ウクライナのゼレンスキー大統領 国会で演説 感謝と訴え
ゼレンスキー大統領は、日本に向けて制裁の継続を訴えた。
23日午後6時ごろ、憲政史上初となるオンライン形式で国会演説を行ったウクライナのゼレンスキー大統領。
その冒頭、語られたのは日本への感謝だった。
ウクライナのゼレンスキー大統領「両国の間には8,193kmあります。経路によっては飛行機で15時間もかかる。しかし、わたしたちの自由の気持ち、生きたいという願望、平和への願望に、どれほどの違いがあるでしょうか。わたしには、ないと思います。2つの首都の間(キエフと東京)に、気持ちの違いは少しもない。それは2月24日に実感しました。日本がすぐに援助の手を差し伸べてくれ、心から感謝します」
戦況が悪化するウクライナの現状については。
ウクライナのゼレンスキー大統領「チェルノブイリ原発が制圧されました。この原発に何かあったときのことを想像してみてください。放射性物質の処理施設を、ロシアは戦場に変えました。シリアと同じように、サリンなどの化学兵器を使った攻撃をロシアが準備していると報告を受けている。核兵器が使用された場合の世界の反応が話題になっている」
主要都市では、ウクライナ軍の抵抗が続いている。
AP通信などによると、ウクライナ国防省は22日、首都キエフの西およそ50kmにあるマカリウを奪還したと発表。
ロシア軍の北西からの進軍を食い止めたという。
戦争が長期化する中、ゼレンスキー大統領は、「日本はアジアの中で、反戦の先駆けとなった」と述べたうえで、制裁の継続を訴えた。
ウクライナのゼレンスキー大統領「アジアで初めてロシアに対する圧力をかけたのが日本です。引き続き、その継続をお願いします。避難した人たちが、ふるさとに戻れるようにしなければならない。日本の皆さんもそういう気持ちがわかると思う。この重要な時期に、日本はわたしたちとの反戦の連合に参加すると確信している。ありがとうございます。ウクライナに栄光あれ、日本に栄光あれ」
岸田首相は、「わが国としても、ロシアに対するさらなる制裁、これまで表明した1億ドルの人道支援に加え、追加の人道支援も考えていきたいと思う。あらためて、日本はウクライナとともにある。こうした思いを強調したい」