「わんこ」とは木地椀をさす方言です。わんこそばの由来は定かではありませんが、花巻説と盛岡説とあるようです。
花巻説では、370年ほど前に南部氏27代利直公が江戸に上られる途中、花巻に宿を求め、そのとき土地の人々が郷土名産のそばを平椀に盛って差し上げたところ大変喜ばれ、何度もお代わりをされたという説。
盛岡説は、平民宰相として知られる原敬が盛岡に帰省してそばを食べた際に、大のそば好きであったことから、「そばは椀コに限る。」と言われたことから広まったのではないかという説。
もともと盛岡や花巻などの地域では客人をもてなすのに、そばを振舞う風習がありました。一度に大勢の客にゆでたてを振舞うには、少量ずつお椀に盛って出すしかありません。その作法が、わんこそばのルーツではないかといわれています。
食べ終わるやいなやお代わりを無理強いするのは、「おてばち」と呼ばれる、客人に対するもてなしの礼儀からなのです。