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コロナ飲み薬 塩野義製薬が承認申請 オミクロン株への有効性や特徴は

  • 2022年3月1日

「塩野義製薬」が厚生労働省に承認を申請した新型コロナウイルスの飲み薬は、承認されれば、国内の製薬会社が開発した初めての軽症の段階で使える新型コロナの飲み薬となります。会社が「オミクロン株流行後の感染者を中心に評価がなされた」とする治験の公表内容や、特徴についての専門家の見方などをまとめました。

承認申請のコロナ飲み薬 ウイルス増殖を抑える仕組み

「塩野義製薬」が厚生労働省に承認申請した飲み薬は、新型コロナウイルス向けに新たに開発した抗ウイルス薬で、細胞内に侵入したウイルスの増殖を抑える仕組みです。
アメリカの製薬大手、ファイザーが開発した飲み薬「パキロビッドパック」と同様に、ウイルスが自身のRNAをコピーして増える準備段階で働く酵素を機能しなくすることでウイルスの増殖を抑えます。

428人を対象に治験 オミクロン株への有効性は

塩野義製薬の発表によりますと、会社ではオミクロン株の感染が拡大した時期を中心に、12歳以上の軽症から中等症の新型コロナ患者428人に対し、感染確認から5日以内に、1日に1回、5日間投与した治験のデータを分析しました。

その結果、薬の投与を3回受けた後では、感染性のあるウイルスが検出された人の割合が10%未満となり、偽の薬を服用したグループよりも低くなったということです。

また、感染したときに現れる疲労感や体の痛み、熱っぽさやせきなど、12の症状を合わせてどの程度改善されたか、偽の薬を服用したグループと比較すると、投与から6日目までに有意な差は出なかったとしています。
一方で、鼻水や鼻づまり、喉の痛み、せき、息切れといった呼吸器の症状については改善を確認したとしています。

また、オミクロン株に対する有効性については、実験で「高い抗ウイルス活性を確認している」としているほか、今回発表された治験の分析結果では「オミクロン株流行後の感染者を中心に評価がなされた」としています。

“条件付き早期承認制度の適用を希望”

今回、塩野義製薬は、治験の途中でも一定の有効性や安全性が確認できれば申請できる「条件付き早期承認制度の適用を希望する」としています。これまでに、がんや難病などの医薬品がこの制度のもとに承認されていますが、新型コロナの治療薬で適用されれば初めてになります。
会社では、2000人程度を対象にした最終段階の治験も進めていますが、中間の段階で高い有効性が認められたため、世界に先駆けて日本国内で承認申請を行ったとしています。

専門家 “投与の対象が幅広いのが特徴”

愛知医科大学 森島恒雄客員教授
「12歳以上や重症化リスクがない人など、投与の対象が幅広いのが特徴で実用化されれば、薬を飲んで数日たつと職場に復帰できるインフルエンザのようになっていくかもしれない。海外でのコロナの治療薬の開発でも、治験の途中の段階で効果がはっきりすれば、承認申請するということは、普通に行われてきた。ただ、症例数の少なさを補強するため、薬が広く使われた後に、副作用や効果を追跡する調査が必要になる」

軽症の段階で使える新型コロナの飲み薬は、海外の製薬会社が開発した「ラゲブリオ」と「パキロビッドパック」が国内でも承認されていますが、塩野義の飲み薬が承認されれば国内の製薬会社としては初めてで3種類目となります。
会社によりますと、3月末までに100万人分、4月以降は年間で1000万人分以上を生産する予定だということです。

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