【チェンソーマン81話】マキマはルシファーの娘 〜地獄の鍵持つ女神〜

 

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マキマ宅にある絵

  ハローやあガイズみんな

 この記事は、『チェンソーマン』81話の判断材料提供。ネタバレ注意。

 深い考察ではなく、判断材料を提示する記事。

 

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La chute de Lucifer

 

  81話で出てきた『失楽園Paradise Lost)』のルシファー絵。

 

 

Likest to thee in shape and count'nance bright,
Then shining Heav'nly fair, a Goddess arm'd
Out of thy head I sprung;

あなた(ルシファー)の頭から、輝く姿もあなたによく似た、

しかも神々しいほど美しい、武具を身にまとった女神

飛び出しました。それがこのわたしだったのです。━━『失楽園』Ⅱ巻756〜758 ※

 

 

 『失楽園』Ⅱ巻ではルシファーの頭から生まれたルシファーの娘「罪(Sin)」が登場する。ギリシャ神話では、女神アテナが武装を身にまとった状態でゼウスの頭から飛び出した。『失楽園』ではアテナのポジションがルシファーの娘「」になり、「」はルシファーと契りセックスし死(Death)」を産み、息子「」に強姦レイプされたとある。また「」は

 

 

The key of this infernal Pit by due,
And by command of Heav'ns all-powerful King
I keep,

天の全能なる王の命令によって、

わたしはここに地獄の鍵を持っています。━━『失楽園』Ⅱ巻850〜852

 

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The Angel with the Key to Bottomless Pit(底痴れぬ穴の鍵と共にある天使)

 

 とある。『チェンソーマン』のタイトル、「チェンソー」と並べれば現代用語だが「チェーン(鎖)」「ソー(ノコギリ)」に分割すれば、どちらも聖書用語となる。黙示録では「大いなるチェーン」がルシファーを千年縛る丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶、その鍵を持つ天使がいるとある。聖書の「ソー(ノコギリ)」は「鍵を開ける」と結びつく。ルシファーを縛るチェーン、81話にも出てきた「開けちゃダメな扉」を開けるソー、『失楽園』のルシファーの絵と地獄の鍵【悪魔に最も恐れられる悪魔が現れるだろう(73話)】を一本につなげれば、

 

 

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未来の悪魔の予言

 

 ルシファー復活

 

 が妥当な線ではないだろうか。“現れる”なので今は地上にいない悪魔らしい。タイトルは「マキマはルシファーの娘」としたが、マキマが一部そういう要素を持つかも程度の話だ。「お父様の復活を願うマキマ」で割り切れればいいが、マキマ本人をきっちり一つに特定するのは難しい。マキマという名、支配の悪魔、闇の悪魔によく似た能力、犬好き、映画に人生を変えられたことがある(39話)タツキ作品は、無駄な文字を使わない。“生き方”でなく“人生”なのは、マキマが人、少なくとも人の要素を持つことの示唆だろう。マキマを一人の誰かに特定できないのは、マキマが複数の要素を持つからか…。

 

 ともあれ、この記事は判断材料の提供なのでこの辺で。

 読んでくれた人にサンクス!

 またね👋

 

 

 

失楽園』引用元 平井正穂訳

※引用元は「顔」→原文は「head」。この記事では「頭」に変更。

 

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【チェンソーマン81話】マキマはルシファーの娘 〜地獄の鍵持つ女神〜

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