おなかに力が入ったときに思わず起こる、尿漏れ。
時間やトイレの場所がいつも気になる、頻尿。
股にピンポン球を挟んでいるようないやな感じが1日中続く、違和感。
他人にはなかなか言えない下半身のお悩みですが、実は原因のひとつとして、人類共通の体の“欠点”が引き起こす、ある筋肉のたるみが関係していることが分かりました。
今回番組では、そのたるみの実態を大調査。いますぐできるたるみ改善法と、日頃から取り組めるお手軽な予防方法をお伝えします!
下半身のお悩みの原因は骨盤の筋肉のたるみ!?
尿漏れや頻尿、残尿感などのおしっこのお悩みや、下半身の違和感。これらの症状には、実はある共通の原因が考えられます。お悩みを抱える女性の下腹部をMRIで見てみると、健康な人に比べてぼうこうが下がり、変形していました。
これは、人類にとっては宿命とも言えるもの。直立2足歩行に進化して、臓器はすべて骨盤に向かって落ちるような位置関係に。それに加え、生まれてくる赤ちゃんの頭が大きく進化したので、骨盤の穴は巨大化。穴に臓器がずり落ち、形が変わってしまいやすくなったのです。ぼうこうの形が変わると、尿の出口がゆるくなり、少し力が加わっただけで出てしまう尿漏れになったり、逆にうまく尿を出しきれなくなり残尿感を感じたりしてしまいます。
では、症状が出る人と出ない人の差は何なのか?カギを握るのは、骨盤の穴の底についていて、臓器を支える役割を担う「骨盤底筋」と呼ばれる筋肉です。症状が出やすいのは、主に出産などで骨盤底筋が傷つき、たるんでしまって臓器を支えられなくなってしまった人。でも、そんな人でも骨盤底筋を鍛えれば、症状を改善できる可能性があるんです。
3秒「ギュッ」で劇的改善!「内臓リフトアップ体操」
ガッテン!でおすすめするのは、骨盤底筋を動かして鍛える「内臓リフトアップ体操」です。
体操方法
- 動かす筋肉を意識する。動かすのは、おならをガマンするときにしめるお尻の穴。
- 全身の力を抜いてリラックスし、ゆっくり息を吸う
- ゆっくり息を吐きながら、3秒間、意識したお尻の筋肉を「ギュッ」としめ続ける
- 力を抜いて、リラックス
- 1から4を10回1セット、これを1日2セット以上行う (姿勢は立っている状態だけでなく、座っていても、寝ていてもできます)
毎日続けることで、3ヶ月ほどで症状改善が期待できます
※骨盤底筋を鍛える体操は、回数や時間などが異なる様々な方法があります。
※骨盤底筋の神経に障害がある方は、体操の効果が出ない可能性があります。手術の必要がある場合もありますので、気になる方はお近くの泌尿器科へ相談を。
男性も利用する泌尿器科には行きにくいという女性の方は、全国に70か所以上ある、泌尿器科と婦人科の機能を併せ持った「女性泌尿器科外来(“ウロギネ外来”とも)」に相談するのもおすすめです
日常生活で取り入れたい簡単たるみ予防法!
臓器を支える骨盤底筋のたるみに気をつけないといけないのは、出産経験者だけではありません。日常的におなかの中の圧力が高まり、骨盤底筋を圧迫する可能性がある以下のような人は要注意です。
- 便秘でおなかに力を入れていきむことが多い人
- 花粉症、ぜんそくなどによるせきやくしゃみが多く、おなかに力が入りやすい人
- 脂肪がおなかの中を圧迫する、肥満の人
心当たりのある方におすすめなのは、ちょっとした工夫でおなか中の圧力を減らす方法。
例えば、トイレでいきむときに両手を伸ばしてバンザイの姿勢で力を入れるだけで、おなかの中の圧力の上昇を抑えることができます。予防のために、ぜひお試し下さい!
※尿漏れや頻尿など、おしっこにまつわるお悩みは、ぼうこうをコントロールする神経が過敏になり、尿が十分たまっていないのに出そうとする「過活動ぼうこう」など様々な 原因があります。気になる方は早めに泌尿器科へ相談に行くことをおすすめします。