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内藤廣建築設計事務所ら/都内で「奇跡の一本松」の根を展示/被災地に思いを  [2022年3月11日3面]

展示された奇跡の一本松の根

 内藤廣建築設計事務所(東京都千代田区、内藤廣代表取締役)と倫理研究所(丸山敏秋理事長)、岩手県陸前高田市は、東日本大震災からの復興に向けたシンボルの一つとして知られる「奇跡の一本松」の根を公開する展覧会を11日から開く。会場は、東京都千代田区の同研究所紀尾井清堂。会期は2023年2月9日までを予定する。
 7万本を誇る名勝地として知られていた同市の高田松原は、東日本大震災で壊滅的な被害を受けた。その中で奇跡的に残った1本で、上部はモニュメントとして保存整備されたが、根は分割されて保管されていた。
 内藤代表取締役は、同市に整備された高田松原津波復興祈念公園の国営追悼・祈念施設などの設計を手掛けてきた。根から放たれる強い存在感や生命力が大きな感銘を与えると同時に、被災地に思いをはせる動機付けになると考え、展示を企画した。
 10日に開いた内覧会で内藤代表取締役は「根を見た時に言葉にならないメッセージを言われたような気がした。すごい存在感を感じ取ってほしい」と語った。
 同市の阿部勝地域振興部長は戸羽太市長のあいさつを代読し、「津波に耐えた根は力強く、多くの方に生きる力を与えてくれると信じている」と述べた。
 展示会は無料。事前予約が必要。詳細は同研究会ホームページ(https://www.rinri-jpn.or.jp/news/16815/)へ。

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