被害当事者が嫌だというのに、「性奴隷」表現に問題ないという正義連
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.05.27 07:20
韓国慰安婦被害者の李容洙(イ・ヨンス)さんは25日の記者会見で「私がなぜ性奴隷ですか。その汚い『性奴隷』という言葉をなぜ使うのかと聞くと、米国が聞く耳を持つように、米国の人々が怖がるように(言うのだと)。話にならない」と声を高めた。与党「共に民主党」当選人の尹美香(ユン・ミヒャン)氏と日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連帯)が慰安婦被害者を性奴隷と呼んでいるのが嫌だという訴えだった。
正義連はこれについて「性奴隷は慰安婦被害実状を最もよく表現する概念」と明らかにした。「1996年国連人権委員会に提出されたクマラスワミ報告書で『戦時下の軍隊性奴隷制』と明確に規定されている」としながらだ。
正義連が言及した報告書は、女性に対する性暴力問題分野で活動したラディカ・クマラスワミ国連特別報告官が作成し、「慰安婦の慣行は性奴隷制の明白な事例」と指摘したのは事実だ。これは強制動員の事実さえ否定する日本の論理に反論する強力な根拠になった。
だが、性奴隷の概念を日本の歴史わい曲を阻止するための人権運動で使うことと「汚くて嫌だ」という李さんの主張に公開反論するのは別の問題だ。いくら確立された表現だとしても、嫌だという当事者に「あなたが受けた被害の学術的概念は性奴隷」と強要しているように見えかねないためだ。クマラスワミ報告書でも、性奴隷は国際人権次元の概念であって被害者の認識や意見を反映したという説明はない。また、固有名詞として「慰安婦」という単語も併用している。
韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)が米国を意識したという李さんの主張は、2012年ヒラリー・クリントン当時米国務長官が慰安婦の代わりに「強制的性奴隷」と表現するべきだと主張したことに関連しているとみられる。これは歴史修正主義を試みる日本の安倍内閣に対する米国の警告と解釈され、挺対協だけでなく韓国政府も日本との歴史戦争で武器として活用した。
だが、李さんの言葉通りなら、被害者を守ると言って手にした武器がかえって被害者を傷つけたことになる。当事者である被害者がどう感じているのか見落としたためだ。クマラスワミ報告官は「報告書の目的は一連の解決措置が行われるようにすること」としながら「しかし、もっと重要なことはすべての慰安婦を代弁し、彼らの意見を伝達すること」と強調した。誰かは忘れている被害者中心主義の原則だ。
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