当記事では、上記のテーマでお話していきます。
USCPAのBECという科目には「ファイナンス、内部統制、マクロ、ミクロ経済学」等多様なテーマが詰まっています。また、このBECに特有なのが『Written Communication』という英語での作文試験です。
読者の皆様の中でも「経済や経営、英文ライティングの経験が十分でないので不安」と感じられている方も多いかもしれません。
しかし、対策方法を誤らなければこれまでの学習経験がなくても全く問題ありません。出題範囲もかなり狭いですし、突っ込んだ内容は出題されないので浅い理解でも十分に得点がとれる試験です。
まずは、筆者である私について簡単に紹介させてください。
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当記事では、学習者の皆様がいだく不安を解消すべく、実際に勉強期間も2か月ない程度で一発合格した筆者が丁寧にその対策を解説していきます。
ブログ記事よりも動画解説が聞きたいという方は、ぜひ以下のYouTubeでも同様の解説をしておりますのでご覧ください!
目次 [SHOW]
BEC出題範囲・配点・合格率・必要教材|USCPA科目対策
まずは、科目の特性を客観的に把握することです。出題範囲やその科目難易度について説明していきます。
配点と出題範囲
まずは、AICPAが提供しているBlue Print(2021年1月版)からその得点アロケーションを見ていきましょう
このように客観的に見てみると、各分野からまんべんなく出題されていることがわかりますね。
あまり山をはったり集中的に学習するのではなく、苦手な出題範囲を作らないことが重要です。また、後程詳細を説明しますが、COSOについては特に出題量が多いので、上記にかかわらずしっかり対策していきましょう。
問題種別については、以下のとおりとなります。
BECは、MCが62問と圧倒的に少ないです。これは、WCというライティング課題があるためにMCが圧縮されていると理解できます。
BECの攻略には、全分野の満遍なく対策することや、WCでしっかり得点を取る事がカギになってきます。
BEC(USCPA)合格率
ここではBECの科目合格率も見ていきましょう。
科目 | 合格率 |
REG | 56.3% |
FAR | 46.3% |
BEC | 59.9% |
AUD | 51.0% |
出典:アビタスウェブサイト
BECは出題範囲も狭いですが、合格率も圧倒的に高いですね。ただし、先ほど述べたように英文ライティングがあるので苦手としている方は注意が必要です。
逆にそこさえ乗り切れてしまえば、範囲も狭いし合格は容易な科目ということです。
必要な勉強教材
BECについては、WCを除いて、基本的に予備校のテキストと問題集だけで十分に対策が可能です。
経済学などの慣れない分野で少し理解が浅いなと感じたら、ネット等で個別論点を調べてもよいでしょうが、追加で参考書を買うようなことは避けましょう。
WCについての、個別の対策方法については次のチャプターで紹介していきます。
【米国公認会計士】BEC合格への対策5選|鬼門WC勉強法も解説
ここからは、BECの対策のより具体的な論点を見ていきます。
①FARの直後に受験(2科目目)
バックグランドによって差はあるものの、学習範囲は圧倒的に少ないのがBECです。アビタス教材を例にとれば、FARは問題集も含め8冊ありますが、BECは4冊しかありません。
FARが最大分量で大変ですから、その次は分量の少ないBECをお勧めします。スムーズに科目を合格していかないと、失効の危険もありますし、FARを含め、さっと2科目受かって波に乗るのが4科目合格への戦略としては良いと思います。
あまり分量の多い科目を前倒しすると、普通の人間はバテますので進捗がはかどらなくなる可能性があります。科目間の連動を考えてもFAR⇒BECの流れはなんら問題ありません。
理想的な受験の順番については、以下の記事でも解説しています。
>>米国公認会計士(USCPA)の受験科目の理想的な順番|戦略が勝負を分ける
②WC(Written Communication)は予備校の型に頼るべからず
BEC対策完全講義を活用する
WCについては、各予備校が必要論点とサンプル問題・回答を提供していますが、最も必要な「日本人がどのように思考し、どこに気を付けて書くべきか」というポイントが完全に抜けて落ちています。
これでは、書けた気になって、ほとんどすべての文で減点されるのがオチだと思いますので、私全身全霊を込めて自ら対策マニュアル『WC完全対策講義』を作成しました。
とてもではないですが、ブログ記事で収まるような量ではないため、別途noteでPDF提供という形をとらせていただいています。
英検1級を取得し、MBA在学中に毎日英文を読書きして鍛えられた純ジャパ凡人だからこそ把握している英文ライティングノウハウを、USCPA WC向けに完全アレンジして提供しています。
BECははっきり言ってWCを制すれば間違いなく一発合格できる科目です。
急がばまわれで、是非以下リンクより、『BEC WC完全対策講義』で学習していただければと思います。
もちろん、自力で十分対策可能という英語力を有している方は、まったく対応いただく必要ありません。
しかし、私の全エネルギーを注いで作成した教材ですので、ぜひご活用ください。
noteでも以下の記事でありがたいことに解説していただいていますので、こちらをご覧いただけるとイメージつかめると思います!
>>【USCPA BEC】87点で合格した勉強法(日出づる国から来たサムライ会計士様)
また、以下のとおり、ありがたいことに学習者の皆様からTwitter上でも好評いただいています!
是非上記、完全対策講義を使ってさらっとBEC合格を勝ち取りましょう!
ライティングの型を無理やり使うべきか?
WCは基本的にはコンピューターの機械採点であり、採点基準のアルゴリズムが不明です。こういう試験は、考えすぎずに、当たり前のことを当たり前に書けるようにするだけです。
ここで、各予備校には大変申し訳ありませんが、テキストで紹介される型に無理やり当てはめようとするとドツボにはまると思います。特にライティングに自信のない方は危険です。
私がBECの本試験を受けたときも「この聞かれ方だと、予備校が提供している型で書くのは不可能に近いな」と感じる問題が出題されました。
TOEFLでも英検でも型を使って書くというのは日本人にとってのセオリーですが、WCで聞かれる内容が型にあてはまらないようなケースもざらですし、今後の試験でどのような聞かれ方をするかは神のみぞ知る話です。
言い換えると、聞かれる内容は出題範囲の中から出ますが、聞かれ方は予測不能ということです。
ご自身が問題を作る側になることを仮定してみてほしいのですが、「型に当てはめて書こう」とする受験生が対応できないような問題を出すのは非常に簡単ですよね。色々と解答の仕方に制約をつければいいだけなので。
よって、やるべきことはシンプルで、素直に聞かれたことに答えればよいのです。もちろん英文ライティングですからロジックを整理することは大切です。
ただ、英作文に慣れていない人は「普通に聞かれたことに答えられないから型を使わざるを得ないんだ!」という思いを持つのももっともです。
型を使わずに初心者が英文ライティングをする方法
それでは、どうすれば初心者が聞かれたことに素直に、普通に答えられるかというと、①接続詞 ②論理展開 の2点を強化することが大切です。
後者の論理展開は一般常識としてもご存じの方も多いのではないでしょうか。英語の場合は結論を先に書きます。
「結論⇒その理由⇒結論」これだけです。これも言ってみれば「型」なのですが、コアの展開だと覚えましょう。
では、「Aの会計手法と、Bの会計手法の違いを説明してください」という問題では結論?理由?はどうしたらよいのでしょうか。
少し考え方を変えて、
結論のところに=異なるポイントは3つあります。
その理由のところに=①~~、 ②~~、 ③~~ と記載していく。
最後の結論のところで、「上記のとおり3点ある。」といったり、「この3点を鑑みると今の当社(御社)には~~が適切と考える」
みたいに書けばよいのです。いたってシンプルです。
ここで、もう一点一般的に日本人が注意すべきが接続詞です。上述した展開をきれいにまとめていくには、接続詞をうまく使うことが大事です。
主なものは以下のとおりです(正確には接続詞でないものもありますが、接続詞的な働きをすると理解してください)。
- 順接⇒ and, thus, therefore, so
- 追加⇒moreover, in addition
- 逆接⇒but, however
- 具体例⇒ for example, for instance,
- 結論⇒ In conclusion, to sum up,
- 対比⇒ on the other hand, in contrast
これらがざっくり頭に入っていれば、あとは説明するためのコンテンツをぶち込んでいくだけです。日本語だと普通にできるのでしょうが、きちんと書き始める前に展開を決めましょう。
結論は何なのか、そのための根拠・相違点等はいくつあるのか、最後に何を書くか。このイメージがあるだけでもスムーズに対応できるはずです。
あとはアビタスの問題集等で実際に自分で数問トライしてみると、書きたいことが英語で上手く書けないことがでてくると思いますので、そういった言い回しをストックしておきましょう。
いたずらに予備校から提供される型に当てはめて解答しようとするような短絡的な方法をとると、出題者側にそういう対応ができない問題をだされてゲームオーバーとなりますので、本当に注意してください。
本質さえつかんでいれば、変な方法論を取る必要はないのです。正攻法でいきましょう。
③COSOの鬼になる!
説明することはあまりないのですが、COSOERM・COSOICという勉強テーマがあり、試験に本当に大量にでます。
大量に出題される、とアビタスの授業でも言われていたと思うので、認識していましたが、その認識以上に次から次へと問われました。
全く面白くないテーマ(主観)ですが、ここはしっかり勉強しておきましょう。私が受験した2020年3月時点の情報ですが、急には変わらないでしょう。
テキストを読み込むときも、まあ大体わかったな。と流しがちですが、突っ込んで勉強しましょう。
④MCを中心に基本的理解を優先する
出題テーマが多岐にわたるのがBECですので、ざっと広く浅くという勉強になりがちかもしれません。重要なのは、本質を理解したうえで、暗記すべきところは暗記するということです。
ファイナンスや経済学のところの説明はこれまで勉強したことない人にとっては「腹落ちする」というところにはなかなかいきづらいかもしれません。
しかし、ネット上の情報等でも適宜補完しながらテキストの理解を進めましょう。他の参考書で勉強するのは、少しやりすぎだと思いますので、ニュアンスを確認するという意味で調べてみましょう。
⑤短期決着が最強の対策
日本人がよく不合格になりやすいのはAUDと言われています。かつ、REGは出題範囲が広いため時間がかかります。
よって、BECの勉強機関にあまり時間を割きすぎると、後に科目失効の可能性が高まります。FARの受験日から2~3か月以内には受験日を設定しましょう。
私の場合はちょうど2か月後に設定して、82点で合格しました。試験日を速めに設定してしまえば、十分そこに向けての対策で合格できるはずですので、いたずらに先延ばしにしないようにしましょう。
REG、AUDはなかなか強敵ですので、しっかり対策期間を残せるようにしましょう!
BEC合格への必要勉強時間
ここからは、BECの合格に必要な勉強時間について解説していきます。
前提条件となるBEC関連の知識や、WCで要求される英語力などバックグラウンドによって左右されますが、基本的には150時間~200時間が合格の目安です。
私自身は背景知識も一定あったので、150時間も勉強していないと思います。
AUDは日本人が不合格になりやすく、かつREGは分量も多いので、BECは本当に短期決着して残りの科目に対策期間を残すのがお勧めです。
しっかりスケジューリングをして、合格を勝ち取りましょう!
いかがでしたでしょうか。最後にあらためて、当記事で解説したポイントを整理すると以下のとおりです。
BEC攻略のチェックポイント
- BECはWCが勝敗を分ける。拙著『WC完全対策講義』で対策することが重要
- BECは分量も少なく、効率的に短期間で合格を勝ち取ることが大切
- 満遍なく出題されるので、バランスよく勉強する
- 特にCOSOは多く出題されるので集中的に学習する
- WCは正攻法。変に型に当てはめるではなく、結論→根拠→結論で接続詞を意識して書く
上記のポイントをしっかり意識して2か月程度の学習期間で1発合格を狙いましょう!
最後に関連記事の紹介です。FARとAUDの対策については▼以下の記事▼で解説していますので、是非ご覧ください。
>>【USCPA】BEC WC完全対策講義|USCPA(米国公認会計士)最速攻略(note記事)
>>【USCPA】FARを最短勉強時間で取得する方法|米国公認会計士への道
>>【USCPA】AUD合格のための勉強法|正攻法が一番の近道
>>【USCPA対策】REGに最速で一発合格するための必勝勉強法
まだ、予備校選びをこれから行う方は、私の母校アビタスからWebパンフを入手するところから始めましょう。
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