現在、司法試験・予備試験界隈では色々なタイプの予備校・通信講座が次々に出現しています。
最近は予備校・通信講座に受講するのが主流なので、これから司法試験・予備試験を目指す方はどの予備校・通信講座を選ぼうか迷っている方も多いかと思います。
そこで、本コラムでは司法試験・予備試験の予備校・通信講座を6校比較していこうと思います。
目次
司法試験・予備試験の試験対策は通信講座がおすすめ
司法試験・予備試験の講座は通信がおすすめです。
司法試験・予備試験の講座では、学ぶべき内容がかなり多いため、実際に教室に火曜となるとふたつの大学に通うくらいの負担になります。
そうなると、なかなか継続するのは困難でしょう。
一方で通信講座は自分の好きな時間に受講することができますし、倍速再生もすることができる場合が多いので、時短になりますし、無理なく続けることができます。
また、通信講座が基本の予備校は、人件費や教室のための家賃を浮かせることができるので、料金が安く設定されていることも。
通信講座は質問ができなかったり添削をしてもらえないというデメリットを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、通信講座に力を入れている予備校であればデメリットを解消できるようなフォローアップ制度を採用していることも多いです。
通信講座を選ぶ基準
では、実際にどのような基準で通信講座を選べばよいのでしょうか。
使う教材
予備校によって一番差が出るのは教材です。
どのような教材を使っているかをあらかじめ確認しましょう。
また、多くの予備校は無料体験講座を開設しています。
無料体験講座では、実際にその予備校が使っている教材の一部を使うことができる場合が多いです。
したがって、まずは気になっている予備校の無料体験講座を受けて比べてみることをオススメします。
なお、注意していただきたいのは、教材を自分で用意する必要があるかどうかです。
最近では、紙媒体を全く使用せず、インターネット上にアップロードされた教材データを、自分でダウンロードして印刷する形式を採用している予備校もあります。
その場合、タブレット端末を用意したり、プリンターを用意したりしなければならないので、注意しましょう。
カリキュラム
次に注目したいのはカリキュラムです。
つまり、どのようなスケジュールで、何回で講座が終了するのかということです。
予備校は基本的に早期合格を目標としているので、多くの場合基礎講座は1~2年で終了し、その後は必要に応じて答練や他の講座を追加するというかたちをとっています。
カリキュラムを確認するときは、自分が何年で合格したいのか、予備校の講座に割くことのできる時間はどれくらいか、という指標に照らし合わせてみてください。
学習フォローアップ制度
通信講座では基本的にひとりで学習することになるので、どのようなフォローアップ制度が用意されているのかが重要です。
たとえば、講師への質問制度、電話でのカウンセリング制度、自習室利用、添削制度など。
フォローアップが不十分だとひとりで学習することで生じうる不安を解消することができません。
予備校のHPやパンフレット、また実際に相談しに行くなどして、どのようなフォローアップ制度が用意されているのか確認しましょう。
合格実績
合格実績が高いことは、その予備校の講座の内容が良いという可能性を示しています。
しかし、老舗の予備校であればそもそも生徒数が多いので合格実績は高くなりがちですし、模試を受けただけでも生徒としてカウントしていることもあるかもしれないので、合格実績はあくまで参考資料のひとつです。
法律初学者向け 司法試験・予備試験の講座比較
以下、6つの予備校について表にして比較してみました。
比較の対象とした講座は、各予備校が設置している、これから予備試験経由で司法試験を目指す法律初学者向けの入門講座です。
| アガルート | 伊藤塾 | LEC | Wセミナー/TAC | 資格スクエア | STUDYing | |
| 講座名 | 予備試験1年合格カリキュラム | 司法試験入門講座2年合格コース | 司法試験入門講座2年合格コース | ハイブリットSシリーズ | 逆算思考シリーズ | 予備試験合格コース |
| 価格 | 約60万円~175万円 | 約115万円~130万円 | 約105万円~130万円 | 約47万円~65万円 | 約55万円~100万円 | 約9万円~13万円 |
| 内容 |
総合講義300 |
法律7科目、実務基礎、選択科目の入門講座 論文力養成講座(オプション) 基礎論文答練 短答答練論文答練 論文書き方ゼミ 予備試験過去問添削 |
法律7科目の入門講座 実務科目の入門講座 短答合格講座 合格答案作成講座 論文基礎力養成答練 短答答練論文答練 実務科目の演習講座 短答模試 |
オリエンテーション、基礎講座短答講座 論文講座(一部オプションあり) 実務基礎講座 論文答練短答答練(オプション) 判例答練(オプション) 応用論文答練(オプション) |
基礎講座 短答対策講座 実務基礎科目講座 選択科目対策講座 基礎問演習講座 論文過去問演習講座 短答模試 |
法律基本7科目 法律実務基礎科目(オプション) 論文対策講座(オプション) 短答演習論文演習 |
| 特徴 | ・基本通信 ・論文対策講座が段階式に分かれているなど、論文対策に力を入れている ・何度でもオンラインで講義を聞くことができる ・定期カウンセリング、ホームルームなどフォロー制度が充実 ・マネージメントオプションをつけると進捗管理、答案指導等、講師による徹底した個別指導が週1回受けられる |
・老舗 ・高い合格実績が売り ・基本通学 ・校舎があるので自習室を利用できる |
・老舗 ・通学、通信半々 ・校舎があるので自習室を利用できる |
・教材の種類を細かく分けてインプットを2回まわすという独特なカリキュラム ・短答・論文でカリキュラムを分けている ・校舎があるので自習室を利用できる |
・完全通信 ・添削や個別相談の要否などで料金が変わる |
・完全通信 ・基礎と総合に分かれており、基礎だと実務科目や論文の講義を受けられない ・教材含めてすべてオンラインで添削はない ・合格に必要なフルラインナップというわけではないため、受講料が破格 |
アガルートアカデミー
2015年開講のオンライン予備校です。
比較的新しい予備校であるにもかかわらず、司法試験合格者の約2人に1人がアガルートアカデミー受講生であるなど(令和3年度)、毎年高い合格者実績を積み上げており、近年はTVCMを放映するなど、認知度も高くなってきています。
基本はパソコンやスマホで講義を受講する通信スタイルの予備校ですが、定期カウンセリング、ホームルームなどフォロー制度が充実している点が特徴。
講師による徹底した個別指導が受けられるマネージメントオプション(進捗管理、答案指導等、週1回の指導が受けられる)も人気です。
高い合格実績を出し、充実したフォロー制度を提供しているにもかかわらず、合格に必要なすべての講座が組み込まれた「予備試験1年合格カリキュラム」は60万円台からと、リーズナブルな価格設定も支持を受けている理由です。
司法試験・予備試験で、受験生が最もつまづきやすいのが論文式試験。
インプット期間が長すぎたり、論文学習の初歩からいきなり過去問を解くようなカリキュラムだったりすると、どうしても挫折しやすくなってしまいます。
その点、アガルートは段積み形式でのカリキュラム設計となっていて、論文学習の最初のステップとして書き方について学ぶなど、スムーズに論文式試験の勉強を行うことができます。
You Tubeなどで無料の学習コンテンツを提供したり、試験前後の時期には無料講座を開講していることもあるので、一度見てみるとよいでしょう。
伊藤塾
司法試験をメインとする老舗予備校です。
やはりその安心感からか、未だ大多数の受験生に支持されています。
通学がメインですが通信にも対応しています。
通学型として発展した予備校である分、値段の点では最もコストが高くなっています。
LEC
こちらも老舗の予備校です。
参考書もたくさん出しているので知っている方も多いのではないでしょうか。
通学・通信に対応しており、DVDにも対応しています。
なお、DVDオプションを選択しなければ、伊藤塾よりも20万円ほどコストカットしつつ同じかそれ以上のボリュームの講義・答練を受けることができます。
Wセミナー
Wセミナーのハイブリッドシリーズは、ベーシック・スタンダード・フルの3つのパックに分かれています。
フルパックを選択した場合、インプットを2回まわして知識の定着を図りつつ、短答・論文それぞれに特化した講座を行うという独自のカリキュラムを用意しています。
校舎はありますが、ハイブリッドシリーズは現在教室受講することはできないようです。
通信もしくは校舎内のビデオブースで受講する形になります。
資格スクエア
通信講座に特化しています。
添削なしコースと添削ありコースにわかれており、値段もそれに応じて50万円~100万円程度と幅があります。
STUDYing
スキマ時間を有効活用した学習をポリシーとしている予備校です。
予備校というより、オンラインコンテンツといった感じでしょうか。
完全なる通信教育なので添削や教材の送付はありません。
また、講座も合格に必要なフルラインナップを用意しているわけではありません。
その分破格の料金で講座を受講することができます。
予備校以外にかかる費用
予備校以外に費用がかかるかどうかは、どのような講座を選択したかによります。
「他に用意するものは一切なくても合格出来る」という謳い文句で売り出している入門講座を受講するのであれば、他に負担する費用は一切なくても論理上合格はできます。
また、通信講座を受講するのであれば、当然ながら通信環境を整えなければなりません。
ウェブ上で講義動画をたくさん見るなら、上限のないプランを選んだり、ポケットWi-Fiを契約してノートPCとスマホ両方に使って安く済ませる、といったことも考える必要があるでしょう。
なお、司法試験の勉強にはいろいろと本を買わなければいけないイメージがあるかもしれませんが、予備校に通うのであれば基本的に本を買う必要はありません。
本は参考にしたくなった場合に図書館で借りるくらいでも十分です。
ただし、判例集は購入した方が良いかもしれません。
百選であれば1冊2500円程度で買えます。
また、過去問や模試は別途購入する必要があります。
ただし、これらは講座に含まれている場合もあるので、その点も含めて費用は比較するべきです。
模試も予備校によってかなり費用が変わりますが、短答・論文・口述で各1~2万円ずつくらいかかることが多いです。
長く付き合う予備校、しっかり見極めよう
司法試験・予備試験の学習は年単位で継続していかなければなりません。
そのため、慎重に自分に合う予備校や講座を選びましょう。
その際には、値段・費用だけでなく、講座の内容、カリキュラム、サポート体制、合格実績等あらゆる角度から予備校を比較してみてください。
表から大まかな傾向を確認したあと、疑問点や質問、自分の重視する点などを考えながらよく調べていくのがよいでしょう。
また、多くの予備校は資料請求や講座体験に対応しているので、活用していきましょう。