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EU首脳、防衛費大幅増で合意 ロシアへのエネ依存解消

(更新)

【ベルサイユ=竹内康雄】欧州連合(EU)首脳会議は11日、ウクライナに侵攻したロシアへの対応を盛り込んだ「ベルサイユ宣言」を採択して閉幕した。安全保障への危機感が強まっていることから「防衛費を大幅に増加させる」ことで一致。ロシアへのエネルギー依存を段階的に解消することでも合意した。EU首脳はロシアが状況を一段と悪化させれば、さらなる制裁も辞さないと警告した。

EUのミシェル大統領は閉幕後の記者会見で「2週間前と我々は別の世界に立っている」と語り、ロシアの脅威が間近に迫ったことで、欧州の防衛を強化する必要性を訴えた。宣言では防衛費の大幅増額に加え、加盟国間での防衛品の共同開発やサイバーや宇宙空間での防衛力の強化を明記した。

首脳は欧州委員会に防衛分野への必要な投資額を5月までに分析するよう要請した。欧州の防衛政策はこれまで個々の国が北大西洋条約機構(NATO)と協力しながら主導してきたが、EUの関与を強める格好だ。ミシェル氏は6月より前に臨時のEU首脳会議を開き、安全保障と防衛問題を集中討議する考えを示した。

ロシアへのエネルギー依存も解消する。国際エネルギー機関(IEA)によると、EUの2021年の天然ガス輸入に占めるロシアの割合は約45%。これを「できるだけ早く解消する」ことで合意した。欧州委は27年までに依存度をゼロにすることをめざし、5月に具体策を提案する。

エネルギー価格の高騰を受け、消費者や企業を保護するための制度づくりを進める。

ロシアに対しては、さらなる制裁を視野に準備を進めることで一致した。EU議長国フランスのマクロン大統領は、ロシアのプーチン大統領が状況を悪化させれば「再び大規模な制裁を科さねばならない」と力説した。フォンデアライエン欧州委員長は既に科した制裁が「ロシア経済に打撃を与え始めている」と主張した。

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