セイバー参戦を割とまじめに考えてみる 改定版

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 スマブラの参戦候補によく名前が挙がるセイバーだが、真面目な考察をあまり見ないので俺が考えてみる。

  ファイターパスも残り一体となった所で、突然告知された新ファイター制作決定の一報。リュウ・ハヤブサ博麗霊夢など様々なキャラクターに注目が集まっているが、セイバーもその一人だ。

しかしセイバーの名前を挙げる人はいるものの、誰も真剣に参戦に関しての考察をしようとしない。地味……というわけでは無いだろうが後述の懸念事項も相まってやや面倒なのかもしれない。

せっかくの追加制作が決定した今の時期だからこそ、予想しがいのありそうなキャラクターなので俺が真剣に考えてみる。

 

 セイバーとはどんなキャラクターか

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 登場作品

 セイバー(真名:アルトリア・ペンドラゴン)は2004年に発売されたPCゲーム「Fate/stay night」に登場するキャラクター。主人公衛宮士郎の相棒でありヒロインの一人でもある。

 真名を隠す為に作中ではセイバーと呼ばれており、その名の通り戦闘では主に剣術を使う。

武器である剣には宝具「風王結界」が纏っており、刀身が見えず真名を隠す為に一役買っている。そして風王結界が外れた剣の名前は「約束された勝利の剣」と言う宝具で、高威力の斬撃……と言うよりはビームを放つことが可能。しかしその威力に見合うだけのコストも必要で、魔力不足に悩まされる場面もあった。故に本編では最後の切り札として使用されている。

  その後の展開でもstay night以外に何度か登場しており、Fateシリーズの顔のような役割を担っている。もしFateシリーズからの参戦があればほぼ間違いなく彼女だろう。

 

  しかし彼女がスマブラの世界に参戦するにはいくつかの問題がある。

まずは一つ目

 アダルトゲーム出身のキャラクターである

 セイバーが参戦候補に挙がる度に真っ先にこう思う方も多いんじゃないだろうか。

Fate/stay nightはPCゲームで発売されたと説明したが、実はこのタイトル何を隠そう18禁のエロゲーなのだ。2007年にPS2で全年齢版であるFate/stay night[Réalta Nua]が発売、2012年にはVitaにも移植されたが、中には気になる人もいるだろう。

 スマブラのレーディングはA(全年齢対象)で、参戦タイトルの中で一番レーディングが高いのがベヨネッタのD(17歳以上対象)

よって成人向けゲームのキャラクターであるセイバーの参戦というのは、他に類を見ない例である事は間違いない。

 しかしセイバー自体のデザインは露出が少なく特別際どい所もない。使用する武器もファンタジー寄りで特にレーディングに引っ掛かる要素は無い。戦闘だけの出演で出自さえ気にしなければ特に問題ないのではないかと思う。全年齢向けのコンシューマー移植もあるし……いやこのコンシューマーのハードにも問題はある。

 

懸念点はこれだけではない。二つ目

 本編であるFate/stay night任天堂ハードで出ていない

 先ほど申し上げた通り、コンシューマーに移植されているのはPS2版とPSVita版のみ。Fateシリーズで任天堂ハードで出たゲームはFate/EXTELLAとその続編のFate/EXTELLA LINKのみ。

海外に至ってはstay nightは出ておらずEXTELLAの二作品とPSPのEXTRAだけ。なお海外でEXTRA-CCCは出ていない。

他には3DSでプリズマ☆イリヤが、Switchで毎日♪衛宮さんちの今日のご飯が出ているが、どちらもアニメとのタイアップなので出典作品としては微妙。

 一応セイバー(アルトリア)はEXTELLAにもゲスト出演しているが、あくまで主役ではないので参戦タイトルとしては少し弱い。ここはstay nightが欲しい所。

 

とはいえ参戦発表当時は本編が出ておらず、任天堂ハードでの発売は外伝作品のみだったクラウドやジョーカーの例もあるので、可能性は0%というわけでもなさそうだが。

 

懸念点、三つ目

 既存のキャラクターとの区別化が難しい

 セイバーはその名の通り剣を扱った戦闘がメインだが、逆に言えば剣しか使わない。

ゆえにオーソドックスな剣士キャラを目指すと、どうしてもマルスをはじめとするファイアーエムブレム系のキャラと個性が被ってしまう。現状マルスのモデル替えキャラが4体ほどいるのも厳しい。

 全員参戦であるスマブラSPでは剣士キャラは10体以上存在する。勇者は魔法、ベレトは多種多様な武器による区別化が出来たが、魔法も使わず剣一本のセイバーは他のキャラとの差別化が難しい。

これはセイバーがセイバーであるがゆえの問題で、もしこれがアーチャーやランサーならそこまで悩む必要性は無かっただろう。

 しかし剣士被りというのが決して悪いことだらけではなく、ある程度ならモーションの流用が可能という利点も存在する。現に勇者の技の一部は他の剣士キャラから取られている。

また代わり映えしない技を逆手にとってMiiファイターとしての参戦も考えられるのではないか。

 

これまで三つほど大まかな懸念点を上げてきたが、どれもクリアするのは難しそうである。次の二つは上記の物ほど重くはないが一応挙げておく

 懸念点四つ目

  歴史上の人物である

 前述の通りセイバーの真名はアルトリア・ペンドラゴン。かのアーサー王その人だ。

大乱闘スマッシュブラザーズでは実在する人間は参戦出来ないと言うルールが存在する。川島教授など例外もあるが、ゲーム以外の実在した人間がファイターとして参戦した前例はほぼ無い。

しかしこの問題はアルトリア・ペンドラゴンはアーサー王を元にしたゲームの「キャラクター」と言い張ればうまく避けられる。そもそもアーサー王が女な訳ないだろうし。

  

 これが最後五つ目

 あくまでヒロインであって主人公ではない

 Fate/stay nightの主人公は衛宮士郎でセイバーはヒロインの一人だ。主人公こそ違うが他作品のEXTELLAやGrand Orderにおいても同様で、彼女自身が主人公となった経験は無い。言うなればポケモンにおけるピカチュウのような立ち位置に近い。

 大乱闘スマッシュブラザーズでは基本的に作品の代表である主人公が参戦する。ヒロインや敵キャラクターは2番目以降が多い。そうなると本来参戦すべきは主人公である衛宮士郎ではないだろうか。

 しかしこれらに対する反論も勿論ある。先ほど挙げたピカチュウの例を使うと、ピカチュウも一作目のスマブラ64時代から主人公であるポケモントレーナーを差し置いて参戦していた。そのポケモントレーナースマブラXから無事参戦となったが。

近年ではホムラ/ヒカリの参戦が記憶に新しい。なぜかは分からないが彼女らも主人公であるレックスを差し置いて参戦した。レックスが少し可哀想だが……

 また衛宮士郎は大乱闘には不向きなのも一因だ。元々士郎は聖杯戦争に巻き込まれる形で戦う事になったが、彼は人道的な戦闘が多く、あくまで誰かや自身を守るため、あるいは聖杯を悪しき手から離すための戦いがほとんど。好戦的な性格ではない。

スマブラスポーツマンシップに則ったフィギュアでの世界という前提もあるが、士郎自身が出向くにはいささか荷が重いようにも感じるだろう。

 

しかし懸念点ばかり挙げても記事的に面白くないので利点も上げていこう。

 

 国内外での知名度の高さ

 日本ではピカチュウやマリオに及ばないものの高い知名度を誇っている。セイバークラスのサーヴァントは今となっては数多くいるものの、セイバーと言えば彼女と言う人も多いのでは。(最近は仮面ライダーもあるが……)

 海外でもまあまあな知名度だが、先述した通りFateシリーズの海外展開が少ない事からかどちらかと言うとゲームよりアニメの影響によるものが多い。

しかし知名度の高さなら上位だが、依然として参戦要望はキングダムハーツのソラやデビルメイクライのダンテなどに比べると低い。

時折セイバー参戦を望む声もあるが、半分ネタかあるいは願望のような物でどこまで本気かは定かではない。

 

 ノベルゲーム出身という独自性

 スマブラはこれまでアクション、RPGのみならずSRPG、シューティング、格闘ゲームなど様々なゲームジャンルのキャラクターを取り入れてきたが、ノベルゲーム出身のキャラクターは未だに居ない。

またビジュアルノベルの名作(かまいたちの夜や428など)は多かれど、どれも対戦アクションには向いていない事を考えると、ノベルゲーム代表のキャラクターとして参戦はありえるのではないだろうか。まあ身も蓋も無いことを言えばエロゲなのだが。

 

  最後にもし仮に参戦したとしての技構成だけでも考えておこう。

ビジュアルノベルであるstay nightからの技のモーションは少なそうなので、技はunlimited codesかEXTELLAから取られそう。殆どの攻撃を剣で行うが既存の剣士キャラ(特にFE系)との差別化のため、風王結界状態と聖剣解放状態の二つのモードを切り替えられるようにした。ジョーカーのように特定のゲージが満タンになると強化される仕組みだ。

  風王結界状態:剣が風に覆われておりダメージ量ふっとばし力共にこころともないが、刀身が見えずリーチが図りづらい。魔力ゲージが満タンになった状態で通常必殺技を使うと聖剣解放状態に移行する。

  • 上必殺:ウイングエア シュルクエアスラッシュに少し似ているかも
  • 横必殺:ファーストエア→セカンドエア→サードエア 追加入力で派生。マーベラスコンビネーションに近い
  • 下必殺:エルフィンダンス 後退しつつ反撃。カウンターと言うよりは移動をかねた攻撃に近い
  • 通常必殺:風王鉄槌 剣を突き出し横に竜巻を起こす。for時代のマルスのカスタマイズ技のストームスラストに似ている。使用後は聖剣解放状態に移行

 聖剣解放状態:風王結界を外し聖剣を露わにした状態。攻撃や必殺技の威力が上がっているほか一部必殺技が変更している。一定時間後で風王結界状態に戻る

  • 下必殺:全て遠き理想郷 攻撃を無効化しつつ反撃。カウンター技
  • 通常必殺:星光 前方に縦の竜巻を起こす。剣術Miiファイターのトルネードショットに近い
  • 最後の切りふだ:約束された勝利の剣 強烈な斬撃を放つ。斬撃と言うよりは時間を短くしたかわりに範囲が広くなったサムスのゼロレーザーっぽい。
 登場演出:候補1魔法陣から召喚される
     :候補2令呪を突き破って登場
カラーバリエーション
赤:EXTRAのネロをイメージした配色
白:unlimited codesのセイバーリリィをイメージした配色
黒紫:セイバーオルタ。風王結界やエクスカリバーの色も紫になる
謎のヒロイン服:EXTELLAのDLC
 
 まともに参戦するとすればこんな感じか。他の剣士キャラとの差別化のために水鉄砲を持たせたりバイクに跨らせたりするのも考えたが、やはりセイバーは剣で戦ってほしい。
 せっかくここまで書いたが参戦確率は極めて低い。先述にように少ない個性を逆手にとってMiiファイターコスチュームとしての参戦が無難ではないだろうか。それっぽい技もあるし。

*1:Fate/zero名義