May 16, 2007
母親の頭部を持って自首した17才、なぜ切断した母親の右腕を白く塗ったか?
福島母親殺害:少年、右腕も切断 ノコギリなど事前準備か - MSN毎日インタラクティブ
母の切断頭部持参し自首 殺人容疑で17歳逮捕 会津若松 - Yahoo!ニュース 産経新聞
2007年5月15日の午前7時頃、福島県会津若松署に17歳の高校生が母親の頭部をバックに入れて「母親を殺した」と自首した。 このニュースを狂気の沙汰と判断し、その背景に何があり、繰り返さない為に何に気をつけたら良いのかを考える為、この事件を少ない材料から個人的にプロファイリングしてみる。
画像は福島県会津若松市

少年は高校へ通う為に親が借りたアパートに弟と2人で暮らしていた。 母親は週に1度程度のペースでアパートに少年達の世話をしに訪問していたらしい。 この時点で過去に起きた親子殺しの事件で同じようなケースが思い浮かぶ。
それは22歳の大学生が自宅前の路上で両親を刺し殺した後、自殺した事件。 この事件との共通事項は学校へ通う為の住居。 22歳大学生の場合は、通学をしなかった為に大学の近所に新築の家を建てて引っ越した。 今回の17歳高校生の場合は、「通学が不便ではないか?」ということで親が息子達へアパートを借りたというようなニュアンスの報道がされている。
ここでもう一つの共通点が浮かぶ。 それはどちらの親も近所の評判が良い親であったこと。 だが近所の評判が良くても家庭内が外部の者が評判する通りに良いものなら、こういった事件は起きないだろう。 事件が起きることで結果的に外面だけが良いご両親達であったということになり、外面の良かった親は死と共に面目丸つぶれになる。 外面の良い親の顔に泥を塗ってやる! それだけで少年や青年が両親を殺害するとは考えていない。 だが息子を追い詰め過ぎて、息子の逃げ場を無くしてしまう親は、結果的にそれだけで両親を殺害する精神状態に追い詰めてしまうと考えている。 このブログに辿り付いたこの事件に似た問題に悩む人は、来年の5月も同様の事件が起きないよう一笑に付さずこのブログの内容も真剣に考えて頂きたい。
【社会】22歳二男が両親刺殺し、自殺…千葉・習志野の自宅前[05/31] - 2ちゃんねる
少年が自首するまでの行動は少年にとっては無意識な行動で特に意味は無いものかもしれない。 しかし、なぜ少年が親を殺したか?を考えるときにその無意識な何気ない行動から、少年の生活習慣と思考が多少推測できる。 少年は会津若松署へ出頭する前にインターネットカフェへ立ち寄り、「The Beastie Boys」のライブビデオを借りて見ていたらしい。 会津若松署へはタクシーで向かったと報道されているから、ここに来る前後で父親へ連絡して自首することを決意したのではないか?と推測する余地が残る。
少年に自力で出頭する強い意志があったなら、タクシーを使わずに歩いて警察署へ向かっただろう。 「なぜ少年がタクシーを使ったか?」について分析すると少年の金銭感覚や金の流れについても考察することができるだろう。 これらの過程を想定していくと、タクシーで出頭という結果に父親の陰が見え隠れしている気がする。
ビースティ・ボーイズ(Beastie Boys) - Wikipedia
Hellogoodbye tribute to The Beastie Boys (LIVE)! - YouTube
次になぜ少年が頭部をバックに詰めて自首したのか? おそらく少年は、少しの疑いや少しの時間でも信用されない状況があることに必要以上の不満を持つようになっていただろうと思う。 この憶測を事件に結びつけると、少年の言葉は母親や警察に信用されず受け入れられずその時を迎えたの可能性がある。 少年は精神病院への通院歴があり、今回は母親を殺害したというパターンから憶測を膨らますと、以前にも警察の世話になっていたことがあったとしても不思議ではない。
そのときに警察は少年を不良ではなく良い子と認識し、「少年よ、しっかりしろ!」とか「元気出せ!まだ若い!」みたいなお決まりの台詞で少年の言葉や気持ちを跳ね返したことがあったのではないか? このおきまりの台詞は、少年の通う高校の校長がこの事件を受けて開いた全校集会で生徒達を前に語った台詞と同じ。 警察が少年の通う高校の校長と同様のことを言ったとは考えていない。 だが、お国柄や地域の特性というものを考えて似たニュアンスで少年をマニュアル対応にて軽視したと思う。
そういうことがあると、追い詰められた苦しみにある人は「ここまでやれば信じますか?信用しますか?」という行動で理解を求める。 周囲は本当ならそうなる前に人の意見を聞かなければならない。 ところが現代ではそれはなかなか難しい状況になってる。 追い詰められた人間に対し追い詰めた人間が自分の意見ばかり聞かせようとする。 このような行為はプアーだ。 追い詰められて言うことを聞かなくなるその前にそのプアーなノイズは既に聞き飽きているはず。 だからこそ追い詰められた人間にこそ耳を傾けなくていけんを本気で尊重しなければならなかったはず。 わかるだろうか? プアーな行為で相手を追い詰めてしまった場合に得意満面でアドバイスをするのが、どのくらい貧しい行為であるかを。 しかも貧しさでアドバイスという強要を迫っているという事実を。
Fight For Your Right by Beastie Boys - YouTube
少年は母を殺害し、頭部と右腕を切断した。 頭部を高校へ通うときに持つ手さげバックに入れた。 それを肩に背負うようにして持ってインターネットカフェを歩いていたらしい。 切断された右腕は、母を殺害したアパートで植木鉢にあり、白いスプレーで塗装された状態で残されていた。 母親を殺すテンションと母親の顔とも思える頭部を持ってインターネットカフェに入る心理状態から推測して、母親の言葉や顔が常に少年の脳裏から離れなかったままインターネットカフェへ通っていた時期あっただろうと推測する。 その取れない母親の声や顔をを取っ払ってくれるのが Beastie Boys で必死に脳裏を妄想で上塗りしたのは、母を殺すイマジネーションだったのではないだろうか。
少年は「殺すのは誰でも良かった」、「世の中から戦争やテロがなくなれば良い」というようなことを供述したらしい。 だがこの点は報道が錯綜している。 「戦争やテロが起きないかなと思っていた」と供述したことを読売新聞が報じている。 何か物事が「なくなれば良い」と「起きないかなと思う」の2つは反対の意味になる。 どちらかが嘘か?それともどちらも本当か?
「誰でもよかった」母殺害の高3供述、のこぎり事前に購入 - Yahoo!ニュース(読売新聞)
少年が理解不能に陥ってる部分がこの供述からなんとなく推測できる。 少年は戦争やテロが何なのか分からなくなっているのではないだろうか。 「誰でも良かったのか?」それとも「誰でも良くなかったのか?」と重ねて戦争やテロが分からなくなっていたのではないだろうか。 もしくは解らなくしたい部分なので解らないことと重ねて供述してるのかもしれない。 そうすると、ある程度は母親を母親と思わなくすることで犯行に及んだ可能性も浮上する。 事の真相の動機に繋がる部分で何が何だか解らなくなっているのだろう。 これは供述の一部始終が見れないから演出である可能性は否めない。 だが他に大きな事件の動機を覆(くつがえ)すような何らかの材料が出てこない限り彼の訳の分からない供述は演出でなく真実と思う。
少年が犯行に及んだ心理状況が推測できる部分がもう一つある。 植木鉢にあった切断された右腕は何をしようとしたのか? 右腕はスプレーで白く塗装されていたらしい。
少年は過去にスキーをやっていて大会に出場するレベルだったらしい。 個人的には「植木鉢にあるもの」、「植木鉢に挿したもの」をスプレーで白く塗るというのは、冬の木をモチーフにしたオブジェのようなものをイメージしていたのではないかと思った。 そこに少年の伝えたかった母への意見が込められたものが出来てしまっているような気がしてならない。 そこだけがこの事件で悲しさを漂わせている。 それ以外は実に狂気の沙汰で突っ走っているとしか思えない。 少年は母親の頭部を持ち歩いて出頭するよりも、スプレーで白くなった植木鉢の白い右腕と長く居ることはできなかったのではないだろうか? 白く塗られた右腕だけが母親との会話が成立した姿であり、それ以外は憎たらしくて仕方が無かったとしか思えない。 もしもそうなら、少年はいずれ自ら苦しいほど悔いる時がくるはずと思う。 もしも植木鉢の腕が彼の意見なら少年は母との会話を強く望んでいたはずだからだ。
毎年、5月頃にこのような事件が起きていることや親や少年がお互いに間違いに気付いて解り合えていれば…。
「うちの子に限って」や「自分に限って」という考えは、愚かである事が周知されているはず。 他ばかりを責めて我が身を外面で隠し通すのも厚化粧はなんとかって昔から云われてきたはず。 解りあえないジレンマでこれ以上殺しあわないよう注意していかなければならないと思う。 それは勿論、一番身近なところから。
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