【独自】組員が出資、大麻栽培容疑 1億円売り上げか 福岡県警など男4人逮捕
福岡県内の建物で大麻を栽培したなどとして、福岡県警と九州厚生局麻薬取締部が、大麻取締法違反(営利目的栽培)などの疑いで、特定抗争指定暴力団山口組系組員の男(39)や無職の男(52)=いずれも福岡市東区=ら4人を逮捕していたことが1日、捜査関係者への取材で分かった。県警は、組員の男が出資して他の3人が栽培し、2015年以降、少なくとも1億円を売り上げたとみている。
捜査関係者によると、4人は昨年、同県大川市の倉庫や福岡市南区の民家で、営利目的で大麻草数十株を栽培し、乾燥大麻数百グラムを所持するなどした疑いが持たれている。組員の男は取り調べに「私は栽培していない」と容疑を一部否認しているという。
組員の男が数年前に無職の男を誘って栽培を開始。栽培場所を借りたり道具を調達したりする資金約1千万円を組員の男が提供し、収穫方法も指南。他の3人は水やりや収穫を担当し、組員の男を「オーナー」と呼んでいたという。
組員の男は昨年11月下旬、無職の男が大麻取締法違反容疑で逮捕された翌日、大川市の倉庫を訪れて証拠隠滅を図ろうとしていたところ、家宅捜索に訪れた県警の捜査員に逮捕されたという。
県警などは栽培の経費や大麻の売却金額を記したメモを押収し、売り上げが約6年間で約1億円に上ることを確認。栽培担当の3人のうち2人は毎月25万~30万円を受け取っていたという。関係先から、鉢植えの大麻草約70株や刈り取った大麻草約40キロ、乾燥大麻約800グラム(末端価格約500万円相当)も押収した。
県警は売り上げの一部が暴力団の資金源になっていた可能性もあるとみて調べる。(小川勝也)