[名称] DD-R、DDCD-R(Double Density CD-R)
[種類] 光ディスク(780nm)
[記録方法] 有機色素(追記型)
[サイズ] 120mm
[容量] 1300MB
[登場年] 2001年頃~
[種類] 光ディスク(780nm)
[記録方法] 有機色素(追記型)
[サイズ] 120mm
[容量] 1300MB
[登場年] 2001年頃~
今や淘汰された懐かしの記録メディアたちに光を当てるこの連載企画では、ゆるっと集めているムーバブルメディア・ドライブをふわっとご紹介していきます。
「DD-R」(DDCD-R)は、CD-Rをベースにソニーが開発した光ディスクです。レーザーで有機色素を加熱し、ピットを作るという記録方法はCD-Rと同じですが、トラックピッチを1.6μmから1.1μm、最短ピット長を0.833μmから0.623μmへと狭くしたうえ、誤り訂正などを改良。「Double Density(倍密度)」の言葉通り、約2倍となる1.3GBの容量を実現しました。サイズはCD-Rと同じ120mm、使用するレーザーの波長も780nmと共通点が多いですが、互換性はなく、DD-Rのメディアを読み書きできるのはDD-Rをサポートするドライブのみとなります。
DD-Rのメディアをひっくり返して記録面を見てみると、CD-R用としてメジャーなシアニン(フタロシアニン)系と同じ、グリーンの盤面となっています。この記録面を肉眼で見て、DD-RとCD-Rを見分けるのは至難の業でしょう。
ドライブやメディアの技術面・製造面ではCD-Rと共通点が多いものの、ユーザーからすれば互換性がない時点で全くの別物。さらに1.3GBという容量を実現したといっても、この頃にはすでに4.7GBの記録型DVDがチラホラ登場してきたため、容量の面でも互換性の面でもメリットが薄く、広く普及することなく消えていきました。
ちなみに規格としては「DDCD」(Double Density CD)のひとつとなり、他に読み出し専用の「DD-ROM」(DDCD-ROM)、書換型の「DD-RW」(DDCD-RW)があります。なお、仕様書の通称はPurple Book。CD規格のひとつとわかるようなロゴとなっています。
ところで、ソニーは製品発表時に「DD-R」と表記していましたが、実際のメディアには「DDCD-R」と書いてあったりで、いったいどっちが正しいのか......。結局判断つかないので、発表当時の資料を尊重しつつ併記しました。