ウクライナ大統領演説要旨
ウクライナのゼレンスキー大統領が23日に行ったオンライン国会演説の要旨は次の通り。
ウクライナ大統領として初めて皆さまにお話しできることを光栄に思う。両国の間は飛行機で15時間もかかる。ただし、お互いの自由を感じる気持ちに差はない。生きる意欲の気持ちに差はない。それは2月24日に実感した。日本がすぐ援助の手を差し伸べてくれた。心から感謝する。
チェルノブイリ原発の事故をご存じだと思う。その土の上をロシア軍の装甲車両が通り、放射性物質を空気に巻き上げた。核物質の処理場をロシアが戦場に変えた。
戦争が終わってから、環境被害の調査に何年もかかるだろう。ザポロジエ原発という欧州最大の原発が攻撃を受けている。ガス・石油パイプライン、炭鉱もそうだ。サリンなどの化学兵器を使った攻撃もロシアが準備していると報告を受けている。また、核兵器が使用された場合の世界の反応が世界中で話題になっている。
ウクライナは、既に28日間にわたってこの大規模な戦争から国を守っている。最大の国がその戦争を起こしたが、道徳の面では最小の国だ。
1000発以上のミサイルが落とされ、数十の町が破壊された。数千人が殺され、そのうち121人は子どもだ。
ご覧のように国際機関が機能しなかった。国連も安保理も機能しなかった。改革が必要だ。
これからも戦争をやりたい侵略者に対して非常に強い注意をしなければならない。平和を壊してはいけないという強いメッセージが必要だ。責任ある国家が一緒に平和を守るために努力しなければならない。
アジアで初めてロシアに対する圧力をかけたのが日本だ。引き続き、制裁の継続をお願いする。ロシアが平和を望む、探すための努力をしよう。ウクライナに対する侵略の津波を止めるために、ロシアとの貿易を禁止しなければならない。
また、ウクライナの復興、人口が減った地域の復興を考えないといけない。避難した人がふるさとに戻れるようにしなければならない。日本の皆さんもきっと、住み慣れたふるさとに戻りたい気持ちが分かると思う。
日本の発展の歴史は著しい。環境を守り、文化を守るのは素晴らしいことだ。ウクライナ人は日本の文化が大好きだ。距離があっても価値観がとても共通している。心は同じように温かい。
ロシアに対するさらなる圧力をかけることによって、平和を戻すことができる。
ありがとう。ウクライナに栄光あれ、日本に栄光あれ。