ウラジーミル・プーチン大統領あての要望書

2019年1月11日

 

ロシア連邦大統領

ウラジーミル・プーチン 閣下

 

在札幌ロシア連邦総領事館

ファブリーチニコフ・アンドレイ 閣下

 

モシㇼ コㇽ カムイの会 Mosir Kor Kamuy no Kai

代表 畠山敏 Hatakeyama Satoshi

副代表 石井ポンペ Ishii Ponpe

094-0015 日本国 北海道紋別市花園町7-3-22

電話 090-8906-7266 fax 1582-3-9025

 

イランカラプテ

 

尊敬する大統領閣下ならびに総領事閣下におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

突然このようなお手紙をお届けする無礼をどうかお許しください。

 

わたくしたちは、日本領の北海道島で生まれ育ち、現在は北海道島の内外で暮らすアイヌの有志です。アイヌは、オホーツク海を取り囲む北海道島やクリル諸島、カラフト島、カムチャツカ地方の先住民族であり、19世紀以降、貴国と日本国の間で何度も引き直されてきた国境線によって生活圏を分断され、またそれぞれの国家の圧倒的支配を受けながら、150年にわたって非常な労苦を強いられてきました。

いま日本国の領土に暮らすわたしたちは、2007年に国際連合総会で採択された「先住民族の権利に関する国際連合宣言」にちからを得て、日本国政府に対し、先住民族アイヌの諸権利を妨害しないよう、また、これまでの妨害によってアイヌが被った不利益を早急に回復するよう求めていますが、今般、貴国政府と日本国政府の間で、いわゆる領土交渉が活発化していることにかんがみ、この地域の先住民族として、貴国大統領閣下ならびに総領事閣下に、以下の要望をお伝えいたします。

 

  1. クリル諸島をアイヌ民族の自治州/区としてください。
  2. クリル諸島沿海域をアイヌ民族による漁業資源管理エリアとしてください。
  3. クリル諸島の自然環境を保全してください。とくに南クリル地域については、UNESCO世界自然遺産登録地である知床半島(北海道島)との一体的な保全管理をご検討ください。

 

わたくしたち先住民族アイヌのさささやかな要望にご配慮をたまわれば幸甚です。

尊敬する貴国、ならびに貴国国民のみなさまのますますのご発展をお祈りいたします。

 

イヤイライケレ