今回は、南ハイランドのタリバーディンのウイスキー、225 ソーテルヌ フィニッシュを飲みます。

エディンバラ近郊の蒸溜所

_DSC4185_01タリバーディン蒸溜所は、エディンバラから北に20km離れたブラックフォードにあります。ブラックフォードはハイランド地方とローランド地方の境界付近にあり、ぎりぎりハイランド地方に属します。

元々この地には、1488年からビールの醸造所が作られ、1503年には時のスコットランド王、ジェームズ4世によってビールの素晴らしさをたたえられて勅許条を授与されました。
しかし19世紀後半には閉鎖されてしまったようです。

その後1947年にウイスキーの蒸溜所として再建されましたが、幾度もオーナーが変わり、稼働停止もありました。
2011年にフランスのピカール社が買収し、今に至っています。

現在は長期熟成のボトルの他に、後熟した樽の名前がつけられたノンエイジのボトルもラインナップされています。
ボトルの名称には、カスクの種類と容量が併記されているのが特徴で、今回の225 ソーテルヌ フィニッシュも、フランスのソーテルヌで作られる貴腐ワインを貯蔵した225Lの樽を後熟用として使っています。

他に、228 バーガンティは228Lのブルゴーニュワイン樽でフィニッシュ、500 シェリーは500Lのシェリー樽でフィニッシュしています。


そのほかに、ブレンデッドウイスキーの「ハイランド・クイーン」のキーモルトとしても使われています。

甘味を伴ったブドウの香りが広がる

グラスからの香り、液色

グラスからはブドウの香りがしっかりと鼻へ通っていきます。
液色は淡い琥珀色、あるいはゴールドです。

ストレート

先にラムレーズンの香りが広がり、後から蜂蜜、カラメルの香りが続きます。

味わいは、アルコールからの辛みはそこそこあるものの、その後に甘味が一気に広がります。

ロック

軽くスモーキーな香りが感じられた後、ライムとラムレーズンの香りが口に広がります。
その後は蜂蜜などの甘い香りもついてきます。

味わいは、多少の苦みの後、酸味が全体を支配し、後から甘味も得られます。

ハイボール

レーズン、リンゴの香りが前に出て、続いてハチミツ、バターの甘い香りが続きます。スモーキーさは感じられなくなります。

味わいは、先に苦みが少々感じられるものの、その後酸味となり、最後に甘味が広がります。

まとめ

貴腐ワインの樽で後熟させただけあって、ブドウの香りに蜂蜜を思わせる甘い香りが加わって、比較的甘味のあるボトルに仕上がっている印象です。

ロックにしたときにスモーキーな香りが感じられますが、水割りやハイボールにすることでさほど感じられなくなり、飲みやすくなります。

シェリー樽とは違う新鮮味が目立つブドウの香りが印象に残ります。

700mL、アルコール度数43度、価格は4800円ほど。

<個人的評価>

  • 香り B: ラムレーズン、ハチミツ、カラメル、バター。ロックでスモーキーさが垣間見られる。
  • 味わい B: ストレートではアルコールの刺激が強め。多少の苦みを伴うが、甘さが締める。
  • 総評 B: 貴腐ワイン樽の少しフレッシュなフルーティ感が得られる。