岩手県花巻市・大迫町の住民のみなさんが長年測定を続けたおかげで、脈拍を測ることは突然死リスクを予測する目安となることがわかってきました。安静時脈拍(※)の数値は、肉体的・精神的ストレスを敏感に反映します。そのため、毎日測っていれば、数値の変化によって過労、睡眠不足、飲みすぎなどの生活習慣の悪影響や、自分でも自覚していないストレスについて、早めに気づくことができます。脈拍数はまさしく健康状態のバロメーターなんです!
脈拍の数値を記録する重要性はいま世界的にも非常に注目されていて、病気予防のため24時間脈拍データを測定する腕時計型コンピューター端末などが次々に登場しています。
(※)安静時脈拍を測るポイント
薬局などで販売されている血圧計を使うのがベターです。もし手元になければ手首や頸部などで脈をとっても構いませんが、医療関係者でない一般の方が正確に測るのは難しいため、安定したデータを取る上でも血圧計を使う方法をおすすめいたします。
- 朝起きてから1時間以内に
- 測定前に朝食はとらない
- トイレは我慢しない
- リラックスして座った状態を2~3分続けてから
- 姿勢を正しくし、腕と心臓が同じ高さになるように
寝るだけ脈落とし
ゆっくりとした呼吸で交感神経の活動を低下させ、アドレナリンの分泌を減少させる。その結果、心臓の鼓動が徐々にゆっくりに!
- やった後に動き回るとせっかく脈拍数が下がっても、また上がってしまうので夜・寝る前の時間帯がベスト!
- 布団の上など、リラックスできる場所にあおむけになり、目をつぶる。
- 息を吸うときは鼻から。
- 頭の中で8秒数えながらおなかから順々に肩まで空気を満たしていく様子をイメージする。
- 研究者の方によると、胸の筋肉をストレッチすることが重要なので、『胸のところで大きな花が開くのをイメージ』するとよいそうです!
- いっぱい吸いきったら、1~2秒軽く息を止める
- 今度は口をすぼめて、そこから8秒数えながらゆっくり息を吐く
- 風船がしぼんでいく様子をイメージ
- 吐ききったらまた1~2秒息を止め、再度鼻から同様に息を吸う。
これを毎日寝る前に10分間を目標にやってみましょう!
※8秒間息を続けるのが難しい方は、もっと短い間隔で構いません。3~4秒からはじめてみましょう!
お風呂に肩までつかる!
同じ温度のお湯、同じ長さのバスタイムでも、シャワーだけと全身お湯につかるのでは安静時の脈拍数を下げる効果が違います。これはお風呂では全身に水圧がかかるため、心臓や血管に適度な負荷がかかり、心臓トレーニング効果があるためだと考えられています。
- 温度は38~41℃の少しぬるめ…熱すぎるとストレスになってかえって心拍数が上がってしまうため、10分間無理せずつかっていられる少しぬるめのお湯がオススメです。
- 脱衣場、風呂の洗い場は先に暖めておく…お風呂は脈拍数を下げるのに良いのですが、意外な盲点があることに注意!!特に冬場は急激な温度差が心臓の大きな負担となります。服を脱ぐ前に、脱衣場を電気ストーブなどで暖める、また洗い場にはお湯をまいておくなど、あらかじめ暖めておくようにしましょう。
※のぼせたら無理をせずにすぐにあがりましょう!特に高齢者は温度の変化を感じにくくなっている場合があるのでご注意ください。