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木村カエラが「お風呂の湯を冷ましてから流す」理由は? SHELLYとSDGsを考える

木村カエラが「お風呂の湯を冷ましてから流す」理由は? SHELLYとSDGsを考える

木村カエラが、SHELLYと対談。サステナブルな未来のために出来ることを語り合った。

木村が登場したのは、毎月第4日曜日にSHELLYがお届けする『J-WAVE SELECTION ITOCHU DEAR LIFE, DEAR FUTURE』。ここでは2月27日(日)のオンエアをテキストで紹介する。

同番組は、SDGsに関する活動を後押しする情報発信・体験の場である、青山のITOCHU SDGs STUDIOから発信。オンエアだけでなく、デジタル音声コンテンツとして提供・配信するサービス「SPINEAR」でも配信。SpotifyやApple Podcastsでも楽しめる。エピソードは月曜日に、3回にわけて更新。

子育てで気づいた「やっぱり自分は自分」

現在、木村は11歳と8歳、SHELLYは6歳と4歳の子どもを育てながら暮らしている。ふたりは子育て中に変化した意識の話題になった。

SHELLY:「自分らしく生きる」ってことが、子どもが生まれてすごく変わったと思っていて。たぶん自分の中でも変わったこともあるけど、なんとなく人の目を気にして「こういうふうにしておいたほうがいいかな」みたいになって。

木村:わかる! それはあるよ。でも途中からそれはやめた。

SHELLY:いつくらい?

木村:子どもが4歳とか6歳くらいのときだと思う。なんか窮屈だなって感じるようになって、「もういいや!」と思って、その瞬間にすごい緑色の髪の毛にしたの。それでなんだか吹っ切れて、もうどうでもいいやって感じになって(笑)。

SHELLY:へえ!

木村:普段はメイクもしないし緑色の髪だから怖いんだけど(笑)、やっぱり自分は自分なんだなっていう。それってきっと間違ってなくて、今だから思うけれど、子どもが生まれたときって自分が育てていかないと生きていけないじゃない。命を預かっている状態だから自分に余裕がないんだけど、だんだん大きくなってきたら取り戻し始めると言うか、私は今もなお取り戻し続けている感覚。そのときはキツいけど、「あっ、それも私だ」みたいな感じで思ったりしたよ。

SHELLY:へぇ~、なるほどね。

木村:だから今は楽になったかもしれない。そのときはSHELLYが言ったようにまわりの目も気になるし、ちゃんとしてなきゃいけないのかなって。でもちゃんとしてない人間じゃないけど、みんながちゃんとしているように見える。

SHELLY:わかる! いわゆる「ちゃんとした人ってこう」みたいなのを演じたり合わせたりしなきゃけないのかなって。

木村:そう。「これは間違っているのかな」とか。「正しいって何だろう」とかすごく感じるけど、それがすごく楽になる日が私はあった。

SHELLY:今は普段からすごく自分らしく生活ができてるってこと?

木村:そうそう。

お風呂のお湯を冷ましてから流す理由は?

SDGsには17の目標がある。木村はその中でも12番目の目標「つくる責任、つかう責任」に関心があると言う。

木村:すごく大きな取り組みができているかというと、生活の中ではきっとちょっとしかそういうことってできてないと思うんだけど、ごみ捨てのときにリサイクルできるものは意識してちゃんと分別してる。リサイクルマークがあるかないかは必ずチェックして、簡単に捨てないようにはしてますね。

SHELLY:買うときに意識するところってある?

木村:最近スーパーとかで、トレーが付いてなくてビニールに包まれているお肉があって、そのほうがなぜかお得だったりするの。
SHELLY:わかる。トレー気になるよね。
木村:これ、あんまり(環境に)よくないんだろうなっていつも思う。
SHELLY:フルーツとか野菜がトレーに入ってることない? 「そのトレーがいらないな」って思うから、なるべくそういうのは避けたりしてる。
木村:私も過剰包装やトレーがないスーパーに行ってお肉を買ったりして、気にしてるかな。
SHELLY:買う時点でゴミが少なくなるように、捨てることを考えながら買ってるのね。

また木村はSDGs の14番目の目標「海の豊かさを守ろう」にも関心を寄せる。

木村:海とはちょっと違うんだけど、お風呂のお水は冷めてから捨てるようにしていて。お湯をそのまま捨てると、冬ってそのお水を工場できれいにされてもちょっと温かいまま川に流れちゃうんだって。

SHELLY:へえ。

木村:温かい水のまま流れていくと、温かい水で生きやすい生物はそこでどんどん繁殖してしまうけど、温かい水が苦手な冬の生きものはダメになっちゃう。だから生態系が崩れていっちゃうんだって。

SHELLY:そんなこと考えたことなかった。

木村:グッピーとかが川にたくさんいるみたいよ。

SHELLY:そうか! 熱帯魚が育っちゃうんだ。

木村:下水で温かい水が流れるところにずっといるんだって。

SHELLY:じゃあ、カエラ家ではみんながお風呂に入ってもお湯は抜かずにそのまま放って、時間がたって冷めたら流すと。

木村:そう。

SHELLY:私はお風呂につかって温まったらそのまま水を抜いちゃうの。水が減ってきたらシャワーを流して掃除をして……って。

木村:それがいちばん楽だから私もやってた。

SHELLY:でも、温度のことを考えたら……もうやらない。それを意識して続けることで「ちゃんといいことしてるな」って翌日お風呂を洗いながら感じることもできるからね。

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大事なのは自分のダメな部分も受け入れること

番組では心が豊かになる、自己肯定感が上がる取り組みをハッシュタグ「#selfrespect」で募集している。ここでは木村に自己肯定感が上がるアクションについて尋ねると、「セルフリスペクトは自分の弱さも強さも受け入れてこそできること」と答えた。

木村:今年2月に開催した有観客ライブ「KAELAB」は音楽の実験で心を豊かにしようってことで取り組んでたツアーでもあって。やっぱりコロナの状況ですごく我慢したり不安の中で生きてるから本当の感情と向き合う時間がないじゃないですか。だから感性をあえて鈍くしちゃう。

SHELLY:ああ、なるほどね。

木村:「つらいな」とか「嫌だな」とか「つまらないな」とか「楽しみたいのにな」とか、そういう感情を抑えてるじゃない。

SHELLY:そうかも。

木村:でもそれってあえて感性を鈍くしている自分じゃないと生活できないからこそなんだけど、だからそれを取り戻そうよっていう取り組みのライブだったの。

SHELLY:へえ!

木村:だから楽しいときは楽しい、美しいものは美しい、悲しいときは悲しい、音楽を聴いて感性を高めて刺激することによってその感情を呼び戻そうぜって。それで自分自身を受け入れていこう、どんな感情もきれいなんだよって。そういうことが音楽で伝えられたらいいなと思ってたんですけど。でも私自身が「輝いていたい」って常に思っているからそのためにはダメなところもいいところも認めることが大事なのかなって思ったりしますね。

木村は「自分のダメなところを受け入れられれば、人のことも受け入れられて、人を愛してあげることができる。そうするとより楽しくなっていく」と続ける。

木村:そうすれば人は平等になっていくから、全部がつながってくると思う。自分が変わらないとおそらく何ひとつ変わっていかないって考え方なんだよね。コロナで余計にだと思うんだけど、ニュースとか情報ばかりが前に出ていて、何がうそかわからない情報の中で自分が判断しなきゃいけないじゃない。しかもインスグラムとかではみんなカッコつけたり、きれいな場面ばっかり載せるよね。

SHELLY:そうね。

木村:だからうまく生活が回っていない今、それを嫌な気持ちで見る人もいるだろうし、でも「なんでそれを嫌な気持ちで見たのかな」って私だったら考えるようにしてるの。それで人を否定するのではなくて。例えばSHELLYがめっちゃおいしそうなお肉を食べてる投稿を見て、「なんでSHELLYがおいしいお肉食べてるの。ズルい」って私が思うとしたら「なんでズルいって思ったんだろう」って。そうやって私は人に対してのネガティブな気持ちの理由を考えるようにする。

SHELLY:自分の中に戻すんだ。

木村:そうしたら「私もやりたいんだ」って。単純なんだよね。「うらやましいんじゃん」みたいな。

SHELLY:私も根本はそういう考え。自分を愛すことで人を愛せる。自分のダメなところも受け入れて人も受け入れられる。でも、それはできない(笑)。自分の嫌なところは嫌だし、そうすると人のことを批判しちゃったりとかする。だからそこを受け入れられる余裕がすごいなって。うらやましい気持ちも受け入れるってことでしょ?

木村:そうそう。

「すごくスタイルいいな」「すごくかわいいな」などの感情が生まれると「なんかズルい」と感じるけれど、それは単にうらやましいだけであり自分がそうなればいい、と木村は話す。

木村:私の場合は、頑張りが足りないから。もっと頑張ればそこに届くんじゃないかとか、そういう風に変換していきたいのよね。でもいつも頑張ってるんだけどね。

SHELLY:その考え方が本当にすばらしいと思う。

木村:生き生きしている人って生き生きしてるじゃない。

SHELLY:わかる! スッピンでもめっちゃきれいっていう人ってだいたい、心から笑っている人とかね。

木村:そういう人に憧れを抱くから、そういう人を見てうらやましいと思ったら、そういう人になれるように頑張るみたいな。

SHELLY:なるほどね! シンプルなコンセプトなのにそれをちゃんと守ってるのが本当にすごい。

木村:必死よ(笑)。

子どもたちが生きやすい社会に

SDGsは2030年までに達成する17の目標を掲げている。それにちなみ、SHELLYは「2030年までにどんな社会になっていてほしいか?」と木村に訊いた。

木村:やっぱり今の子どもたちが生きやすい社会とか環境になればいいと思う。このまま地球の環境が悪くなっていったら、きっと生きていけないでしょ。それをもう少し変えていきたいと思う。2030年までには時間がないけど、一人ひとりは変われば変わるから、まず環境を変えたいと思います。あとは、平等になりたい。ジェンダーレスもどんどん認められるべきだと思うから。日本人はあんまりかもしれないけど、肌の色とかでもすごく世界的には問題があったりするから、そういうところも含めてみんなが生きやすい社会になったらいちばんいいなと思います。

木村カエラの最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。

SHELLYがナビゲートするプログラム『ITOCHU DEAR LIFE, DEAR FUTURE』の放送は毎月第4日曜日の22時から。
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オンエアをお届けした、青山のITOCHU SDGs STUDIO

番組情報
J-WAVE SELECTION ITOCHU DEAR LIFE, DEAR FUTURE
毎週第4日曜
22:00-22:54