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学びの場つぶさないで 大阪市立夜間中学の統廃合計画

2022年3月13日

 大阪市教育委員会が市立夜間中学(夜間学級)のうち天王寺(天王寺区)と文の里(阿倍野区)の2校の統廃合を計画していることに対し、両校の生徒や卒業生など関係者が「私たちの大切な学びの場である夜間中学校をつぶさないで」と強く反対。4万4千筆を超える署名を集めるなど、存続を訴える声が高まっている。

大阪市の夜間中学の存続を求めて記者会見する生徒や卒業生、関係者ら

 夜間中学は府内在住で満15歳を超え、義務教育を修了していない人や実質的に十分な教育を受けられないまま中学校を卒業した人のうち、入学希望者に対して設置している。

 市教委は2024年度に旧日東小学校(浪速区)に開校予定の「不登校特例校」に新たな夜間中学を併設し、両校の生徒の受け入れを検討している。実現すれば、大阪市立の夜間中学は天満(北区)、東生野(生野区)と合わせて3校に減る。

 昨年10月、天王寺夜間と文の里夜間がなくなることを知った両校の生徒はショックを受けた。仕事を終えての通学や家族の介護、健康問題など、生徒にはさまざまな事情があり、新設校では「通えなくなる」ために、関係者とともに存続を訴える署名活動を開始。

 近畿夜間中学校生徒会連合会として12月「現在、両校で学んでいる生徒はもちろん、今後、必要とする人たちからも、未来につながる大切な『学びの場』を奪う」などとし、2校の存続と夜間中学生や卒業生の思いを聞くよう市教委に求めた。2月には集めた署名を提出しており、市教委は「統合移転案については決定ではなく、他の案も含めて検討中」と説明した。

 また、基礎教育保障学会などは3月9日、夜間中学の生徒や卒業生らとともに大阪市役所で記者会見。府内の夜間中学は偏在しており、夜間中学のない南河内地域からも通学可能な両校の重要性を説明した。

 同連合会の門脇勝会長は「家庭の事情や仕事の都合など夜間中学生はいろいろ事情を抱えている。教育難民をつくってほしくない」と強調。同学会の岡田敏之会長は京都府内で不登校特例校の校長を務めた経験から、大阪の新設校について「夜間中学生60人、不登校生70人を専任教員12人で運営すると聞くが、事実なら生徒は置き去りになり、再び傷つき不登校になり、先生たちは疲弊して倒れる」と懸念している。