質屋は不況の影響を受けずに伸び続けているビジネスです。
質屋は町で見かけますが、本当に儲かっているのか疑問なところがありますよね。
結論から言うと、買取業界と金融業界のいいところを合わせた質屋は、充分儲かるビジネスとなっています。
しかし、何も知らずに始めても質屋で成功することはできません。
本記事では、質屋の将来性や、どのような方法で儲けるのかを解説します。
質屋は「買取」と「質預かり」の2つの柱で儲ける!
質屋とは、お客様から不用品を買い取ったり、品物を預かる代わりにお金を融資したりするビジネスです。
お金を融資するといっても、消費者金融のような「貸金業」ではありません。
あくまで質屋営業法に沿って営業していく「質屋業」です。
質屋の商売は、鎌倉時代から存在しています。
質屋の仕事は、下記の2つに分けることができます。
- 買取
- 質預かり
①買取
お客様から品物を預かり査定をしていき、金額に納得をいただいたらお支払いをして完了です。
そして一度買い取りをした商品は、店のものとなりお客様の手元に戻ることはありません。
トラブルを防ぐために、返却はできないと説明が必要です。
後に解説しますが、質預かりより買取のほうが高値がつきます。
扱う商品は、腕時計やブランド品、貴金属などが一般的です。
他にも、カメラ、家電、衣類など幅広く扱っていくこともできます。
しかし様々な品物を買い取るには、それ相応の知識がなければいけません。
最初は質屋でよく流れる商品を取り扱い、後にジャンルを広げていくことをおすすめします。
②質預かり
「質預かり」とは品物を質屋に預けることで、お金を借りることができるシステムのことです。
質預かりと買取の違いとして、「品物の所有権」がどちらにあるかということになっています。
質預かりは売ってもらうのではなく、品物を預かりお金を借すため所有権はお客様のままです。
借りたお金と質料を支払えば、品物を取り戻すことができます。
そして買取より質預かりのほうが、査定額は安くなります。
なぜなら、品物を預かったときと同じ状態を保てるよう管理するための「保管料」がかかるからです。
質屋の儲けの基本は、質預かりでお金を融資して得られる利息収入です。
質屋が「儲かる」理由や仕組みを解説
買取業界はコロナウイルスの影響で好調です。
そして儲かるだけではなく、リスクの小さいビジネスとなっています。
具体的に質屋が儲かる理由は下記の3つです。
- 質預かりの金利が高い
- 質預かりはリスクが小さい
- 買取も利益が取りやすい
質預かりの金利が高い
質預かりは、お金を融資している際の金利が高いです。
質屋では、融資に対する利息の上限金利が「年間109.5%」まで認められています。
消費者金融などの貸金業が20%に対し、その差は約5.5倍です。
そして預かっている品物の融資金額に対してお客様が支払うものなので、利益率100%の儲けとなります。
この利回りの高さが、質屋の良さです。
また質預かりによる融資の額には「総量規制」がありません。
総量規制とは、年収の3分の1を超えるお金を借入することができないことを定めた貸金業法のことです。
質屋営業法に沿って営業するので、質屋はこの法律が適用されません。
そのため質預かりは、金利が高くて融資の上限もないために、儲けやすくなっています。
質預かりはリスクが小さい
質預かりはリスクの小さいビジネスです。
まず質預かりには「流出期限」というものがあります。
これは質屋が「必ず預かっていなければならない期間」のことです。
流出期限は質屋営業法により、3か月間と定められています。
流出期限を過ぎて、お客様が品物を取りに来ないケースでも心配はありません。
なぜなら「質流れ」となり所有権がお客様から質屋に移るので、品物の販売が可能です。
結果として、貸し倒れのリスクをなくし儲けることができます。
買取も利益が取りやすい
買取も利益が取りやすいビジネスとなっています。
特に人気ブランドの買取なら、高い利益率を見込めて儲かりやすいです。
例として、ルイヴィトンのようなブランドは、利益率が平均で20%ほどあります。
買取では、高額な商品を扱わないと儲かりにくいです。
ただ質屋の買取では、利益率10%ほどで利益を出すことができます。
10%なら、10万円の価値があるブランド品を9万円で買い取ればいいわけです。
質屋の大きな儲けは、あくまで質預かりの融資による利息収入です。
利息収入で儲けていれば、店舗代などもまかなうことができてしまいます。
質預かりとは?仕組みや流れを解説
質の仕組みとして、1か月以上の利息をいただくことで品物の流出を延長することができます。
融資した元金と利息が支払われていない場合には、品物をお客様に返却することができません。
品物を手元に戻すタイミングは、お客様次第となります。
質預かりのメリットとして、質屋に「日割り計算」はありません。
そのため1か月と10日のような質預かりでも、2か月分の利息収入を得ることができるのです。
下記の表のように、満月計算での利息となります。質預けされた日 (例として3月20日) 利息収入 品物を取りに来た日:3/20~4/20 1か月分 品物を取りに来た日:4/21~5/20 2か月分
お客様が期限内に利息を支払わなければ「質流れ」となり、品物を販売することができます。
質預かりはどのようなケースであっても、結果として儲かりやすいビジネスとなっています。
【潰れる?】今後の質屋の将来はある?年収1,000万は狙える?
今後の質屋の将来性は充分にあります。
理由としては「リユース市場」が伸び続けているからです。
リユース市場とは、中古商品の買取や再販を繰り返し、製品の寿命を延ばすことで成り立つ市場になります。
上記のグラフを見ると驚くことに、市場規模が11年連続での拡大となっています。
不景気のなかでも買取業界は伸び続け、2022年には3兆円を超えるとも予測されています。
コロナウイルスなどにより不況が続いている現在は、起業・開業のチャンスでもあります。
質屋は不況の時代こそ、本領を発揮するビジネスです。
甘い業界では決してないですが、努力次第で1000万円以上の年収達成も夢ではありません。
質屋は不況に強いビジネスモデルで儲かけやすい!
結論として、「質屋は不況に強いビジネス」で儲けやすいと言えます。
直近の例では、コロナウイルスにより収入が不安定となった人たちの背景で、質屋の収入は伸びていました。
実際に過去の不景気の際には、質屋を利用される人が増えるという検証もあるようです。
質屋はこれからも需要があります。
そして質屋は収益の柱が多いため、初心者がこれから始めても遅くはありません。
そこで質屋の起業・開業のやり方を他の記事で書いたので、興味のある方は読んでみてください。