放送1000回目のテーマは「免疫力」!風邪や肺炎はもちろん、がんなど様々な病気から身を守る免疫の働きを良くするにはどうすればいいのか?
最近の研究で自律神経のひとつ「交感神経」が免疫の働きに関わっていることがわかってきました。免疫細胞の一つ、リンパ球は交感神経の働きが落ち着くと、より多く血液中に放出され、ウイルスなどの敵と戦ってくれます。だから、ストレスや睡眠不足で交感神経が働きがちな現代人は、休息や睡眠をしっかり取ることがとても大切。ちょっと風邪気味かな?と思ったら、昼寝などの休息をとったり、自分の好きなことをしてリラックスしたりすることがおすすめです!
※今回の内容は、通常の生活での免疫の働きをテーマにしています。病気で治療中の場合などは、かかりつけの医師の指示に従ってください。
発見!免疫細胞の“2つのモード”
免疫細胞の主役“リンパ球”。実は今このリンパ球の働き方には2つのモードがあることが注目されています。それが、リンパ球が体中を巡ってウイルスに感染した細胞やがん細胞を見つけて退治する【パトロールモード】と、リンパ節と呼ばれる組織に留まり、病原体などについて学習する【学習モード】です。この2つのモードを適切に切り替えることによって、免疫システムがうまく保たれているのです。
風邪や病気に負けない免疫力を手に入れるポイント
最近の研究で、免疫の2つのモードのコントロールには交感神経が深く関係していることがわかってきました。交感神経が活性化すると【学習モード】に、落ち着くと【パトロールモード】になると考えられています。どちらのモードも、免疫にとっては重要です。でも、仕事が忙しい時期が続いたり、ストレスがあったりすると、交感神経が活性化したままになりがち・・・すると2つのモードの切り替えがうまくいかなくなる危険があります。
そこで番組では、交感神経の働きを抑えて、免疫システムを機能させるための2つのポイントをお伝えしました。
- 十分な睡眠
- 日中の休息
1、十分な睡眠について
睡眠の際は、交感神経の働きが落ち着きます。なので、十分な時間の睡眠をとることは免疫の働きを高めるうえでとても大切。海外の研究によると、睡眠時間が6時間未満の人は7時間以上の人より4倍以上風邪を引きやすい、という結果が出ています(カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究、Sleep, 38:1353, 2015)。
2、日中の休息
ストレスを感じたり、多忙で睡眠が十分とれなかったりするときに、短時間でも「昼寝」や「自分の好きなことをする」などリラックスにつながる行動をとることをおすすめしました。
昼寝は午後1時~3時の間で、30分以内を目安にしてください。
なお「好きなことをする」場合も、興奮することや激しい運動は、交感神経を逆に活性化させる可能性もありますのでご注意ください。