卒園式の午後、参院予算委の調査メンバーが小学校予定地の敷地内に入ると、籠池氏は「誠に恐縮ですが、安倍内閣総理大臣の寄付金が入っております」と発言。小学校前に詰めかけたマスコミは騒然となった。無理もない。安倍首相は国会で「私や妻が(国有地払い下げに)かかわっていたのなら総理大臣も議員もやめる」と断言しているのだ。
「森友学園がんばれー。籠池さん負けるなー」などと森友学園の支持者とみられる女性が叫び続け、わざわざマスコミに近寄って話している籠池氏の声をかき消す。別の団体は「森友をいじめるな。いじめるんなら朝鮮学校や」と不穏当なことを言い、警官が出動した。応援しているのか邪魔しているのかわからない。
「心が通じ合っていた」と信じ、野党やメディア攻勢にも安倍夫妻を守り続けたつもりが、稲田防衛相や安倍首相に手のひらを返したような態度をとられた籠池氏。「馬鹿にしやがって」と怒りが抑えきれなかったのだろう。
籠池氏からの聞き取り後、参院予算委の調査メンバーは「昭恵夫人が100万円を渡した」と自信を深めた。自民党も支持率下落をおそれて証人喚問を認めた。この日、籠池氏は吹っ切れた表情だった。
そもそも、森友学園問題の火つけ役は豊中市議の木村真氏(52)だった。
■「赤い中華料理屋」と呼ばれた校舎
昨年、建設現場で児童募集ポスターに驚き、近畿財務局に情報公開を求めたところ、売却金額などが黒塗りで出てきたため、行政訴訟を起こした。