとして、地域の在宅・施設の福祉職と協働しながら、数多くの高齢者・障害者とその家族への退院支援業務にあたる。

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