コンビニエンスストア「セブンイレブン」の新潟県長岡市内第1号店として、1987年5月にオープンした「セブンイレブン長岡新町店」(新町3)が、今月末で閉店する。当時珍しかった年中無休、24時間営業の店として住民らに親しまれてきたが、オーナーが高齢となり、開店から35年で幕を閉じる。
セブンイレブン長岡新町店は、国道352号の五差路沿いに立地する。周辺には住宅街や北部工業地帯があり、開店当時から、住民や工場従業員ら客層は幅広かった。
開店のきっかけは、市内で食品卸を営む「太田屋商店」が所有地の活用先を探したこと。当時、コンビニ各社が県内への出店を進めており、太田屋は関連会社を設立し、長岡市内では初めてセブン-イレブン・ジャパン(東京)とフランチャイズ契約を結ぶことになった。
市内では24時間営業、年中無休という業態は新しく、開店翌年の元日は、大挙した客で店内は身動きできないほどだったという。オープンの時から店に立つオーナーの太田くにさん(72)は「長岡中の人が詰め掛けたようだった」と懐かしむ。
その後、5、6年のうちに、近隣にも競合店が進出。市内でもコンビニは珍しい存在ではなくなっていった。太田さんの店を取り巻く環境は変わったものの、「地域のお店」として、住民からは愛され続けてきた。
ただ太田さんも寄る年波を感じるようになった。後継者がいないこともあり、ここを潮時とし、閉店することを決めた。近所から歩いて買い物に通ったという80代の女性は「20年以上、お世話になった。閉店は寂しい」と残念がる。
営業は28日午後3時まで。「1号店としての役目は果たしきった。もう悔いはない」と語る太田さん。最後まで店頭でお客さんを笑顔で迎えるつもりだ。