Nの悲劇(期間限定公開)
テーマ:身の上話

少し横道には逸れてしまうのですが
コメントに少し書きました
実はこの時本当なら
生まれてくるはずだった
N娘の弟になる子をも
失っています
これは旧ブログの時にも
書いたことがあるお話です
優秀なきょうだいをもっと
たくさん産めば良かったのにとの
お声をいただいて
書いたことがあります
ここからは
かなりショッキングな
内容になりますので
現在妊娠中の方や
これから妊娠をお考えの方
出産を控えておられる方は
絶対にお読みにならないほうが
よろしいかと思います
また残酷なお話が苦手な方も
ご遠慮ください
本来なら
アメンバー限定とするような
内容ですので
これもまた
期間限定で消すつもりです
この話はさすがに衝撃的なので
娘に打ち明けたのも
研修医として産婦人科研修を
経験してから
ようやく話したぐらいです
医師として知っておいても
良いケースかなと
私のお産は
N娘の時もそうでしたが
まったく陣痛の【痛み】が
感じられないお産で
麻酔を使っていないにも関わらず
まるで麻酔を使ったかのように
まったく痛みが感じられず
ただお腹が硬くなる
柔らかくなるを
繰り返し
お腹全体がぱんぱんに膨らんで
腰まで圧される感じは感じるものの
【痛み】とは感じませんでした
いわゆる脳内モルヒネ?とでも
言うのでしょうか
少ないながらも
知り合いの中で
同じ体験をした人を
3人知っています
N娘の時もそうでしたが
この死産の子の時も同じく
痛みを感じないものでした
普通は死産であっても
出産とまったく同じく
陣痛に何時間も苦しんで
経過するものだそうです
その痛みがなかっただけでも
私はまだ幸運だったのかも
知れないのですが
ただ21週6日ということで
ぷかぷか浮いているような時期だからか
足から出てきてしまったのです
我々夫婦に似て
肩幅が広い子だったようで
肩がひっかかってどうしても
出てこれないということで
主治医が手を入れて
肩を掻き出すという補助を
してくれました
これが痛いのなんのって
それまで陣痛が痛まないので
一声もあげず静かにしていた私が
思わず絶叫するほど
痛かったです

絶叫しながら
ところどころ意識が
途切れたように思います
男性だったら
気絶していると
思います
気が強いのが災いしてか
途切れ途切れになりつつも
意識がはっきりしていた私
両肩をどうにか
掻き出した先生が
衝撃的なことを告げました
子宮の中で頭だけが
転がるだなんて
想像しただけで
卒倒しそうな内容です
そしてそうなった場合は
どうやって取り出すのでしょう
(娘に尋ねたら最悪の場合母体死亡の可能性もあるという話でした)
もう死に物狂いで祈りました
どうにか娩出できたかという瞬間に
聞こえてしまった主治医の声
お産が終わって
体重計に載せられている
赤ちゃんの遺体が
ぼんやりとシルエットだけで
近眼で何も見えなかったのは
不幸中の幸いだったのか…
助産師さんに
赤ちゃんとご対面
しないほうがいいですか…?
と尋ねると
そうね…
あとあと心に残っちゃうかもね…
あんまりお薦めはできないかな…
とのお返事
ものすごく迷いましたが
お顔は見ないままお別れしました
しばらく入院していた私に代わって
火葬は私の両親が行ってくれました
このあと退院してから
実家で針の筵の毎日が
始まるのでした
私の20代は
怒涛の20代だったのでした
つづく