当記事では、上記のテーマで解説していきます。
USCPAにおいて最初の難関であり、かつ最大の難関であるのがFARです。
「どのように対策してよいか不安だ」「分量が多すぎて気が狂いそう」と感じている人も多いのではないでしょうか?
経験した身から言いますと、社会人で大量に勉強する習慣を作る苦労もありますし、先が見えない不安もあり、FAR学習期間中がもっとも苦しかったです。
しかし、1科目受かってしまえば、後には引けなくなりますし、自分に自信も持てるのでその後の学習はスムーズにいく可能性が高いです。
そこで、この記事では不安をかかえる学習者のみなさまに一発合格していただくべく、徹底的に合格への正攻法を解説していきます。
是非、FAR合格をつかみ取ってUSCPA取得まで共に走りきりましょう!
まずは、当記事の筆者である私の紹介をさせてください。
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そして、多くの読者の皆様から、動画版での解説のご依頼をいただいたため、YouTubeでもFAR攻略について解説しています。
内容は重複する箇所もありますが、口頭説明の方がニュアンスが伝わることもあると思いますので、お好きな媒体でご確認ください。
それでは、FARの最強対策法について徹底解説していきます。
目次 [SHOW]
FARの出題範囲・合格率・配点を解説
出題範囲と配点
AICPAが提供しているBlue Print(2021年1月版)を分析するところから始めましょう。
把握すべき点はおおよそ以下の配分にっているという点です。
①公会計5~15%
②公会計以外85~95%
公会計はテキスト一冊分あるわけですが、実際の出題割合はそこまで多くなく、ある程度短期集中での攻略が適しているといえます。
また、問題種別については、以下のとおりとなります。
FARは、MC(マルティプルチョイス)と呼ばれる選択問題が66問と少ないのが特徴です。
1題1題計算が必要な問題も多いので、問題数は比較的少なくなるわけですね。裏を返すとしっかり自分の手を動かせるようにしていないと上手く合格は掴めません。
FAR(米国公認会計士)合格率
続いてFARの合格率も見ていきましょう。全世界ベースにはなりますが、以下が科目別の合格率です。
科目 | 合格率 |
REG | 56.3% |
FAR | 46.3% |
BEC | 59.9% |
AUD | 51.0% |
出典:アビタスウェブサイト
FARは46.3%なので、一番合格率としては低いです。試験範囲も最もボリュームがありますので、なかなか難易度は高いです。
しかしながら、日本人はFARを得意としていると言われており、英語力を必要としないことからしっかり対策をしていれば変に恐れることは無い科目とも言えます。
【USCPA】FARを確実に合格する勉強法|ポイント6選
それでは、ここからはFARに短期間で一発合格するための勉強法を5つに絞ってご紹介していきます。
対策法① 短期集中一発合格
FAR合格の最大のポイントは「短期集中」です。反対される方も多いと思いますが、絶対に短期集中の方が良いです。
FARで大事なポイントは全体像をつかむことです。アビタスのテキスト4冊の全体像をいかに早く仕上げられるかがカギになります。
なぜかというと、少しずつ長期間にわたって勉強すると、その時勉強している論点は頭に入りますが、全体のなかでの位置づけを把握できなかったり、他の論点とごっちゃになったりしがちだからです。
まずは短期間で全体像をつかみ、忘れないうちに、MC問題をこなしながらテキストの論点を復習していくというのがポイントです。
この「忘れないうちに」というのがポイントで、だらだら長期戦に持ち込むと、序盤の論点を忘れてはもどっての繰り返しになり非常に非効率です。
試験のスケジュールもあまり先で設定せず、3か月程度の期間での受験がおすすめです。
期限がない勉強は1日あたりの勉強量を短くし、先に述べたように全体像を掴むのを難しくするからです。
大事なのは、5日ぐらいの連休を無理やり作ったり、正月休みを活かしたりして、短期間のうちにテキスト全体を数回まわし、ガっと理解を深めることです。
私の場合は2019年の10月から本格的に学習をする予定でしたが、仕事でなかなか時間をさけず、結局12月31日~2020年1月6日まで徹底的に勉強して、7日に受験し合格しました。
健全とは言えないかもしれませんが、こういう風に短期間でガツンとやった方がトータルの学習時間は短くて済みます。
もちろん、ご家族がいたり、色々な都合で連休を勉強になんて使えない、という方はその分日ごろからこつこつやればよいと思います。
しかし、人生にもう2度ないぐらい大きな試験になる方が多いと思いますので、多少の犠牲を払ってもよいのではないでしょうか。
不合格になり、だらだら何度も受験する方が家族には迷惑がかかるかもしれません。
対策法②MCはまずは解かない。
まず強調しておきたいのは、アビタステキストの理解を深めることが合格への大命題だということです。
最終的にアビタスのテキストがしっかり理解できていれば、合格点は確実に取れます。満点はとれませんが。
ただ、矛盾するようですが、テキストだけやっていてもテキストが十分理解できるようには作られていません。
言い換えると、MC問題という問題集の選択問題をこなすことで、テキストに書いてあることが「こういうことを言っていたのか」「こういうことを聞かれるからこの箇所を覚えればよいのか」という強弱がわかってくるということです。
また残念なことに、テキストに書いていない論点をMCで聞かれることが非常に多いです。そういうケースは問題で学んだ論点をテキストに記載し、すべての情報をテキストに集約させていくのがお勧めです。
勉強の具体的なフローをいえば
勉強フロー
- テキストを解説動画を見て理解する。
- 間髪いれずに、MC問題を見る!解かない!
- ①②のステップを次のチャプターへと進めていく。
- 忘却曲線という考え方を参考に、短時間でも良いので、過去に勉強したチャプターのテキストをざっと読み返す。
- 全部のチャプターが終わったら、頭からMC問題を解いていく!
ここで重要なのは、②ですので詳細に解説します。問題を見ると解きたくなるのが人間の性ですし、そういう風に我々は習ってきました。
ただ、そういった勉強の仕方がUSCPAの試験の学習において効率的なのかは検討が必要です。
残念ながら、アビタスの教科書を動画とともに学習しただけでは、80%ぐらいの確率でMC問題は不正解だと思います。解こうとしても時間をかけてわからない、そして ✕ のチェックをするの繰り返しになってしまいます。
このプロセスは無駄にストレスがかかります。そもそも、何故解けないかというと、あなたの頭が悪いからではなく、以下の理由だからです。
- MC問題の論点がテキスト・動画にでてこないことが多い。
- 動画やテキストは日本語で学習しているので、論点になる英単語がわからない。
- MC問題ならではの特有の言い回しを知らない。
要するに物理的に解けないのです。その問題を、時間をかけて解こうとしても1ミリも合格に近づきません。
USCPAは大学受験の国語や数学のように思考法を試す試験ではありません。
与えられた範囲の中で「こういう問題を出しますよ」とAICPAが公開しているレベルの問題と解き方を覚えていれば合格点は取れるのです。
何のひっかけも、嫌がらせもありません。自頭力も関係ありません。この事実を認識できないと、非効率で合格に近づかない勉強法になってしまいます。
さて、それを踏まえたうえでの効率的なMC問題を使った勉強の仕方は、以下のフローです。
- ざっと問題文を読み、さっと解説動画を見る。
- 知らなかった英単語・言い回しを問題集でマークしておく。
- 解説動画での解き方を頭のなかで反芻する。
- テキストを改めてざっとみかえす
とにかく、解き方を知らない問題は解けませんし、アビタス問題集で出題されていない類の問題が本試験で出て解けなくても合格点は十分に取れるので、上記のフローで進めていきましょう。
対策法③ TBSはおまけ
TBSの配点は50%あるので、重要であることは間違いありません。しかしながら、TBSの学習時間に半分割く必要があるか、と言われると答えは自信をもってNOです。
私の例をお伝えすると、ほとんどTBSの勉強はできませんでした。やりたかったのですが、時間切れでできなかったのです。
ただし、テキストの理解は何度も何度も繰り返して徹底的に頭に入れました。イメージは自分が講師となってテキストの内容を説明できるレベル感を目指していました。
その結果、本番の意見でTBSはほとんど解き方がわからない問題もありましたが、本当に簡単だ、と思ったTBSも多かったです。
嘘ではなくて「このTBS試験はTOEICみたいだな」と試験中に思ったことを覚えています。
「読んでいくと答え全部そのまま書いてあるじゃん!?」というものをを普通に答えるだけの問題も多かったですね。USCPAというのはそのレベルの試験なのです。
90点で合格しないと納得できない、という人を除いてはMC・テキストを中心に学習し、十分だと思ったタイミングでTBSを2周ぐらいできれば万全です。
対策法④ 必殺技公会計2夜づけ
真似する必要はまったくありませんが、テキストの4冊目公会計は論点が他の3点とは大幅に異なりますので、勉強のタイミングをずらすことが可能です。
私の場合は、1月頭の正月休みの最後の2日で公会計のみ詰め込みました。
付け焼刃な感はありますが、特段試験でも問題は感じませんでした。
むしろだらだらやっても忘れてしまうので、自分にとっては良いやり方だったと思います。
対策法⑤ AICPAリリース問題やその他模試はレベルに応じてやるべき
私はAICPAリリース問題も模試もやっていません。やりたかったのですが、時間切れでできませんでした。ただ、こちらも特段問題はありませんでした。
本番の時間配分ということを考えると、英語力に自信がなければ時間の許すかぎりこういった問題もやっておくべきかもしれません。
英語力に問題がなければ、本番で時間がなくなるというのは考えづらいので、テキスト・MC問題の復習をメインにしつつ余裕があればリリース問題や模試にもチャレンジしましょう。
参考までにですが、AUDなどは必ずAICPAリリース問題を解くべきとおすすめしています。
対策法⑥海外教材(洋書)は本当に余裕がある場合のみ
最後の6点目です。
USCPAの対策について学習者がよく頭を悩ませるのが、洋書教材の必要性ですね。私個人的には不要というスタンスを持っています。
ですので、複数の教材をこなして不完全になるくらいなら各予備校教材をやりこんでいただきたいと思っています。
それでも、時間が余ってしまう、もしくはある程度確実に高得点で合格したいという場合は以下のWileyをやりましょう。
非常にボリュームもありますので、ここまでやりこめば、間違いなく合格できると思います。
英文の解説というのも理解を深める意味では効果的と思います。
FAR合格までの必要勉強時間
最後に、必要な勉強時間について説明します。もちろん、読者の皆様の会計関連の知識や経験、英語力等に総合的に左右されますが、押しなべて言えば300~400時間が目安となります。
これ以上は合格水準を大幅に上回るレベルまで不必要に勉強しすぎの可能性が高いです。効率的に勉強を行っていけば、400時間あればほぼほぼ合格できますので、受験してしまってよいでしょう。
もちろん「絶対に90点以上で合格する」といったような思いがある方は、いくらでも時間を使ってから受験すればよいと思いますが、人生時間は有限ですからサクッと受験して合格してしまうことをお勧めします。
もし400時間程度学習しても「受験できるレベルにいたっていない」と感じるようであれば、長期休暇などを使って短期集中でテキストを高速回転しましょう。
似たような論点が多くごっちゃになりがちですので「毎日1時間ずつ」といったような勉強法ですと、なかなか頭の中が整理できません。
繰り返しますが、短期集中で300~400時間が目安となりますので計画的に勉強していきましょう!
FAR試験当日の戦略とまとめ
少し、高得点をとるための戦略・戦術的な点にも触れておきます。
適切な時間配分
時間配分も人それぞれではありますが、ベーシックなプランでいうと
テストレット①~②:45分×2=90分
テストレット③~⑤:1問18分×8=144分
で6分余る計算となります。
ただし、この時間配分は多少MCが苦しいと思います。
よほど学力がある方でないと、TBS8問について全て論点を理解するのは困難で、一定飛ばさざるを得ない問題が出てくると思います。
そうすると、MCにもう少し時間をかけても全体としては収まるので、状況によってはMCにもう少し時間をかけましょう。
ポイントはいかに自分の実力を出し切れるか、というところなので、自分の得て不得手次第で時間配分は調整するのもありです。
当記事のまとめ
最後に当記事のまとめです。
チェックポイント
- FARは日本人でも合格しやすい科目
- とにかくテキストの理解とMCを中心に学習。そうすればTBSは自然に解けることが大半
- 公会計は短期集中で暗記する
- 学習開始当初は問題を解こうとするより、どういう風に解くのか理解することを優先
- 時間配分はMCで90分残りをTBSのイメージ
いかがでしたでしょうか。
広く一般的に言われる勉強とは異なる方法論であった点も多かったかもしれません。
しかし、みなさんに求められるのは学生のような「お勉強」ではなく、最短ルートで合格点をさらっていく「勉強」なのです。
本当にこのやり方で合格に近づいているか、という点を意識しながら進めていくことが大事です。
椅子に長く座って「勉強した」と自己満足するぐらいなら、長時間睡眠をとって体調を整える方が効率的です。
ぜひ上記の5つのポイントの趣旨を理解し実践し、合格をつかみ取ってください!
最後に、関連記事の紹介です。
以下ではその他の3科目の勉強法について徹底解説していますので、是非合わせてご覧ください。
>>【USCPA】BEC対策徹底解説|米国公認会計士取得への勉強法
>>USCPA最速攻略|BEC WC完全対策講義(note記事)
>>【USCPA】AUD合格のための勉強法|正攻法が一番の近道
>>【USCPA対策】REGに最速で一発合格するための必勝勉強法
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