いざ鎌倉(読み)いざかまくら

故事成語を知る辞典「いざ鎌倉」の解説

いざ鎌倉

一大事が起こり、とりあえず駆けつけるべき時。また、全力を尽くして働くべき時。

[使用例] 毎日毎日の訓練の結果を冬山へ持っていくというところは、いざ鎌倉というときに備えて、毎日訓練をつづけている軍隊の考え方と全く同じだ[新田次郎*孤高の人|1969]

[由来] 謡曲の木」から。佐野源左衛門という落ちぶれた武士は、あるとき、旅のに「鎌倉に御大事あらば、〈〉一番に馳せ参じ」るつもりだ、と語りました。その後、実際に幕府からの緊召集を受けて、源左衛門は真っ先に鎌倉に駆けつけます。すると、そこに待っていたのは、あの旅の僧。彼は、実は幕府の執権北条時頼で、源左衛門は褒美をいただいたのでした。

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精選版 日本国語大辞典「いざ鎌倉」の解説

いざ 鎌倉(かまくら)

さあ一大事が起こった、の。中世鎌倉幕府の頃、大事件が起これば諸国の武士が鎌倉に召集されたところからいう。
※滑稽本・七偏人(1857‐63)二「でもいざ鎌倉(カマクラ)といふ時じたばたと跂(はね)まはる役に立(たた)うか」
[補注]直接の出典としては、謡曲「鉢の木」で、佐野源左衛門常世が、宿を貸した回国の僧、実は執権北条時頼に向かって語る、「自然鎌倉に御大事あらば、〈略〉一番に馳せ参じ着到に付き」ということばが考えられる。

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ことわざを知る辞典「いざ鎌倉」の解説

いざ鎌倉

一大事が起こり、とりあえず駆けつけるべき時。また、全力を尽くして働くべき時。

[使用例] ふだん飲んだくれていたってイザとなればを捨ててみせると考えたり、ふだんジメジメしていたのではいざ鎌倉という時に元気がでるものか、という考えは、我々が日常口にしやすいところである[坂口安吾真珠|1942]

[解説] 鎌倉幕府の頃、大事件が起こると、諸国の武士が鎌倉にせ参じたところからいうことば。

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