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柱合会議とはこんな恐ろしいものだっただろうか。今まで何十回も会議には出席しているが、こんな恐怖を覚えたのは初めてだ。普段なら柱達と交流を図ったり和やかな場面があるのだが今日は微塵もそのような場面はない。 ここまで強い恐怖を抱いている原因は簡単だ。目の前で穏やかに笑うお館様もとい耀哉のせいであるのは間違いない。穏やかな顔付きで此方を見ているがそれが決して今の心情と合わさっているわけではない。表面上はにこやかに笑っているが外見と中身は全く別だ。分かりやすく例えると見た目は完璧な料理でも味は最悪という見た目に騙されないように注意しろと言うこと。この状況で自分でも何を言っているのか分からないが結論から言うと穏やかに笑う耀哉だが実は怒っているという事を言いたのだ。
「えーと……久しぶりだね。みんな元気にしてた?」
少しでもこの恐怖と気まずさを払拭させるために、一端耀哉から視線を外し柱達に向き直る。
「炭治郎さん…なん…ですか…?」
声を震わせ珍しく感情を露にする義勇からは強い戸惑いが見てとれる。二年振りに会う人物が少年になっていたなんて驚くのは当たり前だ。普通なら年をとるのに自分は逆に若返っているのだから。
「そうだよ。皆が驚くのは無理ないけど」
義勇の言葉に頷くと目に見えて他の柱達も動揺を露にする中、炭治郎は側にいる禰豆子の肩に触れ皆に見えるよう禰豆子を前に出した。 「紹介が遅れたけどこっちの子は禰豆子。俺の妹で何時も一緒にいるんだ」
「妹ってソイツは鬼ですよ!?それに炭治郎さん以前に兄弟はいないって言っていましたよね!!その上何で縮んでいるんですか!?」
怒涛のように襲い来る驚愕の嵐に宇随は叫ばずにはおられず、なりふり構わず騒ぎ立てる。宇随の額を飾っている綺麗なアクセサリーが心境を表すようにジャラジャラと忙しなく揺れ続ける。
「まぁ、なんというかその、色々あってね」
連絡一つもせず消息を断っていたので、宇随達は勿論自分の身に何が起きたのか知らない。柱ともあろう者が易々と血気術にかかっただなて言いづらく、歯切れの悪い返事しか出てこない。
「丁度行方を眩ました二年前に炭治郎は鬼になってしまった禰豆子と出会った。その時に油断したせいで他の鬼の血気術にかかってしまい体が縮んだと鱗滝の文に書いてあったよ」
「そうなんですか!?」
「う、うん。まぁね」
派手に驚く宇随に何とか返事を返す。その場に居合わせたのではないだろうかと疑う程、予想以上に詳しい詳細を知っている耀哉に上手く表情が取り繕えず体が強張る。一から説明しなくても全てを知っているであろう耀哉には誤魔化しも言い訳も一切通用しない。自分が鱗滝の元に居た時からきっと文が送られていたのだろう。あんなに身近に鱗滝の元にいたのに全然気付かなかった。
「皆が驚くのは無理ないよ。でも今は話を戻そうか。炭治郎、君は禰豆子の事で何か私に言いたい事があるんじゃないか?」
スッと雰囲気を変えた耀哉に炭治郎も気持ちを切り替えた。先程まで友人として耀哉と親しげに接していたが今は違う。友人としてではない。鬼殺隊の当主であるお館様と話さなくてはならない。 本当なら自分の体の事を解決してから言いたかったが、遅かれ早かれこうなることは必然だった。
「禰豆子を俺の側に置くことを認めてください」
その一声に今までにないほど空気がざわついた。義勇や時透の様に息を飲む者もおれば、煉獄や宇随達の様に驚愕で声が漏れる者など反応は様々だが皆、感じている事は同じだ。
「禰豆子は人を食わない優しい子だ。普通の鬼とは違う。それに一人にしないと約束したんだ」
禰豆子の母親から託された大切な娘。いかなる困難が待ち受けようとも守り抜くと誓ったのだ。血の繋がりなんて関係ない。誰がなんと言おうが禰豆子は大切な妹なのだから。
「俺は反対です」
そう切り出したのは伊黒だった。左右異なった色を宿す特殊な彼の瞳が炭治郎だけを写す。
「人を食わない等信じられません。それにその鬼さえいなければ炭治郎さんが血気術にかかる事もなかった。既にその鬼は貴方に危害を加えています。それだけで殺すに値する」
「伊黒の言う通りです。炭治郎さん貴方は優しすぎる。その優しさが時には貴方自身を傷つけます」
伊黒の意見と同じだと煉獄も炭治郎の言い分を否定した。 最初からこうなることは分かっていた。何せ正体を明かす前からこの二人は特に禰豆子の事を認めようとはしなかった。その上煉獄は鬼を連れている炭治郎でさえも斬首しろと訴える程、鬼の存在を認めていない。鬼を連れている隊士が炭治郎だと分かり今はもう自分に対して斬首と口に出さないが、それがきっと煉獄の本音だ。そしてその本音は柱としては正しい判断なのだ。鬼を狩る者が鬼と共に行動してるなど本来なら許さず処分されるのは何ら可笑しくはない。
「鬼を側に置くことがどれだけ危険なことか分かっているよ。でも禰豆子は人を襲わない。でも、もし禰豆子が人を襲う鬼になったら……」
禰豆子を引き取った時から決めていた覚悟。その覚悟は二年前から揺らぐ事はなく、今後も揺らぐ事は決してない。 皆の視線が自分に集中し一端言葉を区切ると少しの沈黙が訪れる。沈黙を破るためにスゥッと軽く息を吸い込みその覚悟を口にする。
「禰豆子を殺して俺は腹を斬ります」
シンッとその場が水を打ったように静まり返り痛いほどの静寂が辺りを支配する。その静寂を作り出した炭治郎は、真っ直にお館様を見つめ、はっきりとそう宣言した。その言葉と赤い瞳からは揺るぎない覚悟を示しており、それが決して冗談ではなく炭治郎がいかに本気なのかを物語っている。 そんなたかが鬼一人の為に容易く自身の命を差し出す炭治郎に他の柱達が息を飲む中、不死川はいてもたってもおられず拳を力強く握り締める。爪が皮膚を突き破りそうな程、強く握り締める拳は怒りで震えている。
「駄目だッ!!鬼なんかの為に炭治郎さんが命を懸ける必要はねぇ!!」
「実弥」
「何故そうまでして鬼を庇うんです!?何時貴方に牙を向くか分からないんですよ!!」
今は人間を襲わなくても何時かは絶対に人間を食う。それが鬼だ。奴らはひたすら奪うことしか出来ない醜い化け物だ。そんな奴を信用なんて出来る筈がないと不死川は、声を荒らげ炭治郎に訴える。 お館様の前で姿を取り乱すなど柱として情けないが炭治郎の言葉を聞いて冷静を保つなんて出来るわけがなかった。只でさえこの敷地に鬼がいるなんて認めたくないのにその鬼が炭治郎の側にいる事が許せず、どす黒い憎悪の感情が不死川の体を駆け巡り言葉となってその場にいる者達の耳に入ってくる。 柱である炭治郎が鬼を連れている事よりも、当然の様に彼の側に寄り添う禰豆子に強い殺意がみなぎる。
「汚わしい鬼が炭治郎さんに近付くんじゃねぇッ!!」
不死川の怒りに呼応するように強い殺気が産屋敷に広がり空気を揺るがす。荒々しくも鋭い不死川の殺気に木々に止まっていた鳥達が一斉に飛び立ち空に逃げ出した。 その殺気を真正面から受けることしか出来ない禰豆子は苦しそうに顔を歪めると、炭治郎の袖を弱々しく掴んだ。その小さい手から伝わるのは少しの不安と後ろめたさ。
「大丈夫。兄ちゃんが守ってやるから」
掴んだ手から感じ取れる禰豆子の思い。助けてほしい。だけどこれ以上は迷惑を掛けたくない。その二つの感情が禰豆子の心で混ざり合っている。鬼ならば真っ先に失う他者への思いやりの心。それを禰豆子は鬼になっても失なう事はなく大事に持っている。それだけで充分だ。例え禰豆子が鬼で鬼殺隊にとって敵でも自分にとっては守るべき大切な存在であり、血が繋がらなくとも自分の妹だと胸を張って言える。 不死川の殺気から守る為に炭治郎は袖を掴んでいる禰豆子の手を優しく握ると心配しなくていいんだと、兄ちゃんに全て任せろと微笑むと自分の背で禰豆子を庇う。 その光景に不死川は更に殺気を強め鋭い目付きで禰豆子を睨み付けた。今にも抜刀をしかねない緊迫した状況にも関わらず炭治郎は少しも引くつもりはなく不死川を静かに見つめる。その瞳からは一切の怒りは感じない。炭治郎ならば力ずくで不死川を押さえ付ける事が出来る筈なのに炭治郎はただ黙って不死川を見つめている。不死川に対して咎める事も怒る事もない。ただあるのは全てを寛容するという感情のみ。不死川の怒りも禰豆子の事も自分の命でさえも。
「何かあってからじゃ遅ぇんだ!!なのにどうして俺の言う事を分かってくれないんです!!貴方が一番鬼の醜さを見てきた筈だッ!!」
言葉を発っさずとも伝わる炭治郎の思いを不死川は受け入れる事が出来ない。鬼殺隊として一番最古の炭治郎が誰よりも鬼を葬ってきた。人間を必要以上に痛ぶり、笑いながら愉しそうに殺して喰う鬼の醜さを誰よりも知っている。だから炭治郎からそのような言葉が出てくるのを聞きたくなかった。
「所詮鬼は鬼だ!!人を襲わない鬼なんているわけがねぇ!!今すぐにでも殺すべきです!!」
何者も寄せ付けない強さを兼ね備え、あまかつ皆を包み込む優しさを持つ太陽の様な炭治郎を鬼殺隊の誰もが慕っている。勿論この場にいる柱達もそうだ。不死川や伊黒といった気難しい彼等ですら炭治郎を慕っている。 そんな救う価値もない鬼を炭治郎が庇う必要は一切ないというのに頑なに鬼である禰豆子を守る炭治郎を不死川は心底理解出来ない。もし、禰豆子が人を襲ったら炭治郎も道連れに死んでしまう。欠けがえのない大切な人をまた失うかもしれないのだ。母や兄弟達を失った時のあの身を引き裂くような感情を。そう考えただけで不死川はゾッとするのだ。 誰も言葉を発っさず皆が不死川の言う通りだと炭治郎を見つめた。その視線から誰も禰豆子の事を認めるつもりはないと、言葉には出さないがはっきりと拒絶の色を宿していた。だが甘露寺だけは考え込むように俯いておりその瞳からは迷いが見え隠れしている。
「俺のために怒ってくれてありがとう実弥」
「だったらッ!!」
「確かに皆の言う通りだよ。だから俺も相応の覚悟を示さなきゃならない」
いくら柱でも鬼を連れているなんて許されるわけがない。特に柱は鬼によって身内や親しい者を殺された者が多い。そんな状況の中、無償で禰豆子を受け入れてくれるとは思っていない。現に今殆どの柱が禰豆子を殺そうとしている。それが現実だ。
「大丈夫。禰豆子は人を食べない。それを俺が証明するよ」
袖を捲し上げ腰に差している鞘から刀を抜くと一思いに自分の腕を切りつけ禰豆子の前に腕を差し出す。傷口からは血が溢れタラリと一筋の赤い線が炭治郎の腕を伝う。 鬼にとっては鼻孔を擽る甘美な血の匂いに禰豆子の口から涎が滴れ落ちる。ポタポタとその涎が一滴二滴と次々に溢れ畳に染み込みでいく。口にくわえている竹がミシリと軋んだ音を立て次第に禰豆子の息が荒くなり始めた。
「炭治郎さん!!」
「大丈夫だから。ね?」
鬼を前にして無防備な炭治郎に胡蝶は駆け寄ろうとするが、それは本人によって止められる。炭治郎の笑みが普段と変わらずあまりにも穏やかで胡蝶のみならず他の柱達も動けなかった。
「フゥー!!フゥー!!」
「禰豆子」
乳白色の瞳が血走り、段々と荒くなる息づかいを前にしても炭治郎は少しも動揺する事なく静かに禰豆子に呼び掛ける。その声につられる様に禰豆子は炭治郎に歩み寄る。それにいち早く刀を抜こうと反応する柱達だがその刀が抜かれる事はなかった。
「むー!!」
炭治郎とお館様を除きここにいる誰もが禰豆子が血を啜ると思っていた。だがそれは違った。炭治郎の前で足を止めると禰豆子は炭治郎をポカポカと軽く叩きだしたのだ。まるで小さい子供が親に駄々をこねるように弱い力で炭治郎の胸元を叩いている。鬼の腕力は人間とは桁違いだ。禰豆子が本気で叩いていたら炭治郎の骨は粉々に折れている。禰豆子は炭治郎を殺すつもりで叩いているわけではない。
「ごめんな禰豆子」
炭治郎は禰豆子が何故怒っているのか分かっていた。血を舐めれない事に怒ったのではない。炭治郎が怪我を負った事に対して怒っている。自分の目の前で己の腕を斬りつける人がいれば炭治郎だって怒る。自分自身を傷付けたら自分ではなく周りの人達が悲しむ。それは炭治郎だって同じだ。だから炭治郎の行為は禰豆子を悲しませたと同時に怒りを買ってしまった。 本来なら血を啜りたいだろう。溢れる涎は止まる事なく今も出ているが禰豆子はそれでも耐えたのだ。鬼としてではなく、人として生きる事を禰豆子は守り抜いた。
「鬼が血を見ても耐えるなんて……」
目の前の光景が信じられず胡蝶は唖然と禰豆子を見つめる。今まで会ったどの鬼達の反応とも違い禰豆子ははっきりと血を否定した。まさに炭治郎の言葉が証明された瞬間だ。
「皆が不安に思うのは無理ないよ。でも禰豆子は鬼でも心は人間だ」
二年間も一緒にいるのだ。その間、禰豆子は人を襲わなかった。数年の月日を人を喰わずに生きている。 それでもまだ完全には納得出来ない者達がいるようで特に不死川は耐えるように唇を噛み締めており、その表情は険しいままだ。鬼が全て悪だと一括りに考えるのは楽だ。何も考えずに滅すればいいのだから。だがそんな考えは悲しいだけだ。禰豆子の様に違う鬼もいる。その事を分かってほしい。
「実弥。俺の事が信用出来ない?」
寂しそうに笑う炭治郎に不死川「ッ!!」と言葉を詰まらせる。 こんな言い方をすれば不死川を困らせる事は分かっている。我ながら卑怯だと思うが、こうでもしないときっと不死川は耳を傾けてくれない。少しのキッカケで人は変われる。だから自分の言葉が不死川にとって良い兆しになってほしい。
「俺は炭治郎さんを信じます。その鬼は貴方の血を見ても耐えた。だから俺も貴方とその鬼を信じます」
「義勇……」
誰も口を挟めず重苦しい空気が流れる中、義勇がその場の者達に断言するように言い放つ。
「わ、私も信じます!!その子から嫌な感じはしないですし仲良くなってみたいです!!」
「僕だって炭治郎さんの事を信じてる。炭治郎さん以外は別にどうでもいいし」
「蜜璃。無一郎」
義勇に続き甘露寺と時透が口を開く。まだ完全には納得はしていないながらも炭治郎の言葉に影響された煉獄達も静かに頷いた。 殺伐とした空気が薄れ徐々に冷静さを取り戻した不死川だがそう簡単には鬼に対する憎しみは消えない。だが炭治郎に悲しい表情をさせたのが自分だという事の方が許せない。
「分かりました。でもッ!!その鬼が少しでも人間を襲う素振りを見せたら俺がその鬼の頸を跳ねます」
鬼の癖に炭治郎から信頼を寄せられるなど忌々しい。許されるなら今すぐにでもその細い頸を跳ねたい。だが炭治郎の信頼を裏切る真似は絶対に出来ない。 そんな炭治郎の信頼をもし禰豆子が裏切るものなら、何処にいようが地の果てまで追いかけて必ず息の根を止める。炭治郎の手によって生涯を終えるなど、そんな事は許さないと不死川は未だに収まらない殺気を禰豆子に向ける。
「ありがとう実弥」
不死川からこれだけの言葉を聞けただけで充分だと炭治郎はソッと不死川の頭に手を乗せ撫でると、不死川の険しかった表情が少し弛み発せられていた殺気も消える。
「さて、皆落ち着いたようだね。今の話しの流れから禰豆子が人を襲わないと証明出来たようだ」
盲目で何が起きたのか見ることは叶わないが今までのやり取りを聞いていた耀哉は現象を把握し、やっと口を開く。
「禰豆子を鬼殺隊の仲間として認めるよ。 だけどまだ不安を持つ子達もいる。だから炭治郎。君が禰豆子の存在価値を皆に証明し続けなさい。そうすれば自ずと信頼は集まるのだから」
「はい!ありがとうございます。良かったな!禰豆子」
「うー!!」
皆に人を襲わないと証明させるとはいえ禰豆子には苦しい思いをさせてしまった。そんな禰豆子は炭治郎の気持ちに答える様に私は平気だよ満面の笑みを浮かべ炭治郎に笑いかけた。
「あと、もう一つお願いしたい事があるんだ」
無事に禰豆子の件が片付き一先ずホッと胸を撫で下ろすが、もう一つの問題が片付いていない。その問題は今の自分の姿だ。
「見ての通り俺はこんな姿だ。だから元の姿に戻るまで柱じゃなく一般の隊士として行動したいんだけど」
柱の自分がこんな姿だと他の隊士達に示しもつかない上に不安がらせてしまう。この血気術を解いてから堂々と柱としての地位に戻るつもりだ。鬼殺隊を束ねる耀哉ならきっと自分の気持ちを理解してくれる筈だ 。
「そうだね。元に戻るまではそれでいいよ………とでも言うと思ったのかい?」
「え?」
あまりにも自然に話すので聞き間違いかと思ったが耀哉の顔を見る限りどうやら違うらしい。 本日何度目であろう不穏な空気の流れを感じ収まっていた冷や汗が再び滲み出る。
「実弥から刀を向けられた禰豆子を守ろうとした時の炭治郎を皆はどう思った?柱としての実力がないように見えたかい?」
「いいえ!炭治郎さんの実力は全く衰えていません。俺達全員が挑んだ所で今の炭治郎さんにも勝てるとは思えません」
ですよね!炭治郎さん!!と悪気なく言う煉獄に他の柱達も皆同じ意見なようで、うんうんと首を縦に振っている。何ということだ。可愛い後輩たちですら自分の意見に賛同してくれない。というより誰も味方がいないではないか。まるで敵陣にいるようで一人だけ孤立した状況に為す術がなく唖然と黙り込む。
「実力も問題ないようだね。今まで消息を絶っていた分存分に働いてもらうよ」
見惚れる程、綺麗な笑みを浮かべる耀哉は他者からすれば聖人の様に写るが炭治郎にとってはそうは見えず、その言葉が肩に重たくのし掛かった。
本当は続く予定はなかったんですけど皆様の嬉しいお言葉に、つい続きを書いてしまいました!!一応この話はこれで区切りがついたかなーと勝手に思っています!
アニメは終わっても鬼滅の熱は冷めません!!