仮想化ソリューションの技術検証システムに「NetApp FASシリーズ」を新たに採用
技術検証業務とバックアップの効率化に成功
アビームコンサルティング株式会社
大手総合コンサルティングファームのアビームコンサルティング株式会社様(以下、アビームコンサルティング)では、仮想化ソリューション用技術検証システムのストレージ環境を強化しました。同社では「VMware」を中心とする仮想化ソリューションを提供していますが、本格的なクラウド時代の到来に伴って、技術検証ニーズが急速に増加。既存ストレージの容量も限界に達しつつありました。そこで同社では、こうした課題を解消すべく新たなストレージ基盤を構築。ネットワールドが提供するネットワークストレージ「NetApp FAS2020A」を採用することで、技術検証業務のスピードアップやコスト削減、バックアップ時間の大幅短縮など、数多くのメリットを実現しています。
プロジェクトメンバー
アビームコンサルティング株式会社
執行役員 プリンシパル
プロセス&テクノロジー事業部
ITマネジメントセクター SOA Solution統轄責任者
Abeam Competence Center
統轄責任者
畠山 友希 氏
アビームコンサルティング株式会社
プロセス&テクノロジー事業部
ITマネジメントセクター
マネージャー
吉岡 良治 氏
アビームコンサルティング株式会社
本 社 : 東京都千代田区有楽町1-10-1
創 業 : 1981年4月1日
U R L : http://jp.abeam.com/
事業内容 : アビームコンサルティングは、アジアを中心とした海外ネットワークを通じ、それぞれの国や地域に即したグローバル・サービスを提供している総合マネジメントコンサルティングファームです。戦略、BPR、IT、組織・人事、アウトソーシングなどの専門知識と、豊富な経験を持つ約3,600名のプロフェッショナルを有し、金融、製造、流通、エネルギー、情報通信、パブリックなどの分野を担う企業、組織に対し幅広いコンサルティングサービスを提供しています。2009年3月期連結売上高(米国会計基準)は555億円。
プロジェクトメンバー
株式会社ピーエスシー
ソリューションサービス事業部
テクニカルソリューション
マネージャー
鳴坂 真人 氏
株式会社ピーエスシー
ソリューションサービス事業部
テクニカルマネージャー
浮田 康央 氏
株式会社ピーエスシー
ソリューションサービス事業部
ソリューションエンジニア
森 純也 氏
株式会社ピーエスシー
本 社 : 東京都港区芝公園2-2-18
設 立 : 1996年9月
U R L : http://www.psc-inc.co.jp/
ビジネス変革を支援し顧客企業の成長に貢献
業務変革による企業価値向上を支援するパートナーとして、グローバルなコンサルティングサービスを提供しているのがアビームコンサルティングである。同社 には様々な分野のプロフェッショナルが多数在籍しており、課題解決に向けた取り組みを強力にサポートしている。同社とパートナーシップを組むことで、大き な変革を成し遂げた企業も数多い。
ビジネスの情報化が進んだ現代では、先進ITの活用もコンサルティングの重要な要素である。顧客にとって最適な環境を提供することが、その後のビジネスの 成否にも大きく関わってくるからだ。同社の執行役員を務める畠山 友希氏は「当社でもITマネジメントセクターが中心となって、幅広いITサービスをご提供しています。ITインフラの構築・運用はもちろん、企業価値を向上させるための立案や投資最適化、内部統制対応などに至るまで、各分野のエキスパートがお客様の取り組みを全力でご支援致します」と説明する。
仮想化ソリューション向けの技術検証環境が限界に
ITマネジメントセクターには、もう一つ重要な役割がある。それは様々な最新テクノロジーの技術検証や、構築・運用に関わるナレッジの蓄積だ。「ITの世界では日々刻々と新しいソリューションが生まれていますが、これをいきなりお客様にご提供することはできません。まずは自社内のコンピテンスセンターで技術検証を行い、経験とノウハウを積むようにしています」と畠山氏は語る。
もっとも、技術検証環境を維持運営していく上では、様々な課題もあるとのこと。特に早急な改善を求められたのが、仮想化ソリューション検証用のストレージ 環境であった。アビームコンサルティング ITマネジメントセクターの吉岡 良治マネージャーは「当社ではSAP社のパッケージを利用した基幹業務ソリューションをご提供していますが、最近ではこの分野でも仮想化のニーズが強く、 数多くの検証環境を立ち上げています。ところが、既存ストレージの容量が限界に達しつつあり、新しい検証環境を構築するのが難しくなっていました」と振り 返る。技術検証環境の立ち上げが遅れれば、それだけ顧客へのサービスも遅くなってしまう。競争力向上を支援する立場としては、これは決して望ましいことで はない。
そこで同社では、仮想化ソリューション向け技術検証環境のスレージ強化に着手。そのためのプロダクトとして選ばれたのが、ネットワールドが提供するネットワークストレージ「NetApp FAS2020A」である。同社のITパートナーであるピーエスシーの鳴坂真人氏は、今回の提案のポイントを「これまで利用されていたFC-SAN対応ストレージ製品では、ハードディスクの増設だけでも相当のコストが掛かってしまいます。その点、VMware+SAP+NetAppの構成なら、お客様の望む環境をよりリーズナブルに実現できます」と語る。
技術検証環境では、実験的な取り組みも行うため、ストレージにも柔軟性や接続性の高さが強く要求される。その点NetApp製品には、仮想ボリューム管理機能である『FlexVol』をはじめ、ストレージ活用を支援する多彩な機能が備わっている。「また、VMwareとの親和性の高さやコスト面でのメリッ トも高く評価し、技術検証環境への採用を決めました」(吉岡氏)。
NetApp FASシリーズで柔軟なストレージ環境を実現
NetApp FAS2020Aによる新たなストレージ基盤は、2009年12月より本稼働を開始。システム構築にあたっては、様々な工夫が盛り込まれている。
「今回のプロジェクトでは、従来のFC-SAN環境を活かしつつ、さらにNetAppを追加しています。そこで、既存のネットワーク運用に影響を与えないよう、既存/新セグメントに接続する仮想スイッチと仮想マシンポートグループを新たに作成しています」と語るのは、ピーエスシーの浮田康央氏。また、同 森 純也氏も「トラブルによるサービス停止を防ぐために、通信経路やコントローラの多重化、障害時の自動切り替えなどの仕組みも構築しています。NetApp は設計や構成変更が柔軟に行えるので、非常に使いやすいストレージだと思いますね」と続ける。
技術検証環境上で稼働する仮想サーバの数が非常に多いため、バックアップ運用の改善も実施。吉岡氏は「システムの立ち下げ/立ち上げやバックアップ実行、ウィルス定義ファイルの更新といった一連の流れを、自動的に制御する仕組みを新たに作り込みました。また、そのほかにも、システム全体を一元監視する仕組みも構築しています」と説明する。こうした実践に基づいて蓄積されたノウハウが、今後の顧客向けソリューションにも活かされていくわけである。
ちなみに、今回のプロジェクトでは、ネットワークのレスポンスも重要なポイントだったとのこと。「ネットワークストレージはFC-SANと違って、メタルケーブルによる伝送になりますから、そこがボトルネックになってしまっては困ります」と吉岡氏。そこで採用されたのが、ネットワールドが提供するH3C製スイッチだ。「評価機を借りて運用してみたところ、非常に高い性能を発揮してくれました」と吉岡氏は語る。
さらに、ネットワールドのサービス・サポートも大きく貢献。吉岡氏は「問い合わせ対応が迅速・適確な上に、製品を使いこなすためのヒントやアドバイスなども提供してもらえるので、大いに助かっています」とにこやかに語る。
バックアップをほぼ一瞬で完了 コストも従来の約1/3に低減
NetApp FAS2020Aを導入したことで、様々なメリットも生まれている。まず一つ目は、先にも触れたバックアップ業務の効率化だ。以前は各検証環境のデータを個別にテープにバックアップしていたため、すべての工程を終えるのにおよそ一日半もの時間を要していた。しかし現在では、仮想サーバのバックアップにNetAppのSnapshot機能を利用することで、バックアップ作業をほぼ一瞬で終えることが可能になっている。
また、もう一つは大幅なコスト削減だ。従来のFC-SANストレージ製品で同等の環境を構築した場合と比較して、システムコストは約1/3程度で収まっているとのことだ。
同社では今回構築した環境を、今後のソリューション提供に積極的に役立てていく構えだ。「サーバ/ストレージの仮想化は、IT投資の最適化や環境負荷軽減など、数多くの効果をもたらしてくれます。NetAppの導入によって技術検証業務をタイムリーに展開できるようになりましたので、今後もお客様に最適な環境をスピーディに提供していきたい」と力強く語る畠山氏。「パートナーであるネットワールドとピーエスシーとのアライアンスも、さらに強化していきたい と思います」と続けた。