東部ヨーロッパに位置するウクライナでは、2022年2月から続く緊張状態、および8年にも及ぶ東部の紛争によって、750万人の子どもたちの命と生活が差し迫った脅威にさらされています。危機の中でも、ユニセフはウクライナ国内に留まり、子どもたちと家族のための支援活動を継続するとともに、周辺国に避難しているウクライナ難民支援も強化しています。
ウクライナの子どもたちの命を守るためのご寄付にご協力ください。
ユニセフは、ウクライナ国内の支援活動を拡充し、近隣諸国での難民支援を展開するため、ウクライナ国内の活動に2億7,600万米ドル(約300億円)、周辺国での難民支援に7,300万米ドル(約80億円)の資金支援を国際社会へ求めています(2022年3月現在:1米ドル109円で計算)。これを受け、日本ユニセフ協会では2月25日より「ウクライナ緊急募金」の受付を開始致しました。
危機下にあるウクライナの人々
ウクライナ全域で何十万人もの人々が、紛争による水道インフラの損傷によって安全な水を利用できていません。また、電気・暖房設備などのインフラや学校等が被害を受け、子どもたちの命と安全な生活が脅かされています。心理社会的ケア等の保護サービス、予防接種や緊急医療を含む質の高い医療サービス等に、家族がアクセスできない状況です。
2月24日以降、150万人以上の子どもが国外への避難を余儀なくされています。これは、ウクライナにおける紛争が激化してから、毎日7万5,000人以上の子どもが難民になっているという計算になります。1分あたり、55人の子ども-ほぼ毎秒に1人-が難民になっているのです。また、避難した子どもの中には、おとなの同伴者がいない、あるいは親や家族と離れ離れになった子どももたくさんいます。親による保護のない子どもたちはより一層、暴力、虐待、搾取の危険にさらされます。
国境では、ウクライナの戦禍を逃れてルーマニアに入国しようと人々が殺到しています。(ウクライナ、2022年2月26日撮影)
ユニセフの支援~子どもたちと家族を守る
- 2022年3月15日-
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祖母と一緒に15キロの道のりを歩いてウクライナ南部のオデッサからポーランド国境のメディカにたどり着いた子ども。(2022年3月5日撮影)
皆さまからの迅速かつ大きなご支援を受けて、ウクライナの子どもを守るための支援として、日本ユニセフ協会は3月15日、500万米ドル(約5億8,400万円)を追加で拠出させていただきました。皆様のお力添えに感謝申し上げます。 また、ユニセフは、ウクライナの現地にチームを派遣し、必要な支援物資を送り続けています。3月12日までに、トラック22台に168トンの追加の支援物資がウクライナに到着しました。この物資には、助産キット、外科キット、産科キット、酸素濃縮器、保冷ボックス、毛布、冬服、水、衛生キット、尊厳キット、幼児教育キット、思春期キットなどが含まれています。
また、移動式子ども保護チームは、ウクライナ全域の子どもたちの保護と心理社会的サービスを拡大するため、9チームから47チームへと人員を増やしています。 さらに、150万人の難民の子どもたちにも、子どもやその家族に重要な支援と保護サービスを提供するために、「ブルー・ドット」という支援拠点を次々と設置しています。
祖母と一緒に15キロの道のりを歩いてウクライナ南部のオデッサからポーランド国境のメディカにたどり着いた子ども。(2022年3月5日撮影)
- 2022年3月8日-
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3月5日、ユニセフの人道支援物資が、ウクライナ西部のリヴィウに到着しました。
合計で62トンにもなるこれらの物資には、子どもたちやその家族にとって重要な保健ニーズに対応する保健員を新型コロナウイルス感染症から守るための個人用防護具、医薬品、救急キット、助産キット、手術器具などの切実に必要とされている医療物資のほか、幼稚園キット、レクリエーションキットなどが含まれています。
また、近隣諸国へ避難する子どもたちやその家族の緊急のニーズへ対応する支援も拡大しています。こうした取り組みには、避難ルート上に彼らに重要なサービスを提供するための、子どもにやさしい空間を設置することも含まれます。また、毛布17,000枚や子ども用の暖かい冬服などの追加物資も、トルコのメルシンにあるユニセフ物資倉庫からポーランド経由で輸送中です。
- 2022年3月3日-
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日に日に緊張が高まるウクライナ情勢ですが、皆さまからのご支援を受けて、日本ユニセフ協会は3月3日、200万米ドル(約2億3,000万円)をウクライナの子どもを守るための支援として、先行拠出させていただきました。多くの方にご支援を表明いただき、感謝申し上げます。
緊迫した情勢が続くウクライナ。ユニセフは1997年から現地で支援活動を行っており、現在も140人のスタッフが現地で活動を展開しています。新型コロナウイルスの感染状況を注視しつつ、ユニセフは以下の分野で支援活動を展開しています。ユニセフは引き続き、最も脆弱な立場にある子どもたちと家族に支援を届けてまいります。
- 保健
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- 東部、中部、西部の9つの自治体において、国内避難民の緊急人道支援ニーズに対応するための重要な保健・医療物資を備蓄することで、地方当局の緊急事態への備えと対応を支援しています。
- クラマトルスク、ノボロディブカ、マリウポリ、マリンカ、バフムトでは移動式保健チームを通じて、コミュニティにおけるプライマリ・ヘルスケア、緊急のトラウマケア、必要不可欠な保健サービスを提供するなど、中長期的な体制構築を視野に、地域の保健施設の能力強化を続けています。
- 水と衛生
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- 地方当局の要請を受け、給水車で水を提供したり、地元のメーカーから現物給付支援として受け取った5リットルボトル入りの飲料水3,840本を配布したりしています。
- 子どもの保護
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- 10の移動式チームが、ウクライナ政府管理下にある地域で暮らす子どもと養育者に心理社会的ケアを提供するとともに、最も厳しい状況に置かれた子どものいる家族に対するケースマネジメントの支援を行っています。
- ウクライナ政府管理下にある地域では、子どもの保護ホットラインが設置され、施設からの子どもの避難も計画されています。さらに、避難している子どもやその家族に重要な支援を提供するため、子どもにやさしい空間を設置する可能性を探っています。
- 教育
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- 内務省、国家緊急事態サービス、自治体、その他のパートナーと協力し、教師、ボランティア、教育施設の管理スタッフを対象に、ライフスキル教育、心理サポート、紛争解決や非暴力コミュニケーション、心理社会的支援などに関する一連の訓練を実施する予定です。
- また緊急事態への備えに関する手順の策定と、学校関係者の訓練を支援しています。
- 社会的保護
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- 厳しい状況にある家庭3,000世帯への追加の現金給付支援を計画しています。現金給付支援の実現可能性に対する調査が開始されており、ユニセフは関連する技術支援を行う予定です。
- 国の社会保護システムの準備状況に対する調査を支援し、 必要に応じて多目的な現金給付支援に備えるため、 準備を進めています。
- ユニセフ・ウクライナ事務所は現在、3,000世帯を支援するのに十分な医療、衛生、緊急教育物資をキエフとクラマトルスクの倉庫に備蓄しています。子ども用の冬服、保健物資、レクリエーション・キット、幼稚園キット、水と衛生用品を含む最初の支援物資は、2月28日から3月3日の間にキエフに届き、2万人以上に提供される予定です。
あなたのご支援が子どもたちの命を守ります。
ウクライナ緊急募金へのご支援をよろしくお願いいたします。
ユニセフは、ウクライナの子どもたちが命を守られ、学ぶ権利や遊ぶ権利が奪われないよう、そして尊厳のある生活が過ごせるよう、また、新型コロナウイルス禍でも必要な支援を継続して享受できるよう、活動を展開しています。こうしたユニセフの活動の中で、皆さまから寄せられる募金は、たとえば、次のようなものにも使われています。
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1錠で4〜5リットルの水を浄化できる浄水剤9,493錠分に変わります
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軽いけがや病気などに対応するための、包帯、テープ、手袋、はさみ、毛布、眼軟膏剤、消毒剤などが入っている緊急医薬品キット1キット分に変わります
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生徒40人分と先生一人分の基本的な学用品(鉛筆、ノート、消しゴム、定規、色鉛筆1箱、黒板、チョークなど)が入っているスクール・イン・ア・バッグ1セットに変わります
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子どもを寒さから守る、大きめの毛布57枚分に変わります
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スポーツや遊びを通じて、傷ついた心を回復させるレクリエーションキット4キット(360人分)に変わります
※ご寄付の金額は任意です
※2022年1月現在 1米ドル=109円で計算
※輸送や配布のための費用は含みません。
ウクライナ緊急募金
全国の郵便局窓口からもご送金いただけます。
郵便局(ゆうちょ銀行)募金口座
振替口座:00190-5-31000
口座名義:公益財団法人 日本ユニセフ協会
*通信欄に「ウクライナ」と明記願います。
*窓口での振り込みの場合は、送金手数料(現金でのお支払い時の加算料金ならびに硬貨取扱料金含む)が免除されます
*口座からご送金の場合は、インターネットバンキングをご利用ください。
公益財団法人 日本ユニセフ協会への寄付金には、特定公益増進法人への寄付として、所得税・相続税・法人税の税制上の優遇措置があります。
また一部の自治体では、個人住民税の寄付金控除の対象となります。