Happy Birthday!
本日お誕生日イ・ジュニョク
LONDON - JANUARY 07: David Suchet with wife Sheila Suchet receives the Freedom of the City of London at Guildhall on January 7, 2009 in London, England. (Photo by Mike Marsland/WireImage)
LONDON, ENGLAND - APRIL 07: David and Sheila Suchet attend The Olivier Awards with Mastercard at the Royal Albert Hall on April 07, 2019 in London, England. (Photo by Jeff Spicer/Jeff Spicer/Getty Images)
『カーテン〜ポワロ最後の事件〜(原題 Curtain: Poirot's Final Case)』でついに完結したイギリスの人気テレビドラマシリーズ『名探偵ポワロ』。
イギリスでは2013年11月に放送、日本でも2014年10月に放送され、その衝撃的なラストにポワロファンでなくても驚いたことでしょう。
俳優生活50年以上。
25年間『原作に最も近い』と称賛されるエルキュール・ポワロを演じ続け、2020年には女王誕生日叙勲で、騎士団に所属しない騎士(Knight bachelor)に叙任されたデヴィッド・スーシェにまつわる意外な真実をご紹介していきます。
BEVERLY HILLS, CA - JUNE 29: Actor David Suchet attends the U.S. premiere of the series finale of Agatha Christie's 'Poirot' at The Paley Center for Media on June 29, 2014 in Beverly Hills, California. (Photo by Amanda Edwards/WireImage)
名前もフランス風だし、てっきりフランス人かと思っていたら…なんと生まれは英国ロンドン!
生粋のロンドンっこでした!!
では、あのフランス語訛りの英語はどうやって身につけたのでしょうか?
そもそもフランス語、しゃべれるのか気になりますよね。
実は、ポワロの役が決まってから、『フランス人と間違えられるベルギー人がしゃべるフランス語訛りの英語』をラジオを聞いて徹底研究!
フランスの田舎で話されるフランス語、ベルギー都市部で話されるフランス語をラジをで聞き比べ、長い間をかけて、あのポワロの喋り方を身につけたんだそうです。
私はすっかり騙されました!
『さよならポワロ!~世界が愛した名探偵・25年の軌跡~』というポワロ最終回の特集番組で、当時のベルギー市長フレディ・シールマンスと会話をするシーンがあるのですが、
『Your accent was not too bad.(あなたのアクセントはなかなかよかったよ)』
とお褒めの言葉をもらって、ホッとしているデヴィッドが印象的でした。
ちなみに、ポワロじゃないときのデヴィッドは低くて渋いトーンのイギリス英語です。
あれ?でも名字がフランス風なのはなぜ?という疑問は次のトリビアで!
TORONTO, ON - APRIL 24 - Big Interview with David Suchet, posing at The Royal Alexandra Theatre at 260 King St. W. Suchet stars in The Last Confession, and is best known for Agatha Christie's Poirot on television. April 24, 2014. (Andrew Francis Wallace/Toronto Star via Getty Images)
デヴィッドの父親は皆アフリカ出身、母親はイギリス人。デヴィッドはロンドン生まれ。
なのに、どうして名字がフランス風なのでしょうか?
やっぱりフランスと何かゆかりがあるの??
ということで、デヴィドの父方&母方両方の名字について調べてみました。
デヴィッドの母方の曽祖父アーノルドはパリからやってきた移民ユダヤ人でした。
(パリ出身ではなく、ユダヤ人迫害を逃れてパリに移住してきたようです。)
名字はジャシー(Jarchy)。
写真家だったアーノルドはロンドンで写真館を開き、『パリで写真館を経営していたおフランスの写真家』という触れ込みで繁盛していたそうです。
しかし、デヴィッドが自分のルーツをたどる特集番組で、アーノルドが経営していたという写真館を探しにパリへ行ったのですが見つからず、パリの写真館はアーノルドの誇大広告の疑いが濃厚に…!
『おパリ風』をかたった曽祖父のずる賢いビジネス手腕と、それにころっと騙された当時のイギリス人に笑うデヴィッド(笑)
その息子(デビッドの祖父)ジミー・ジャシェ(Jarché)が、苗字をジャシー(Jarchy)からフランス風のジャシェ(Jarché)に変えたそうです。
ジミーは、王冠を捨てた恋で知られるエドワード8世とウォリス・シンプソンの写真を撮るなど、初期のイギリスではかなり有名な新聞カメラマンでした。
一方、父方の家族の名字はもともとスシェドヴィッツ(Suchedowitz)といい、リアトアニア出身のユダヤ人でしたが、祖父イジドールが南アフリカに渡った際に、あまりにもユダヤ人っぽい名字を避けてフランス風のスーシェ(Suchet)に変えたといわれています。
ちなみに、スーシェ(Suchet)は、英語読みでは『サシェット』と発音され、デヴィッドももともとはサシェットとして俳優活動をしていました。
ポワロを演じるようになってから、フランス流の読み方『スーシェ』に改名したそうです。
WOODSTOCK, ENGLAND - SEPTEMBER 25: John Suchet, TV journalist and Classic FM radio presenter, during the Blenheim Palace Literary Festival at Blenheim Palace on September 25, 2015 in Woodstock, England. (Photo by David Levenson/Getty Images)
デヴィッドのお兄さんは、ニュースキャスターのジョン・スーシェ。
クラシックFMのホストをつとめていて、著書にもクラシック関連のものが多いです。
デヴィッドにポワロの話が来たとき、『お前には無理だからやめておけと兄に言われた』、『兄の言うことは聞くべきじゃない』などデヴィッドはインタビューで語ることがよくあるのですが、ジョン曰く『やってみれば?』と賛成したとのこと。
どちらが真実なのかはわかりませんが、まさか25年も演じることになるとは、ふたりとも夢にも思わなかったでしょう。
LONDON, ENGLAND - APRIL 07: David Suchet attends The Olivier Awards with Mastercard at the Royal Albert Hall on April 07, 2019 in London, England. (Photo by Jeff Spicer/Jeff Spicer/Getty Images)
デヴィッドの父親は産婦人科医で、デビッドも同じく医者になりたかったのだとか。
でも、数学の成績が良くなかったために医学部への進学を諦めたのだそうです。
母親も女優だったようですし、その父親、祖父は写真家という、母方のアーティストDNAを引き継いだんでしょうね!
デヴィッドみたいなお医者さん、いそうですけどね。
デヴィッドのポワロシリーズデビューは、実はポワロ役ではなく、ジャップ警部役でした。
1985年にアメリカとイギリスが合同制作した長編ドラマ『名探偵ポワロ/エッジウェア卿殺人事件(原題 Thirteen at Dinner)』にジャップ警部役で出演。
このときのポワロ役はピーター・ユスティノフという俳優で、当時はポワロといえばこの人でした。
今でも根強い人気があります。
デヴィッドがポワロを演じるドラマシーリーズとは違い、このドラマではジャップ警部はポワロをよく思っていないという設定。
現場でも食べてばっかりのダメ警部…(笑)
デヴィッド曰く、このときの演技は今までで最悪の出来だったのだとか。
ジャップ警部役の演技をうまくできなかったことについて、デヴィッドはこう語っています。
But I have to say that I am only grateful that when I played Inspector Japp with Peter Ustinov that I gave such a bad performance. I’ll tell you why. Peter went on to do four or five other films after that with the same cast so if I’d been good I would have been Inspector Japp in all those other films. I would never than have been asked to play Poirot.
『でも、ピーター・ユスティノフと共演してジャップ警部を演じたとき、最悪の演技をしたのが本当に幸いしたよ。
なぜかというと、ピーターはその後4つか5つかの他の(ポワロ)映画に出演し続けたんだよ。同じキャスティングで。
もし、私の演技が良かったら、そのすべての映画で私がジャップ警部を演じることになっていただろうから、ポワロ役をオファーされることは絶対になかっただろうね。』
BEVERLY HILLS, CA - JUNE 29: Actor David Suchet attends the U.S. premiere of the series finale of Agatha Christie's 'Poirot' at The Paley Center for Media on June 29, 2014 in Beverly Hills, California. (Photo by Amanda Edwards/WireImage)
そして、『Thank you!』と空を見上げて神に感謝するデヴィッド。
運命を感じますね!
CARDIFF, WALES - AUGUST 24: The Doctor's companion Pearl Mackie takes a selfie with extras and actor David Suchet (Centre), star of Poirot, during filming for the 10th series of Doctor Who on Pontcanna Road on August 24, 2016 in Cardiff, Wales. (Photo by Matthew Horwood/Getty Images)
原作に最も近いポワロと称されるデヴィッドですが、実はポワロ役が決まるまでアガサ・クリスティーの本を読んだことがなかったのだとか。
ポワロといえば、俳優のピーター・ユスティノフというイメージだったそうです。
役が決まってからポワロシリーズ全巻を読破し、原作に書かれているポワロの性格を徹底的に分析しました。
そして、ポワロの癖まで全て真似することで『原作に最も近いポワロ』を演じたのです!
例えば、
コーヒーや紅茶には角砂糖を4つ入れるのが習慣。でも、時々3つや5つ入れることもある。
ベンチに座る前には、必ずハンカチなどを敷いて座る潔癖症。
まるで黒い鳥のように頭を一方にかしげる癖。
など、クリスティーが描いたポワロ象を細かいところまで忠実に再現しました。
LONDON, ENGLAND - FEBRUARY 12: David Suchet and Sheila Ferris attend the press night after party of 'Nell Gwynn' at The Crypt St Martins on February 12, 2016 in London, England. (Photo by David M. Benett/Dave Benett/Getty Images)
奥さんとツーショット。いつも仲良し。
ポワロといえば、整った口ひげがトレードマーク。
実はあれ、つけひげなんです。
撮影時にお気に入りの口ひげが見つからないと、見つかるまで撮影を開始しないというこだわりぶり。
ただし、つけひげはいつも同じではなくて、毎回微妙に違う形なのですが…。
口ひげをつけると『ポワロモードON』。
口ひげをつけているときには、カメラが回っていなくてもポワロを演じていたそうで、本人がこんなエピソードを話していました。
以前、ヘイスティングで撮影中に、あまりにも疲れたのでセットから離れて一息ついていたところに老婦人が通りかかりました。
老婦人『あら、ポワロさん!こんなところで何をしているの?殺人事件の操作?』
とっさに、ポワロの高い声とフランス語訛りの喋り方で、
デヴィッド『ノン、ノン、マダム!バコンス(バカンス)ですよ。』
と、疲れて休んでいたにもかかわらずポワロを演じるデヴィッド、さすがですよね!
LONDON, UNITED KINGDOM - FEBRUARY 21: David Suchet sighted at Radio 2 on February 21, 2014 in London, England. (Photo by Alex Huckle/FilmMagic)
デヴィッド・スーシェ=ポワロというイメージが強いのですが、実はポワロ以外では悪役を演じることが多いのです。
ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー時代には、『オセロ』や『テンペスト』、『ロミオとジュリエット』で悪役として出演。
2000年の舞台版『アマデウス』では、迫力あるサリエリを演じました。
ハリウッド映画では、『エグゼクティブ・デシジョン』でテロリスト役、『バンク・ジョブ』では裏社会のボス役、『アイアン・イーグル』では中東の国の大佐役などがあります。
『ドクター・フー』のシーズン10にも、謎の悪役で登場しています。
ポワロ大好きな私は、デヴィッドのポワロ以外の役を見るのは気が引けたのですが…意外にも悪役がはまっていてびっくりしました!
自分は個性派俳優ではないから、演じる人物になりきることができるというデヴィッド。
ポワロも歩き方ひとつから全て演技なのですが、ポワロとの共通点もあるそうです。
それは、『キレイ好きで几帳面』という点。
デヴィッドのプライベートの部屋も、ポワロの仕事部屋のように常に整理整頓されているとのこと。
ポワロほどの潔癖症かはわかりませんが…
潔癖といえば、ドラマでのポワロが住むフラット(イギリス英語でマンションのことです)が選ばれた理由は、設計がシンメトリー(左右対称)だったからだそうで、これもポワロの性格を表しています。
ドラマ内では『WHITEHAVEN MANSIONS(ホワイトヘイブン・マンション)』でモダンな感じのフラットなのですが、実際は『FLORIN COURT(フローリン・コート)』という名前です。
1936年に建てられたので今はちょっと古めかしい外観になっていますが、プール付きの高級フラットで、約3億円で現在お部屋が売り出し中。
住所は、 6-9 Charterhouse Square, London EC1M
地下鉄Barbican(バービカン)駅のすぐ近くなので、ロンドンに行かれる際はぜひ行ってみてはいかがですか?
もちろん、ストリートビューでも見られますよ!
体を動かすことが嫌いなポワロと違い、デヴィッド本人はスポーツ万能なんです。
サマセット州にある名門寄宿学校ウェリントンスクール在学中には、テニス、ラグビー、ホッケー、卓球で活躍。
テニスにいたっては、ウィンブルドンのジュニアトーナメントに出場するほどの腕前です。
ウェリントンスクールに入学できたのも、入試の結果ではなく、スポーツの才能がずば抜けていたのを校長先生に気に入られたからなんだそうです。
ポワロからは想像できませんね!
The British writer Agatha Christie (Photo by Mondadori via Getty Images)
The Agatha Christie Society(アガサ・クリスティ協会)とは、1993年にアガサ・クリスティの娘ロザリンド・ヒックスによって作られた、クリスティファンにとってはレジェンドのような存在です。
ロザリンド・ヒックスが初代会長、デヴィッド・スーシェと、ミス・マープルを演じたジョーン・ヒクソンが副会長に就任しました。
残念ながら、今はもうThe Agatha Christie Societyは存在していないようです。
LONDON - APRIL 22: David Suchet attends the 2002 Bafta TV After party in the ballroom at The Grosvenor House Hotel on April 22, 2002 in London. (Photo by Dave Benett/Getty Images)
イギリスの朝の人気情報番組『This Morning』で、「今でもポワロのセリフを言えますか?」と質問されたデヴィッドは、Noと回答し、司会者を驚かせました。
なんと、ポワロを演じていたころでも、セリフは撮影の翌日には完全に忘れていたのだとか!
その理由は、セリフが多すぎて、自動的に上書き保存していかなければ、頭がいっぱいになってしまうからなんだそうです。
LONDON - JUNE 27: David Suchet, as Cardinal Giovanni Benelli performs an act from 'The Last Confession' on stage at the Theatre Royal Haymarket on June 27, 2007 in London, England. The play will be the first to be affected by the smoking ban which comes into place on the July 1, 2007. Westminster have banned Cardinal Villot (Bernard Lloyd) from smoking on stage during the play. (Photo by Gareth Cattermole/Getty Images)
今では、英国外国聖書協会 (British and Foreign Bible Society)のバイスプレジデントを務めるほど、熱心なキリスト教徒として知られるデヴィッドですが、実は40歳までは無宗教だったそうです。
40歳ある日、ホテルに置かれていたパウロ書簡『ローマの信徒への手紙8章』をたまた読み、心を打たれて、そのすぐ後に、英国国教会で洗礼を受けたと著書で語っています。
ドラマ内でも、ポワロがロザリオを手にするシーンが見られ、最終話ではかなり宗教色が濃く描かれていました。
原作『メソポタミア殺人事件』内で、自らをカトリック教徒だと名言していることや、ベルギー出身ということをふまえると、ドラマのポワロもカトリック教徒だと思われます。
ちなみにジョン・マルコヴィッチが演じるBBC版の新しいポワロの前職は、ベルギー警察ではなく、カトリックの司祭という設定です。
1946年5月2日生まれで、まもなく75歳のデヴィッドですが、なんとTwitterのアカウントを持っていて、自分でツィートしているそうです!
『たまにしかつぶやかないし、フォロワーもそんなにいない』
という、デヴィッドのアカウントを見てみると…
フォロワー5万人超え、めっちゃ頻繁につぶやいております(笑)
私ももちろんフォローしてますよ!
誕生日も近いことですし、ファンの方は@ツイートで英語のバースデーメッセージを送ってみてはいかがですか?
Twitterより、家族団欒のホッコリする写真をご紹介します!
上の写真はお嬢さんとクリスマスにデートですって!素敵ですね〜。
お嬢さん美人…。
可愛いですね〜、お孫さんも、デヴィッドおじいちゃんも!
そして息子さん!
家族みんな仲良しで羨ましいですね!
ポワロからは、こんな姿はとうてい想像できません!!
ポワロじゃないデヴィッドを知るのはちょっと怖かったのですが、俳優としての実力はもちろん、すごくお茶目な方で、ますます好きになってしまいました。
また名探偵ポワロのDVDを1話から観直してきます!!
名探偵ポワロのベストエピソードから観たいとうかたは、こちらの記事を参考にどうぞ♪
コメントしてポイントGET!
投稿がありません。
2021年夏ドラマ期待度ランキング