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2022/03/15 20:00
「日常失われた…」 “コロナ後遺症”の実態 感染者の4人に1人が発症 福岡でも症状訴える人増加
新型コロナの新規感染者数が減少傾向の一方で、後遺症に悩む人の数が増えています。
感染者の4人に1人が発症すると言われる『コロナ後遺症』にどのように向き合っていくべきか。
福岡の実態を取材しました。
14日、訪ねたのは福岡県内のお宅。
出迎えてくれたのは小学生の女の子です。
リビングに横たわっていたのは、2人の子供を育てるシングルマザーです。
Q1日で横になることが多い?
◆母親(20代)
「横になっているのが多いですね。1つ何かしたら休憩入れる感じでないと、体が無理をすると息苦しくなる」
母親は、2021年5月、2022年1月と、2度に渡って新型コロナウイルスに感染しました。
今もけん怠感や脱毛など様々な症状が続く『コロナ後遺症』に苦しめられています。
◆母親(20代)
「(娘を)前みたいに見てあげられない。ご飯も思うように作ってあげられない。すごく申し訳ないと思います。何を失ったかと聞かれたら、一番最初に出てくるのは日常ですね。当たり前がまったく1つも当たり前ではなくなってしまった」
県内で新規感染者数の減少傾向が続く一方で、いま『コロナ後遺症』に悩む人が増えています。
◆みらいクリニック 今井一彰院長
「よし、鼻から治療行きますね」
福岡市内で『コロナ後遺症』の外来を受け付けるクリニックです。
こちらの50代の女性は、オミクロン株が拡大した2022年1月末に感染が確認されました。
微熱などの軽症でしたが、1カ月半経っても鼻と喉の症状に悩まされています。
◆院長
「違和感は落ち着いてきています?」
◆50代女性
「はい、少しあるくらいで頭痛がちょっと」
◆院長
「ご飯は食べられていますね」
◆50代女性
「はい」
『コロナ後遺症』で受診する人は、2月初めに比べ、先週は4倍以上に増えたといいます。
◆院長
「コロナの後遺症に関しては、感染して1カ月経ってから起こってくるので、むしろ感染が落ち着いてから増えてきている状況なので、当院での受診も増えてきています」
こうした中、福岡県は2月10日にコロナ後遺症の専用ダイヤルを設置。
3月14日時点で800件以上の相談が寄せられています。
これまで200人あまりの後遺症患者を診てきた今井院長は、まだわからないことが多いとした上で、「早めの受診がカギ」になるといいます。
◆院長
「ずいぶんと分かるようになってきました。上咽頭の部分の炎症なのでそれをできるだけ速やかに取ることができたら回復も早いですね」
国立国際医療研究センターが2021年までに感染した457人を対象にした調査では、感染から半年後に何らかの症状が続いていると答えた人が26.3%にのぼり、実に4人に1人が後遺症に悩まされていることがわかりました。
今井院長によりますと、コロナ後遺症は、集中して休むことが大事だといいます。
◆院長
「日常生活、自分自身がきついのは根性がないからだとかいう風に自分を責めちゃうところがあるんです。そうではなく病気のせいなので、やはり治っていくには時間とエネルギーがかかるわけですから、しっかりと休んで頂く、それを徹底して頂きたいと思います」
一方で、症状の改善まで時間がかかることから、仕事にも支障をきたしている人も少なくありません。
◆院長
「やっぱり途中起きちゃいますよね?寝るの?」
◆母親(20代)
「寝るのがやっぱりなかなか…早く寝ても2時間ぐらいで起きちゃって」
けん怠感などの後遺症に苦しんでいたシングルマザーの女性も、その一人です。
◆院長
「子育てもあるからなかなか休めないんだよね」
◆母親(20代)
「1日丸々休めるっていうのはないから」
後遺症に苦しみながら子育てをするシングルマザー。
いま一番、悩んでいる症状が…
◆母親(20代)
「おいしい?」
◆娘
「甘い。おいしい?」
◆母親(20代)
「味わかんない」
◆娘
「うーん」
◆母親(20代)
「困ったね」
2021年5月の感染後に発症した「味覚障害」です。
甘い、辛いの味が一切しないため、子供に作る料理の味も分かりません。
◆母親(20代)
「1回、下の子にオムライス作って甘すぎると言われたとき…ちょっと泣いちゃった。そしたら、世界一ママの料理はおいしいよと言ってくれて。完食してくれたこの子には申し訳ないなと」
コロナ後遺症に苦しむ中、支えとなっているのは子供たちの存在です。
今、子供たちの願いは…
手紙―
『ママの病気や味が治りますように』
しかし、長引くコロナ後遺症に、経済的に苦しい状況が続いています。
通帳を見せてー
◆母親(20代)
「ここが学資保険を解約して戻ってきた分ですね。今、生きていく中でどうしてもお金が必要なので」
2021年5月、コロナ感染の影響で飲食関係の仕事を退職。
子供のためにコツコツ貯めてきた学資保険を解約し、生活費にあてざるを得ない状況です。
◆母親(20代)
「今なっている人たちの支援も大事だと思うけど、後遺症だって同じくらい悩んでいて、本当に悩んでいる人がいることを分かってほしい。ちゃんと後遺症として対策支援を別で考えてほしい」
新型コロナの流行長期化に伴い後遺症を訴える人が増える中、新たな支援体制の整備が急がれます。
感染者の4人に1人が発症すると言われる『コロナ後遺症』にどのように向き合っていくべきか。
福岡の実態を取材しました。
14日、訪ねたのは福岡県内のお宅。
出迎えてくれたのは小学生の女の子です。
リビングに横たわっていたのは、2人の子供を育てるシングルマザーです。
Q1日で横になることが多い?
◆母親(20代)
「横になっているのが多いですね。1つ何かしたら休憩入れる感じでないと、体が無理をすると息苦しくなる」
母親は、2021年5月、2022年1月と、2度に渡って新型コロナウイルスに感染しました。
今もけん怠感や脱毛など様々な症状が続く『コロナ後遺症』に苦しめられています。
◆母親(20代)
「(娘を)前みたいに見てあげられない。ご飯も思うように作ってあげられない。すごく申し訳ないと思います。何を失ったかと聞かれたら、一番最初に出てくるのは日常ですね。当たり前がまったく1つも当たり前ではなくなってしまった」
県内で新規感染者数の減少傾向が続く一方で、いま『コロナ後遺症』に悩む人が増えています。
◆みらいクリニック 今井一彰院長
「よし、鼻から治療行きますね」
福岡市内で『コロナ後遺症』の外来を受け付けるクリニックです。
こちらの50代の女性は、オミクロン株が拡大した2022年1月末に感染が確認されました。
微熱などの軽症でしたが、1カ月半経っても鼻と喉の症状に悩まされています。
◆院長
「違和感は落ち着いてきています?」
◆50代女性
「はい、少しあるくらいで頭痛がちょっと」
◆院長
「ご飯は食べられていますね」
◆50代女性
「はい」
『コロナ後遺症』で受診する人は、2月初めに比べ、先週は4倍以上に増えたといいます。
◆院長
「コロナの後遺症に関しては、感染して1カ月経ってから起こってくるので、むしろ感染が落ち着いてから増えてきている状況なので、当院での受診も増えてきています」
こうした中、福岡県は2月10日にコロナ後遺症の専用ダイヤルを設置。
3月14日時点で800件以上の相談が寄せられています。
これまで200人あまりの後遺症患者を診てきた今井院長は、まだわからないことが多いとした上で、「早めの受診がカギ」になるといいます。
◆院長
「ずいぶんと分かるようになってきました。上咽頭の部分の炎症なのでそれをできるだけ速やかに取ることができたら回復も早いですね」
国立国際医療研究センターが2021年までに感染した457人を対象にした調査では、感染から半年後に何らかの症状が続いていると答えた人が26.3%にのぼり、実に4人に1人が後遺症に悩まされていることがわかりました。
今井院長によりますと、コロナ後遺症は、集中して休むことが大事だといいます。
◆院長
「日常生活、自分自身がきついのは根性がないからだとかいう風に自分を責めちゃうところがあるんです。そうではなく病気のせいなので、やはり治っていくには時間とエネルギーがかかるわけですから、しっかりと休んで頂く、それを徹底して頂きたいと思います」
一方で、症状の改善まで時間がかかることから、仕事にも支障をきたしている人も少なくありません。
◆院長
「やっぱり途中起きちゃいますよね?寝るの?」
◆母親(20代)
「寝るのがやっぱりなかなか…早く寝ても2時間ぐらいで起きちゃって」
けん怠感などの後遺症に苦しんでいたシングルマザーの女性も、その一人です。
◆院長
「子育てもあるからなかなか休めないんだよね」
◆母親(20代)
「1日丸々休めるっていうのはないから」
後遺症に苦しみながら子育てをするシングルマザー。
いま一番、悩んでいる症状が…
◆母親(20代)
「おいしい?」
◆娘
「甘い。おいしい?」
◆母親(20代)
「味わかんない」
◆娘
「うーん」
◆母親(20代)
「困ったね」
2021年5月の感染後に発症した「味覚障害」です。
甘い、辛いの味が一切しないため、子供に作る料理の味も分かりません。
◆母親(20代)
「1回、下の子にオムライス作って甘すぎると言われたとき…ちょっと泣いちゃった。そしたら、世界一ママの料理はおいしいよと言ってくれて。完食してくれたこの子には申し訳ないなと」
コロナ後遺症に苦しむ中、支えとなっているのは子供たちの存在です。
今、子供たちの願いは…
手紙―
『ママの病気や味が治りますように』
しかし、長引くコロナ後遺症に、経済的に苦しい状況が続いています。
通帳を見せてー
◆母親(20代)
「ここが学資保険を解約して戻ってきた分ですね。今、生きていく中でどうしてもお金が必要なので」
2021年5月、コロナ感染の影響で飲食関係の仕事を退職。
子供のためにコツコツ貯めてきた学資保険を解約し、生活費にあてざるを得ない状況です。
◆母親(20代)
「今なっている人たちの支援も大事だと思うけど、後遺症だって同じくらい悩んでいて、本当に悩んでいる人がいることを分かってほしい。ちゃんと後遺症として対策支援を別で考えてほしい」
新型コロナの流行長期化に伴い後遺症を訴える人が増える中、新たな支援体制の整備が急がれます。
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