盗聴はアプリをスマホに入れればできる時代
盗聴といえば、自宅や会社など目的の場所に直接「盗聴器」を仕掛ける電波式盗聴が主流でした。しかし、スマホ、タブレットPCなどのモバイル機器が普及した現在、それらの端末を利用した“デジタル盗聴”が急増しています。盗聴はアプリをスマホに入れればできる時代なのです。

アプリを入れればスマホが盗聴器
従来の電波式の盗聴器は、一般の人には遠い世界の特殊な機器と思いがちですが、携帯電話やスマホなら身近ですから。また各キャリアで、かけ放題プランも始まり、通話料金を気にしなくていいという利点は、携帯端末での盗聴行為をさらに容易にしました。
最近では、夫婦やカップルの片方が、パートナーのスマホにアプリを入れ勝手に監視する方法が多く見受けられます。アプリを入れさえすればスマホが盗聴器になるわけですから、対象者本人が何の疑いもなく持ち歩いてくれる上、ネット/電話回線経由のため受信距離も関係ありません。
ある意味最強の盗聴ツールです。特にスマホはさまざまな監視系アプリ、カメラ系アプリがありますので、使い様によっては強力なツールになり得ます。
スパイアプリで気づかぬ間に盗聴
よく使われるのが、遠隔操作系は「Cerberus(ケルベロス)」、ICレコーダー系は音がある時だけ録音する「Dictaphone」、カメラ系だと動体検知して撮影する「セキュカム」などでしょうか。
近しい人間からの被害としては、新しいものに買い換えて使わなくなり、自宅に放置してあるスマホなどに、上述したようなスパイアプリをインストールされ、気づかない間に盗聴器や盗撮器にされてしまっている事例もあるようです。
その後は、アプリをダウンロードせずとも自動着信機能を有する携帯電話にイヤホンマイクをセットしておき、車内や家に発信するだけで、携帯電話の周囲の音声を聞くことも可能です。SIMロック解除をして、格安SIMで運用し、通信ができる状態にしておけば安価で高性能な遠隔盗聴、盗撮ができてしまうのです。
盗難対策アプリが盗聴に悪用される
このうち、遠隔操作系アプリのCerberusはスマートフォンの盗難対策用として公開されています。持っている機能はパソコンからの遠隔操作でのデバイスロックやGPS機能を利用した位置特定、スマートフォン内部のデータ消去、画像の撮影や音声の録音などです。
さらに。インストール後にアイコンを消すステルス機能も装備しています。このため、Cerberusはスマートフォンからの個人情報漏えい対策に有効。しかし、これは同時に、第三者に悪用されればユーザーのさまざまな個人情報を盗むための強力なツールになるということでもあります。
不用意なプライバシーの漏えいを避けるためにも、Cerberusのようなツールがあることを知っておくことは大切。知らないうちに遠隔操作されていないか、確認しておく必要があるからです。
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