栽培のポイント
ニンジンは、菜園に直にタネをまきます(移植すると叉根になる)が、発芽まで水を切らさないことが大切。タネまき後は土を薄くかぶせ、乾燥防止に不織布をかぶせるか、腐葉土やもみ殻をかぶせます。毎日、水を与え、発芽したら間引きながら育てます。短根種で収穫までおよそ100~120日です。
ニンジンの栽培でよくある疑問、悩み
Q.ある程度株が大きくなるまで、雑草はほうっておいてよい?
ニンジンの場合、初期生育が遅く、早めの除草を心がけないと、雑草に負けて枯れてしまうこともあります。雑草を見つけたら、こまめに取り除かなくてはいけません。
芽が出始めのころは、雑草と区別がつきにくいと思いますが、すじまきにするなど場所を決めてタネをまき、それ以外の場所から出る草は、早めに抜き取るなどの工夫が必要です。
Q.タネをまいても発芽しない
ニンジンの栽培は、発芽さえうまくいけば半分は成功といわれるほど、発芽がポイントとなる野菜です。
発芽を成功させるポイントは次のとおりです。(1)タネは光があったほうが発芽しやすい好光性種子なので覆土は薄くする、(2)発芽まで土が乾かないようにこまめに水やりをする、(3)タネまき後、不織布でべたがけしたり、もみ殻、切りワラで覆って乾燥を防ぐ、(4)梅雨明け前にタネをまく、などです。
さらに、タネをまく前に、畝の表面を板きれや塩ビ管などで平らに整え、ふるいなどでふるった土で均一に覆土すると、発芽がそろいやすくなります。
Q.間引き菜の利用法は?
間引いた株は、ぜひ葉の部分も利用してみてください。主に根を食べるニンジンですが、葉にもビタミンCやカルシウムがたっぷり含まれています。生育初期の葉はやわらかく、くせがないので、生のまま刻んでサラダに散らしたり、かき揚げの具にもよく合います。
Q.葉がなくなってしまった
おそらく、キアゲハの幼虫のしわざでしょう。キアゲハの幼虫は、セリ科の植物に多くつく大きな害虫で、1日で葉が丸坊主になるほどの被害を与える大食漢です。
食害された株の近辺をよく観察してみてください。色がカラフルで大きいので、すぐ見つけられます。はしなどでつまんで捕殺しましょう。
Q.プランターで栽培する際のポイントは?
プランター栽培では、ミニタイプの品種がよいでしょう。タネまき後70日ほどで収穫でき、普通のニンジンほどには根が深く伸びないので、プランター栽培にぴったりです。
ミニタイプの場合、間引き後の最終株間は約6cmです。早めに間引いて根を太らせましょう。また、追肥として2週間に1回、プランター全体に約10gの化成肥料(または週に1回、規定倍率に薄めた液体肥料)を定期的に与えて育てるのがポイントです。
◆質問・回答は、
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特徴
ニンジンは、細長い東洋系と太くて短い西洋系に大別されます。現在出回っている多くは西洋系で、育てやすく、家庭菜園におすすめ。
発芽するまでがとても重要で、タネまき後の土はごく薄くかけ、常に土が湿っている状態を保ちます。初期生育が遅...